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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「日本はアニメ後進国って本当?」
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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「日本はアニメ後進国って本当?」

2018-01-01 07:00

    岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2018/01/01

    あけましておめでとう! 岡田斗司夫です。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

    今回は、2017/12/24配信「「知的になるためのエクササイズ」としてのアニメを語ります!」の内容をご紹介します。
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    2017/12/24の内容一覧

    日本はアニメ後進国?

     次は、「日本はアニメ後進国?」という話ですね。
     河森正治監督という『超時空要塞マクロス』シリーズにおいて中心的な役割を果たしたクリエイターがいるんですけど、その人が、自分の新作アニメの発表会の中で、「日本のアニメはいつの間にか後進国になっていた」と発表しました。

     河森正治監督が20日、東京都内で行われたDeNA、創通、文化放送の3社が、合同でオリジナルアニメを制作する新規プロジェクト「Project ANIMA(アニマ)」の発表会に登場した。
     河森監督は、昨今のアニメシーンが話題になると「学園魔法ものが何作品もあったり、テンプレートがあって、なんでこんなに似てしまうのかな?と思うこともある」と話し、「作品数がたくさんあって、一見活気があるようだけど、世界の動きを見ていると、日本はヤバい。いつの間にか後進国になっている」と警鐘を鳴らした。
     ――と、こんな出来事があったそうです。

     これについては、わりとネットニュースにも流れて。まあまあ、「河森くんだったら、そういうふうに言うのもわかるかな」とは思うんですけど。
     僕個人の意見から言うと、河森くんの苛立ちもわかるんだけど、ガンダム放映前の日本のアニメ界というのも同じようなもんだったって思うんですよね。
     『機動戦士ガンダム』が放映される前って、ロボットアニメが、もう、腐るほどあって、しかも、そのすべてがテンプレートで「1話毎に変な敵が出てきて、新兵器でやっつける」っていう、同じような内容の繰り返しだったんですよ。
     あの頃のテンプレートよりは、今のほうがまだマシじゃねえかって思うんですよね。
     なので、公開されるアニメ作品の傾向については、さほどヤバいとは思わないんです。

     どちらかというと、アニメ界の危機っていうのは、「アニメ業界に行きたがる人が減っていること」だと思うんですよね。
     今の大多数のファンにとってのアニメというのは、完全に「見て楽しむもの」になっている。
     昔のセルアニメの時代だったら、制作の途上でいろんなミスが散見できたし、それを見て「このミスなぜだろう?」と、作り手側がどうやって作っているのかを推理できた。
     ところが、今のアニメというのは、デジタル表現が入ってきているので、「どうやって作っているのか?」という部分については、あまり考える隙がない。
     なので、「どうやって作っているのか?」というのが、よりわかりやすい「声優」とかにはなりたがる人が山程いるんだけど、肝心のアニメーションの制作に行きたがる人がほとんどいない。

     これは、実写映画界でも同じなんですよ。
     俳優さんになりたがる人は相変わらず多いんですけど、映画の裏方とかドラマの裏方になりたい人はどんどん減ってるんですね。「自分でドラマ作りたい!」とか、「映画を作りたい!」と言う人が、どんどん減っている。
     たぶん、完成度が高いものをあまりにも多く供給していると、それに対して裏方になりたいと思う人が減ってしまうという面白い法則があるんですよね。

     まあ、これについても、ユーチューバーのような人の中から新しいアニメ作家というのが生まれてくると思ってるんですけどね。
     「半日で撮影から編集からアップまで行う」という、ユーチューバー的な映像の作り方と、アニメーションというのは、今のところはなかなかうまく重ならないんですけども。たぶん、もうすぐ、ユーチューバーからアニメ作家が生まれてくるような時代になっていくとは思っています。

     じゃあ、僕が感じている問題点というのはどこにあるのかというと、「アニメーション作品をきちんと「読める」人が少なくなってきている」ということです。
     アニメーションでも、漫画でもそうなんですけど、そういった作品の中で描かれるドラマの奥行きみたいなものを、ちゃんと読める人が少なくなってきているという方が問題なんですね。

     そこで……まあ、告知なんですけれども(笑)。
     ニコ生で、僕がこれまで話してきた『機動戦士ガンダム』とか、『この世界の片隅に』とか、『風の谷のナウシカ』といった名作を、どうやって読めばいいのかを解説した、『大人の教養として知りたい すごすぎる日本のアニメ』という本が出版されます。
     タイトルだけ聞くと、「日本のアニメはすごいぞ!」とか、「こんなふうに売れてるぞ!」みたいに聞こえるんですけど、これはKADOKAWAから出てるからビジネス書っぽいタイトルが付いているだけで、実際は、「どう読めば面白いのか?」をひたすら語ったという内容なんですね。
     12月28日発売で、Amazonでは、もう予約を開始していますので、自分へのクリスマスプレゼントとして、ぜひ、1冊お願いします。

     ここに書かれていることは、わりとニコ生で語ったことなんですけど、その後、「じゃあ、これはどこに引用元があるのか?」というところまで、ちゃんと調べて文章にしているので、ニコ生で聞くだけよりは理解しやすい感じになっていると思います。
     よろしくお願いいたします。

    (続きはアーカイブサイトでご覧ください)

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