私が昨年から関わっている仕事の一つに、ロボアドバイザーサービスのサポートがあります。


 引き続き、ウェルスナビ社のホワイトペーパーを解説していきます。
https://www.wealthnavi.com/image/WealthNavi_WhitePaper.pdf


 前回は、ブラックリッターマンモデルで、各資産のリスク・リターン・相関係数を推計しているところまで解説しました。


 再度確認しておくと、

リスク(米ドルベース)が

 米国株   12.4%
 日欧株   14.8%
 新興国株  18.4%
 米国債券   2.8%
 物価連動債  4.8%
 金     17.9%
 不動産   14.9%

リターン(米ドルベース)が

 米国株   6.5%
 日欧株   7.5%
 新興国株  8.5%
 米国債券  1.9%
 物価連動債 2.3%
 金     3.9%
 不動産   5.8%

と推計しています(2016年10月時点)。


 今度は、これらを組み合わせて、ポートフォリオを構築し、リスク量に応じて、リターンが最大になるような構成を計算します。

 例えば保守的でリスクの低いポートフォリオでは、

 米国株   14.7%
 日欧株    5.0%
 新興国株   5.0%
 米国債   35.0%
 物価連動債 30.3%
 金      5.0%
 不動産    5.0%


積極的なリスクの高いポートフォリオでは、

 米国株   35.0%
 日欧株   31.8%
 新興国株  13.2%
 米国債    5.0%
 金     10.0%
 不動産    5.0%

などとなります。


 そして、次に投資する商品(ETF)を選んでいきます。

 ETFを選ぶ基準は、

 1)パッシブファンド
 2)純資産総額が一定以上
 3)流動性が十分である
 4)外国投資信託の届け出がある
 5)低コスト

という順番でスクリーニングをして選んでいきます。


 ここでは、NY上場の

 米国株   VTI(Vanguard)
 日欧株   VEA(Vanguard)
 新興国株  VWO(Vanguard)
 米国債券  AGG(iShares)
 物価連動債 TIP(iShares)
 金     GLD(SPDR)
 不動産   IYR(iShares)

が選ばれています。

 やはりETF大手のVanguard社とiSharesのシリーズが選ばれているのも納得です。


 その後は、定期的にリバランスをしていくことになります。

 ここでのリバランスのルールは

・6ヶ月リバランスが行われていない
・最適化のされたポートフォリオから5%以上乖離した資産クラスがある場合

といったルールになっています。

 また、上記で説明した最適ポートフォリオも、時間とともに変化していきますので、3か月ごとに、最適ポートフォリオも計算し直すことになっています。



 ここまで2回にわたって、WealthNavi社の運用アルゴリズム(ホワイトペーパー)について解説してきましたが、結論としては、

・ホワイトペーパーを読めば、個人投資家でも同じような事は可能である

とも言えると思います。

 もしも、自分でローコストに組み立てようと思うのであれば、このホワイトペーパーを見ながら自分でNYでETFを購入すれば同じことができます。

 それが面倒だ、とても継続できそうにないという人は、ロボアドを使ってみれば良いのではないでしょうか。


株式会社マネーライフプランニング
代表取締役 小屋 洋一


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