現代の日本の食文化は、伝統的な和食に限らずさまざまなものが融合されたものなのだと思うのですが、やはり伝統的な和食を食べるとほっとします。いろいろな情報が溢れ、何を食べたらいいのか分からないという声もよく聞きますが、何を食べたらいいかではなく、何を食べたいか、だと思うのです。どんな物を食べるかよりも、どんなふうに食べるか、どのくらい食べるか、だと思うのです。
とはいえ、体が食べたいものと舌や頭が食べたいものが一致しているかわからない、という声も聞こえてきそうです。指針となるのは、食べているときにおいしさを感じるか、しあわせな感じがあるか。そして食べた後に、体が軽く、活力がわいてきているかです。食後に体が重くなったり眠くなったりする場合は、食べ過ぎか、その食材が自分にとって消化をしにくいものなのか、あるいは、イライラしながら食べたか、だと思います。この食材のこの成分がいいから、だめだから、など頭で食べるのではなく、食べたいと思ったら、食べてみる。そうして、体でそれがどんなふうに自分に影響しているのかを感じてみる。そんなふうにして、自分にはどんな食事をどれくらい食べるのが適しているのかが、体感としてだんだんとわかるようになると思います。
今日食べたもの:菊花蕪
かぶを菊の花に見立てた菊花蕪(きっかかぶら)。おせちだけではなく、ふだんのおかずにも。細く切ったかぶの食感が楽しいひと品です。
かぶは皮をむき、根元を5mmほど残して細かく包丁を入れます。かぶを90度回転させて、同様に切り込みを入れます。かぶに格子状の切れ込みが入った状態です。
漬け汁を作ります。鍋に塩、砂糖、みりん、水を入れて煮立てて塩と砂糖を溶かして少し煮詰めます。あら熱が取れたらお好みのお酢(赤くしたかったので梅酢と柿酢を使いました)を加えます。
保存容器にかぶを入れ、漬け汁をひたひたまで加えて冷蔵庫へ。1日くらいおいてからが食べごろです。器に青菜を敷き、かぶをのせてゆずの皮を中心においていただきます。