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=ユニークな外食レストラン バルニバービ(3418)が今、とても面白い=


 企業は上場を果たした途端に気の緩みが発生するのか、いきなり予期せぬ大きな赤字に転落したり、不祥事に見舞われたりして投資家の期待を裏切るケースも出て参ります。
 株式を発行している企業とその株式にリスクマネーを投じる投資家とが協業して双方の発展を求めることが、上場の意義でもあります。企業にとっては上場することで信用力を高め社会的な意義をもたらし、投資家にとっては自らがなしえない事業からの配当を得ることになります。

 昨年は92社がIPOを果たしたのですが今年も12月までにほぼ同じ程度の数の銘柄がIPOを果たし、社会的な信用度を高め更なる発展に向けて始動します。
 日本には創業100年以上の企業も存在していますが、今年のIPO企業の多くは創業から10年から20年程度の企業だと推察されます。リーマンショックなど経営環境の変化に対応しながら着実に成長を果たして相応の利益をコンスタントに上げられるようになった企業です。

 上場までの業績も紆余曲折があってIPOまでこぎつけた経営陣はそれで安閑としている訳にはいきません。不特定多数の株主となって頂いた投資家に対して未来に向けた発展の道筋を示していく必要があります。
 上場を機に新たな経営戦略を打ち出し、時価総額を収益向上に見合ったものとしていく必要があります。

 既存事業の発展に加え新たなビジネスモデルを伴う新規事業や企業買収の積極化、海外市場への展開などによる企業価値向上を成長のポイントとしてIPOを果たした企業が打ち出す戦略が投資家にどう評価されるのか、とても興味深いものがあります。
 IPO後の経営者は事業の成長に向けた積極的な活動に加え、IR活動の積極化など自社の認知度向上にも時間を割く必要がありますので多忙を極めるものと思いますが、経営トップ自らが発する発言やその際の熱意が投資家にどうやって伝わるのかはとても重要です。


 9月20日に開催された異色の外食レストランを展開するバルニバービ(3418)の決算説明会はまさに創業オーナーである佐藤社長の情熱的な話が印象的でした。
 カフェやレストランを様々な屋号で直営展開する企業というと特に目新しさはないように思いますが、トップからの話を聞く前と聞いた後では印象は劇的に大きく変わります。設立されて18年の同社の創業時の話から現状を踏まえた将来ビジョンを聞けば昨年10月にマザーズ上場に至った同社への投資家からの期待感が高まって参ります。

 上場から間もなく1年が経過しますが、認知度がない中で、上場後に大きく下振れはしたものの、その後の株価は業績の向上とともに大きく上昇。今期予想PERは23倍台に高まっていますが、それは投資家の期待の表れでもあります。
 同社と一緒にお仕事したいという地方自治体や企業、大学など上場を機にますます増えていくものと期待され、当面は年率30%前後の高い利益成長が見込まれます。PER23倍台は市場平均よりも高い水準ながら成長への期待が高く、経営トップの手腕と情熱が株価面に更に反映されているものと推察されます。


(炎)


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