▼第538号
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                     2023/06/20

夏野剛メールマガジン 週刊『夏野総研』
          vol.538
 【「映画版マリオ」が掘り出した、映画界の金脈】
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《目次》
01.時事ネタキュレーション
02.先週の出来事
03.Reading the world
04.Q&A
05.Product Lab
06.Good Food Good Life
07.ビジネスモデル分析のバックナンバーをピックアップしてみた
08.編集後記

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【01.時事ネタキュレーション】
 日々のニュースも見方を変えればいろいろなことが見えてくる。当コーナーは未来を読むためのニュースを、私がキュレーターとなって解説していくものです。
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◆「オープンAI」のサム・アルトマンCEO 孫正義社長と事業を模索
https://bit.ly/3JmM3J8
〈概要〉
 OpenAIのサム・アルトマンCEOが来日し、ソフトバンクの孫正義社長と事業模索について協議していると発表。

〈コメント〉
 孫さんはこういうサービスが好きだと思う。
 だが、ライバルとなるのはGAFAMだ。そして、GAFAMの資金力には勝てないだろうな。孫さんは個人勝負では完全に勝ったけれど、組織勝負では負けた。
 そもそもGAFAMはMeta以外、創業者が舵取りをしていない。しかも、創業者が舵取りをしているMetaはメタバースに注力し、調子が悪い。
 結局、こういったところが日米の根本的な違いなんだと思う。

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◆Netflix『サンクチュアリ』力士役オーディション 合否に関わらず「月給40万円保証」の破格待遇に驚き
https://bit.ly/3NBaeWJ
〈概要〉
 大相撲をテーマにしたNetflixドラマ『サンクチュアリ』が全世界で反響を呼び、特に豪華キャストと力士役者たちの本気度が注目を集める。

〈コメント〉
 こういったリッチな制作環境は、サブスク課金によって支えられる潤沢で、盤石な予算の賜物。
 実は、経済的な視点から見れば、これはそれほど大した支出ではない。なぜならこの候補者の数は限られているし、そのコストは全体の予算に比べても大きなものではないからだ。
 しかし、日本のメディア業界ではこのような取り組みは実現してこなかった。これは日本のメディアがコスト意識が強く、大局的な視野を持つことが難しいから。その結果、質の高い作品を生み出すことが困難になっているのだ。

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◆「ペイペイ」が他社クレカを締め出した本当の理由…「顧客離れ」のリスクを冒してでも
https://bit.ly/3NyFi9x
〈概要〉
 スマホ決済大手PayPayが他社クレジットカード利用停止を発表。親会社の成長鈍化とライバルの危機が背景にある。

〈コメント〉
 このPayPayの一部クレジットカード利用停止は、ビジネスモデルそのものに根本的な問題があったことを示しているのではないか。
 Paypayは多くの利用者を獲得するための大規模なキャンペーンを、多額のコストをかけて行ってきた。しかし、まともなビジネスモデルがないため、どこかでその帳尻合わせをしないといけない。
 その結果行われる施策は、記事の中で言われるような「不自然」なものに見えてしまうのだ。