岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2018/08/08
おはよう! 岡田斗司夫です。
今回は、2018/07/22配信「戦後日本のおもちゃ産業と、『トランスフォーマー』の大出世!」の内容をご紹介します。
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2018/07/22の内容一覧
- 今日はトランスフォーマー学
- 『未来のミライ』、細田監督のやりたいことはわかるけど……
- 新しさが感じられない『エヴァ』予告編
- アメリカのおもちゃが最高だった時代
- 日本製品のイメージが最高になった理由の1つは、トランスフォーマー
- コールガールの人形から生まれた「バービー」がアメリカの玩具を変えた!
- バービーに刺激されて生まれた、男の子向けのGIジョーとキャプテンアクション
- 「リカちゃん」の大ヒットと「変身サイボーグ」
- オイルショックで大型フィギュアが作れない!
- ミクロマン誕生から、ケナーの『スター・ウォーズ』フィギュアまで
- 基地をベースに作られたフィギュア「ダイアクロン」
- 「トランスフォーマー」誕生までの歴史
- アメリカの子供の購買力をナメるな!
- プラザ合意がトランスフォーマーに与えた打撃
- トランスフォーマーがスピルバーグの手に渡った3つの理由
- 世界観にこだわったマーベル
- トランスフォーマーシリーズの生みの親、餘家英昭さん
「リカちゃん」の大ヒットと「変身サイボーグ」
日本では、マテルのバービーと、アイデアルトイズの「タミー人形」が売れてたんですね。僕が子供の頃、うちの姉ちゃんもタミーちゃんを持ってました。
さて、1967年にタカラはバービー人形向けの家のオモチャを発売しようとします。
当時、バービーは発売されていたんですけど、特に東京オリンピックの頃から日本も景気がよくなったので、これがバンバン売れ始めていたんです。
なのでタカラは、バービーのサイズの家を作ろうと考えて、試作してみたんですけど、ものすごくデカくなってしまったんですよ。「いい加減にしろ! こんなもん日本で売れるか!」ってくらいに大きかったんです(笑)。
ということで、「バービーのサイズをもっと小さくして、独自に作っちゃおうよ!」ということで、「リカちゃん」を発売することになりました。
このリカちゃんが、メチャクチャ売れたんですね。
あまりにも売れたもんだから、ついにマテルはバービーを完全に日本から撤退させてしまいました。
この時点では、まだタミーちゃんは残っていたんですけども、バービーは撤退してしまって、日本では、しばらくバービーがない時代が続くことになりました。それくらい、タカラのリカちゃんは売れたんですね。
バービーというのは、最初も言ったように、発売初期は人形も衣装もすべて日本で作ってたんですけども、段々と日本の景気が良くなってきたこともあり、賃金が上がってきて、コストが合わなくなってきた。なので、生産拠点をですね、台湾とか他のアジア圏に移したということも、日本から撤退する理由の1つになったと言われています。
あまりにもリカちゃんが売れ過ぎてしまったおかげで、タカラには「女の子玩具メーカー」というイメージがついちゃったんですね。
もともと、タカラというのは戦後から伸びた会社なんです。競合他社のバンダイとかマルサンみたいな一流の玩具メーカーというのは戦前からあるんですよ。なので、もともとポッと出の印象が強かったんです。
おまけに、リカちゃんのヒットによって、女の子向けというイメージが強まってしまったので、男の子向けの玩具をいくら企画開発しても、オモチャ屋さんの棚に置いてもらえなかったんですね。当時は、その会社のカラーによって、オモチャ屋さんも商品を置くか置かないかと決めていたので。
なのでタカラは、男子向けの玩具のヒット作というのをすごく必要としてたんです。
そんな中、「アメリカではハズブロのG.I.ジョーがすごく売れている」ということで、G.I.ジョーのライセンス契約を取り、「ニューG.I.ジョー」というのをタカラは日本向けに販売することになります。
これが、1970年の出来事です。
おまたせしました。
これで、トランスフォーマーの元となる玩具を開発したタカラと、キャプテンアクションに原作を提供したマーベル、そして、タカラのロボット玩具を後にトランスフォーマーとして売り出すハズブロという3つの役者がやっと揃いました。
ハズブロは、まだこの時は、売上の半分くらいをG.I.ジョーに頼っています。
さて、ようやくニューG.I.ジョーで男子玩具に乗り出したタカラなんですけども。
しかし、まあ、こういったミリタリーっぽいオモチャは、やっぱり、当時の子供にはウケないんですよ。この軍服を着て銃を持っている人形、俺なんかはすごく好きなんですけど。
なにより、こういうものは親が子供に買ってあげないんですよね。当時の日本というのは、自衛隊というもの自体に反対するデモがあったような時期ですから。
なかなか売れなかったわけです。
なので、ニューG.I.ジョーが発売してから1年後の1971年に、「正義の味方シリーズ」というのを始めました。これ、メチャクチャいいアイデアだったんです。
何かというと、実は基本的にはアイデアルトーイズのキャプテンアクションなんですよ。『帰ってきたウルトラマン』とか『ウルトラセブン』とか『シルバー仮面』の衣装をG.I.ジョーに着せるというアイデアを思いついたんですね。
これが、結構、売れたんです。
ただ、1つだけ問題があったんです。
『帰ってきたウルトラマン』だったら、ウルトラマンの中に入っているのは郷秀樹ですよね。『ウルトラセブン』だったらモロボシ・ダンが中に入っているというイメージがあるじゃないですか。仮面ライダーだったら本郷猛っていうイメージ。
ところが、元になったニューG.I.ジョーの人形というのは、みんなヒゲ面のオッサンなんですよ。なので、人形が身に着けていたウルトラマンの顔を外すと、なぜかヒゲ面のオッサンの顔が出てくるという困った状態になったんです(笑)。
ということで、1972年に、タカラはニューG.I.ジョーからコンセプトを変えて「変身サイボーグ」というブランドを作りました。
(続きはアーカイブサイトでご覧ください)
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