とくに東京にいると、クリスマスはカップルで過ごすもののような印象も抱きますが「そんな予定もないのにソワソワするのはなぜ?」と思っていました。
その答えがはっきりわかったのが、ある刺繍を見たとき。その刺繍には子どもの頃に読んだ絵本の世界がそのまま映し出されたような動物や植物たちがたくさんいました。
この刺繍「CORAL&TUSK(コーラル・アンド・タスク)」のデザイナーは、アメリカ・オハイオ州出身のステファニー・ハウズリー。ステファニーはインテリアのテキスタイルデザイナーとして15年活躍した後、2007年にブルックリンでCORAL&TUSKを設立しました。
インスピレーションの源は?とステファニーに聞いてみると、
「旅。あとは色々な住居や動物。いまも世界各地を旅しているのは、幼い頃に旅先で見た大自然に感動したのがきっかけね。あとは、動物の形だけではなく、そのキャラクターのこともイメージしてデザインしているわ」
と答えてくれました。
旅や自然からインスピレーションを得たというデザインの数々は、何も不安がなかった子どもの頃の気持ちを思い出させてくれました。
そして、ステファニー自身のワークスタイルを聞いてみると、
「デザインは、みんながオフィスを出たあとに始めるの。朝の4時か5時くらいまでやっているわね。ひとりの時間の方が集中できて、作業も進むわ。そして、朝、家に帰って1時間くらい寝てまたオフィスに行くの」
とてもハードなワークスタイルに驚きましたが、もちろんこれは作業が佳境にはいったときだけ。普段はブルックリンのクリエイター同士のつながりを楽しんでいる、とも話してくれました。
もうすぐやってくるクリスマス。子どもの頃のしあわせな記憶とともに過ごす、というのもいいなと思えてきます。
[H.P.DECO]
(篠田慶子)