調査会社Harris Interactiveが行ったアンケートによると、人生において愛の優先順位を高いと考えるフランス人はおよそ84%もいることがわかりました。
恋するパリジアン
またCaprice des DieuxとIpsosによる別のアンケートによれば、パリジアン(パリに住む人々)の74%が、年齢にかかわらず「いま、恋している」と答えています。
最も恋している人が多い年齢層は、25~34歳。そのうちの40%が「情熱的な恋をしている」、29%が「とても恋している」と答えています。35~44歳になると、情熱はわずかに減るものの、「愛」は健在で、45~70歳の年齢層で、安定した状態になります。
(「Journal des femmes」より翻訳引用)
同調査によると「愛だの恋だのの感情は忘れてしまった」という70代は38%だそう。裏返せば、その他の多くの人は日々愛情を感じながら生きているということ。やはりパリジアンとアムール(愛)は、切っても切れない関係だと言えそうです。
パートナーとよい関係を築くために大切な3つの柱
フランス人にとって、カップルが良い関係を築くのに大切な3つの柱は、「信頼」(35%)、「連帯意識」(31%)、「貞節」(30%)です。
(「Journal des femmes」より翻訳引用)
「連帯意識」と訳しましたが、元のフランス語は「complicité」で、辞書を引けば「共犯意識」と出てくるものです。ふたりだけに通じる目配せや仕草、また一緒に何かを図って成し遂げようとする共同意識を指すといえば、わかりやすいでしょうか。
この結果を見ると、カップルの良好な関係に必要なものとして、セックスは二の次と捉えられていることがわかります。「愛」の国、フランス人の意見としては意外でしょうか。
愛のために変えられるもの、変えられないもの
なお「Le Parisien」の調査で、愛のためなら仕事も変えられるという男性は65%、女性は70%いることがわかりました。しかし、たとえ愛のためでも変えらないと答えたのが「政治意見」と「宗教」。どちらも85%の人が「変えられない」と答えています。
また、「Journal des femmes」によると、フランス人の10人に9人は、自分だけの時間を持つことは極めて重要と考えています。
仕事や国のような環境は変えられるけれど、自分の時間や主張を変えることはできない......という結果は、とてもフランス人らしいなと感じます。
たしかに、何もかもさらけ出し、いつもべったり一緒という関係は、あまりフランス人の好みではないようです。自分だけの趣味や世界を持ち、それをお互いに尊重し合うことで、ふたりの世界のバランスを保つというのが、フランス流の愛し方なのかもしれません。
愛のためにあきらめられるもの、愛のためでもあきらめられないものは、人それぞれ。一緒に暮らすパートナーとは、互いに共通した認識を持っていたいものです。
[Le Journal des femmes、Le Parisien]