自分の肌を「敏感」だと感じている人は多いのではないでしょうか。ところが、皮膚科医の川島眞さんは著書のなかでこのように語っています。

よく「敏感肌」という表現が使われますが、医学的には敏感肌という肌タイプはありません。敏感肌だと思っている人の多くは、角層のバリア機能が低下している乾燥肌であると考えられます。そのため、外部からの刺激に弱く、トラブルが起こりやすくなっているのでしょう。

(『皮膚に聴くからだとこころ』(PHP新書)より引用)

敏感肌は、極度の乾燥肌?

この話、じつは私自身にも思い当たる節があるんです。

私は以前、化粧品会社で美容部員として働いていたことがあるのですが、「敏感肌」だとおっしゃるお客さまのなかには、極度の乾燥が高じて肌が敏感になってしまっているという場合が、少なからず存在していました。

また、そのようなお客さまに、とにかくていねいに保湿をしてほしいと伝えて自宅でみっちりスキンケアをしてもらったところ、1か月後には乱れていた角質層の状態が安定し、見事に健康な肌に変わっていたということも。

もちろんこれは一例ですが、「自分は敏感肌だ」という認識から「自分は乾燥肌だ」という認識にシフトすることで、肌が変わってくるという可能性もあるのです。

スキンケアは、ちょびちょび重ねづけ

ちなみに、そのお客さまに実践してもらった保湿法というのは、「スキンケアのちょびちょびづけ」です。

使用量の目安として「500円玉大」と書かれている化粧水なら、いちどに500円玉大を手にとって肌につけるのではなく、その半分や3分の1の量を取り、2~3回に分けて肌につけてもらうという方法。

いちどにたくさんの量を肌に入れようとするとなじむのに時間がかかり、肌内部までしっかりと浸透させられないことが多いのですが、少ない量ならなじませやすく、浸透させやすいのではないかと個人的に感じています。

これからの季節は乾燥も激しくなり、肌が敏感にかたむくことも。そんなときは、スキンケアのちょびちょびづけで乗り越えられたらいいなと思っています。

[皮膚に聴くからだとこころ]

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