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痩せることだけが安心をもたらしてくれた......終わりのない劣等感との闘い[体験談]
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痩せることだけが安心をもたらしてくれた......終わりのない劣等感との闘い[体験談]

2016-07-02 20:00


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    「人間、中身が大事だよ。」

    とよく言いますが、そんなの嘘だと思ったことはありませんか?

    もしも心の底から本当にそう思える人がいるとしたら、優れた容姿を生まれ持った人だけなんじゃないかと私は思います。

    私は兆しから数えると、約10年間摂食障害に悩み続けました。

    悩みの度合いでいえば、きっともっと悩んでいる人も多いと思います。

    それでも少しでも読んだ人の気持ちを楽にできればと思い、そのきっかけと現在までを書いていきたいと思います。

    楽天家だった幼少期

    私は小さい頃、自分の容姿が人よりも劣っているという気持ちをあまり持ってはいませんでした。

    勿論、それは優れていると思っていたわけではありません。

    「人から蔑まれるような風ではないのかな」という程度の気持ちでした。

    小学校の高学年辺りまでは、可愛いと言われることも多かったですし、男の子から好きと言われることも少なくはなかったと思います。

    ただ学年が上がるにつれて、「クラスの中心」となる人間の像が変わっていくことを感じていたのです。

    今でこそ「マウンティング」「スクールカースト」という言葉がありますが、みんな仲良くわいわい、そんな世界から「発言権のある人間、ない人間」それがはっきりと分かれる世界へと変わっていきました。

    私は元からガツガツ前に行くタイプでもなく、悪さをすることに憧れることもなく、クラブ活動に入るような活動力もなく、いたって大人しくのんびりと過ごしているタイプだったので、自然と「発言権のない人間」側へと仕分けられていきました。

    クラスの、そして学校の中心にいる子たちが無性にキラキラして見えましたし、自分にはないものも持っていると感じましたが、自分がその人たちになりたいかと聞かれると、どうなんだろう?程度の気持ちで、大人しくしていれば目をつけられることもないからと、特にその頃の自分は気にもしていませんでした。

    どちらかと言えば制服の着こなしや、笑っていることで、その人たちにはなれないながらも明るく好意的に見てくれる人がいればいいやと、前向きに考えていました。

    しかし、私に完全なる劣等感とそして摂食障害の兆しを与えるきっかけとなった出来事が、高校で起こったのです。

    それは、俗に言う「イジメ」と呼ばれるものでした。

    劣等感の芽生え

    きっかけは、私が運動部のマネージャーであり、仲良くしていた同じ部活動の男の子を、学年の中でも権力のある女の子が好きになったことという、ありがちなもの。

    私の印象を少しでも悪くしようと、事実無根の噂を立てられたことが始まりでした。

    無視は当たり前。私物を盗まれ捨てられる、食事にもいたずらされる、暴力を受けることもありました。

    最初こそ私のことを信じてくれる人も沢山いましたが、一人、そして一人とイジメは広がっていき、最終的に私の話に耳を傾けてくれる人はいなくなりました。

    後輩も先生も、例外はいませんでした。

    どうしたら分かってもらえるのか、原因はなんなのか。

    私が悪いのだからと謝りに行こうにも、誰も耳を傾けてはくれませんでした。

    そして自問自答の中、ふと私は思うようになったのです。

    「もしも自分の容姿が優れていたら、こんな状態にはならなかったのではないか。」と。

    女の子はたとえ相手が可愛かろうがなんだろうが、いじめるだろう。

    だけど異性はそうじゃない。

    きっと私がもっと可愛く、少なくともイジメている他の誰かよりも優れていたら……そう思い始めたのです。

    歩くだけで「ぶす」「キモイ」「デブ」と罵られ、その度に自分に対する劣等感は日ごとに増していくばかり。

    性格がどうだ、中身がどうだなんてことは、きっと人生で関係ないのだと強く思うようになりました。

    今思えば顔の造形美については自信は変わらずありませんが、体重の数値だけでいえば標準よりも下回っていたと思います。

    ただ数値を冷静に考えて、「太ってはないし!」と前向きに考える余裕も、当時の私にはありませんでした。

    顔はどうしても急には変わらないのだからと、せめて細くなれないか思い始めたら食事をすることもできなくなり、身長160センチ程度で体重34キロまで一気に落としました。

    この時から、きっと私にとってのダイエットは「食べないこと」と紐づけられたのだと思います。

    ただここで痩せたことによって、私は自分のコンプレックスにも気付くのです。

    それは、顔が丸いこと。

    体重が少なくなり頬はこけても、どうしてもあごが丸く、まんまるの印象を拭うことができず、親でさえ「ほんとにそんな体重?」と疑うほどには、見た目と体重がリンクしていない事実に気付いたのです。

    もちろん「デブ」という暴言もなくなることはなく、余計に私はストレスを感じ、結果暴食に走り、今度は大きく増えて60キロ近く。

    しかし見た目はそれ以上に大きくなってしまったのです。

    鏡を見るのも外を歩くのも苦痛で、今度はまた食べない。

    そして30キロ台に落とし、全然納得いかないとリバウンド。

    そしてまた痩せる。その大きな増減の繰り返しは、卒業までずっと続いたのです。

    この時の身体の崩れは、摂食障害へと大きく繋がっていると思います。

    そして、地獄の始まりだったと感じます。

    ぬぐえない劣等感





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