セルインメイの格言の割には、今年の5月は静かなマーケットが続いている。

 2~3月に円高、株安のトレンドが加速し危機感が一気に高まった反発のマーケットが続いているためだ。


 ドル円は2015年の125円台から105円台に下落し約16%の下落となった。下落のスピードとしては割りと早く、やはり16%下落したことでひと段落着いた状況ではないだろうか。

 また105円台に下落したことで危機感が一気に高まり、ドル円、クロス円のショートに市場が大きく傾いた可能性が高い。

 そのことはIMMの通貨先物で円ロングが過去最高に増加したことでもうかがわれる。この円ロングは徐々に解消されているが、以前として高い水準のレベルを維持しており円ロングの解消がまだ終わっていないことが伺われる。

 円ロングの投機筋と110円を超えると待ち構えている輸出勢の攻防戦で、ここのところ110円付近で膠着しているものと思われる。

 日本の輸出企業の社内レートは105~110のところが多く、特に110円に設定している企業が多い。そうなると110円台は輸出企業は売っておきたいところ。このような輸出企業の売りがドル円の上値を抑えている可能性が高い。


 来週の雇用統計で大きな動きが出てくることを期待したい。


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