こんな記事を見かけました。
よくぞ言ってくれた「言ってはいけない格差の真実」
この記事では、知能は遺伝による部分が大きいので、それを無理に是正するような税金の投入をさらにすべきではないという意見だと受け取りました。
という意見の背景としては、「お金持ちが教育において優遇されているのは改めるべき」ということがあります。
しかし、3年前これを分析したら、そうとばかりは言えませんでした。
【馬】このデータがホントなら日本の教育はすごくうまくいっている。
父親の所得と子供の所得を比べた2007年の調査なのですが、父親の所得が高いところでは、子の所得が高くなる傾向が若干あるものの、父親の所得が普通やそれ以下のところでは、子の所得がどうなるかはほとんど決まっていません。
高額所得者は、子供にがっつり教育費をかけるという点で、子が再び所得が高くなる可能性は高くなります。それでも、上位25%の高層の子が再び高層になる割合は4割ほどしかありません。
そしてそのあたりの傾向以外では、子の所得は、親の所得にほとんど関係ありません。
教育がそのことにどれくらい関わっているのかはわかりませんが、とりあえずうまくいっていると言えます。
そもそも日本の義務教育は、優秀な人になんの特別扱いもしません。私が子供頃もそうでしたし、今、我が子供たちの公立学校を見ていてもそうです。
でも、金のあるやつだけ私立に行けるじゃないかと思うかもしれませんが、私は今長男が小六。この辺で一番優秀な中学は公立。完全に試験一発。その後に続く私立にしても、優秀な子には免除制度があります。まあお金持ちよりの学校はそれで入ってもお付き合いの出費が大変そうですが、そういう学校を避けて、同程度の学力の学校に行けばいいだけの話です。
大学にしても、トップクラスには、東大京大など国立があります。大学全体の話として将来返せなくなりがちな奨学金については、社会問題として今取り組みが始まっています。
結局のところ、今「知能は遺伝する」という事実を認めようが認めまいが、所得という点ではそんなに遺伝しないし、教育の機会という点では、貧富にかかわらず開かれています。以前はでも貧しい子は塾にいけないしとかありましたけど、今やスマホでeラーニングできますから、その点も解消されてしまいました。ごく一部のエリートだけが受けられるエリート教育とかあるのかもしれませんが、そんなの無視して構いません。
「よくぞ言ってくれた『言ってはいけない格差の真実』」とインパクトはあるのですが、言ったところでだから何?という感じがします。その記事の中でも言われていますが、知能は才能の一つでしかなく、それだけで所得が決まるわけではありません。
少なくとも日本では、親の所得が子の所得を決めているとまでは言えないのですから。
《ワンポイントミライ》(?)
ミライ: え〜〜〜と???? 昨日は、親の収入と子供の虫歯率は関係があるという話だったのに???
フツクロウ: ホッホッホ。子供の虫歯率とその子の将来の所得が関係あるかないかはさっぱりわからんから、両立する話ぢゃ。
ミライ: はっ、確かに。うーん、でもこれ、どう考えればいいんですか?