(C)旅手帖 beppu Photo by 安藤幸代
以前に比べて、日本各地で開催されるようになった芸術祭。一度にいろんな作品を見ることができたり、体験できるので自然や街を観光しながら楽しめるようになりました。そんな芸術祭の中でも、この夏、注目しているのが大分県別府市で開催する別府現代芸術フェスティバル2015「混浴温泉世界」です。
(C)旅手帖 beppu Photo by 安藤幸代
別府といえば、言わずと知れた温泉の街。源泉数、湧出量とも全国随一である大型温泉観光地です。3回目となる今回のテーマは「世界は不思議に満ちている」。市内各所でライブ感あふれる、さまざまなプロジェクトが展開されます。
とことん体験しながら楽しむ!「混浴温泉世界」の特徴は、体験型アートなこと。ツアーに参加して、別府の街中でしか味わえないアート体験が楽しめるんです。プログラムの中心となるのは、下記のふたつのツアー。
<アート ゲートクルーズ>
4人のアーティストのそれぞれの世界へと通じる門、アートゲートを巡る旅。
別 府の奥深く、今は使われていない建物や入り組んだ路地裏、ひっそりと広がる地下室など、普段は立ち入ることのできない町の内奥で、アーティストたちが場と 対話し、それぞれのエピソードを紡ぎ出します。町の記憶と出会いながら、別府の街でもうひとつの時間空間をさまよい歩くなんて、未知の世界に連れていってくれそう。
蓮沼執太 SINDEE -installation view-/2013年
Photo by Takehito Goto
大友良英 Ensembles 2010 共振 第7室/2010年 水戸芸術館
Photo by Motoyuki Shitamichi
<ベップ・秘密のナイトダンスツアー>
週替わりで会場もパフォーマーも異なるダンスが繰り広げられるというもの。
どこか、昭和の香りがする別府の街全部がステージ。こんなところで踊るの? とサプライズも多そうです。
吟子 Photo by RAW
新感覚のお化け屋敷も登場元ストリップ劇場の永久別府劇場を会場に、現代美術家や照明デザイナー、システムデザイナー、パフォーマーらがお化け屋敷を作り、小学生から大人まで楽しめる、いまだかつてない新しいお化け屋敷「永久別府劇場・恐怖の館」を誕生させます。元ストリップ劇場がどんなお化け屋敷になるのか? 夏のフェスティバルならではの試みです。
そのほかにも、会期中は、デパート全体を使ったライブ型展覧会「わくわく混浴デパートメント」も開催。作品展示はもちろん、ライブペインティングやパフォーマンスなどライブ感あふれる多数のイベントが展開されます。
アートな大分をもっと満喫!この夏の大分は、ほかにも見所がたくさん。大分市中心市街地のトイレを舞台・テーマにしたアートプロジェクト「おおいたトイレンナーレ2015」は、屋外の公共トイレ、デパートのトイレ、街の奥深くで営業する店舗内・個室トイレなど誰もが使うトイレで、16組のアーティストが独自の世界観を披露します。
さらに、アートと鉄道を融合させたプロジェクト「おおいたトレインナーレ」も同時開催。列車のラッピングや絵本型スタンプラリーなど鉄道の旅がもっと楽しくなる企画が盛りだくさんです。
人と触れ合う顔がみえる芸術祭見るだけの芸術祭はつねに受け身なので、息切れしてしまうこともあります。でも、こんな体験型アートなら自分も作品の一部になって、ひとつひとつのパフォーマンスを目の前でじっくりと味わうことができるので飽きません。
アートを見にいくと気負わずに、ただ楽しい、キレイ、感激、びっくり! といった素直な感情にしたがいたいなら......。この夏、大分でとっておきの体験ができそうです。
[別府現代芸術フェスティバル2015「混浴温泉世界」]
主催:別府現代芸術フェスティバル「混浴温泉世界」実行委員会
会期:2015年7月18日(土)~9月27日(日)
場所:大分県別府市内各所(中心市街地/鉄輪地区 など)
※ツアー作品が多いため、日程によっては完売のチケットがあるのでご注意ください。