「ラプアン カンクリ」が生まれた町、フィンランドのラプア。一年のうち半分以上は雪に覆われているのだとか。
6人のデザイナーのうち、約半数が日本人。何か特別な理由があるのでしょうか。
ヤーナさん:(鹿児島)睦さんと(鈴木)マサルさんね。今シーズンからもう一人、(吉澤)葵さんという素敵な女性も加わりました。どうしてこんなに日本人デザイナーを好むかというと、私たちが求めているものととても似ているところがあると感じているから。シンプルな柄もただシンプルなだけでなく、その中に驚くようなディテールがあちこちに鏤められている。そういった驚きは、他国のデザイナーからは発見できないんです。
エスコさん:北欧的なシンプルさのいいところと、可愛らしさのある日本的なシンプルさが共存することで、とてもいいものが作れると思っています。異なるところのたくさんある2国だけど、似ているところもあって、その部分は非常に近しいものだと感じています。
鮮やかでいて、シンプルで愛らしい。クリスマスシーズンに参考にしたい、「ラプアン カンクリ」のリネンを使ったヤーナさんのテーブルコーディネイト。
「ラプアン カンクリ」の魅力を知るのに、まずはじめに使ってみてほしい製品はどれでしょう。
ヤーナさん:キッチン用のナプキンは手ごろなので、ぜひ使っていただきたいですね。それから大判のタオルはテーブルクロスやブランケット、ストールと何通りにも使えるのでとても便利です。飽きてしまったらシャツに仕立ててもいいかもしれません。
エスコさん:ウールでしたら、私がおすすめしたいのはポケット付きのショール。とても軽くて温かく、実用的なので冬の間は活用の機会が多いと思います。フィンランドと比べて日本の冬は穏やかで短いから、うらやましいですね(笑)。
ヤーナさん:手紙を投函したり、ご近所に届け物をしたりといった小さな用事があるでしょう。すぐそこだから、コートを羽織るのも面倒。そんな時にパッとこれを羽織っていく、そんな使い方をしています。
ふんわりと軽くて、やわらかなウォッシュドリネンのバスタオル。バスルームで、リビングで、ピクニックや旅先で。使いみちをあれこれ考えるのも楽しい。USVAバスタオル 70×130cm ¥8,000
仕事に情熱をもって取り組んでいると、オーバーワークになりがち。3人の子どもたちとの暮らしを楽しむために、仕事とプライベートのバランスをどう取っていますか。
エスコさん:やっぱり仕事はどうしても情熱を込めてやりますから、どこまでやっても大丈夫か、どうしたら自分たちがバランスをとって生きていけるかということを、長い時間をかけて習得しているのではないかと思います。それから小さな町に暮らしていること、住まいと仕事場がとても近く通勤時間が圧倒的に短いという点も、暮らしを楽しむことに貢献していると思います。
ヤーナさん:フィンランドは学校のシステムが非常によくできていて、子どもたちを安心して任せておくことができるのも大きいですね。それに加えて両親が近くに住んでいるので毎日のように手伝ってくれますし、ご近所付き合いが密なので、彼らとも互いにサポートし合っています。たとえば、近所にリタイアしたばかりの方がいて、彼らは時間にゆとりがあるのですることがあるとむしろ喜ぶんですね。子どものお世話を頼むことが、彼らを幸せにすることでもある。自分たちだけでがんばっているわけではなく、お互いが助け合っているというのがいいところであり、とても幸せなことだと思います。
最後に、夫婦円満の秘訣を
家庭も仕事も、常に二人三脚で取り組むお2人。最後に、夫婦円満の秘訣について教えてください。
エスコさん:私たちは15歳の時から知り合いで、人生の大半を一緒に過ごしています。その時間の長さと、日々エクササイズ(ちょっとしたケンカ)をしながら、トゥーマッチなくらいたくさん話をしていることが秘訣じゃないかな。
ヤーナさん:本当によく話をするので、休日は「仕事の話はしない」って子どもたちに宣言して出かけるのだけど、突然どうしても話さないといけないことを思い出して「お願い、一つだけだから!」って断って、こそこそ話をすることも(笑)。
エスコさん:子どもたちはすでに十分織物のことを聞いているから、休日にまで聞きたくないんです(笑)。
自然とともに、人びとが寄り添いあって暮らす北国の小さな街・ラプアから日本を訪れ、自らのもの作りについて終始にこやかに、誇らしげに語ってくれたエスコさんとヤーナさん。「ラプアン カンクリ」がこんなにも私たちの心を捉えるのは、本当に心地よい暮らしを知る人たちの手で作られているからなのかもしれません。
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