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CFPの梶原真由美です。
今日は住宅ローン金利のお話。
みなさんが弊社にご相談に来られるタイミングはいくつかあって、特に多いのが「結婚」「出産」「住宅購入」「リタイア」です。
今日は「住宅購入」相談の時に必ず質問される、
「変動金利と固定金利、どちらが良いでしょうか?」
という質問に私がどのように回答しているかをシェアしたいと思います。
■ズバリ回答は
現在は全期間固定金利を推奨しています。
今後の金利は上昇するか、このままの低金利が継続するかは私にはわかりません。
但し、政策金利が下限に近い0.1%である今から、これ以上大きく金利が下がる事は考えにくいです。
住宅ローンを組む上での大きなリスクは、変動金利でローンを組み、その後金利が上昇し返済金額が増加した結果、返済が計画通り出来なくなってしまう事です。
最悪の場合は家を手放すだけではなく、家を手放した上で負債だけが残る…なんて事にも。
最初から全期間固定金利で組んでおけば、そのリスクは排除することが出来るんです。
今後、金利がずっと上がらなければ「変動金利にしておけば良かったなぁ」と思うでしょう。
この後悔が怖くてなのか、変動金利を組む人の割合は住宅ローンを新規で借りる人全体の4割だそうです。
みなさんは生命保険(死亡保険)に加入していますか?
入っている人は、なぜ加入したのでしょうか?
万が一、自分が死んでしまったら・・・残された家族の為に。と加入している方が多いのではないでしょうか。
リスクヘッジの観点から考えたら、全期間固定金利を選ぶ事と生命保険の加入は同じ事だと思うのです。
生命保険には「万が一死亡したら・・・」と考え、そのリスクヘッジの為に毎年数万円の保険料を支払います。
結果何事もなく、ある程度の年齢まで人生を全う出来た時に「生命保険入らなきゃよかったなぁ」と後悔する人は、果たしてどれくらいいるでしょうか?
人生最大の買い物かもしれないマイホーム。
変動金利の上昇リスクは保有し続けるのではなく全期間固定金利という選択をし、変動金利の上昇リスクを排除する。
その「必要経費」として、変動金利と固定金利の金利差を考える。
このような考えから、全期間固定金利を推奨しています。
全期間固定金利では、毎月返済額の負担が大きすぎて・・・という方は、購入金額自体を見直す必要があるのではないでしょうか。
■「最初変動金利で借りて、金利が上昇してきたら固定に借換えたらどうか?」
こういう提案をしてくる方がよくいます。
長引く低金利で借り換えブームの中、そのように考える方が多いのも納得なのですが、実際これを実行するのは非常に難しいと思っています。
その理由は2点あります。
(1)日常的に金利動向に注目し続けられるのか?
(2)そもそも変動金利と固定金利は連動していない
次に(2)について解説します。
■固定金利と変動金利の決まり方
フラット35の全期間固定金利は長期金利と連動しており、変動金利は短期金利と連動しています。
短期金利と長期金利の決まり方には大きな違いがあります。
短期金利は政策金利とも呼ばれ、インターバンク市場と呼ばれる銀行同士のお金の貸し借りに使われる金利を主に指し、この金利は日本銀行がコントロールしています。
これに対し、長期金利は日本10年国債利回りを主に指し、金利は市場が決めています。
将来の経済成長期待や物価上昇期待など、市場特有の要因が加味されて決定されるのです。
■金利が上昇してきたら、固定金利と変動金利はどう動く?
日本は長い間低金利が続いており、参考となりそうな金利上昇局面がありません。
ここでは、米国で過去の政策金利利上げ局面に長期金利と短期金利(政策金利)がどう動いたのかを見てみます。
米国では2004年6月から2006年6月まで、1%~5.25%まで段階的に政策金利(短期金利)を利上げしました。
その時、長期金利はどう推移したのかを見てみると、政策金利利上げ前に、市場で急速に物価上昇が進むと懸念され数ヶ月で1%程上昇していました。
そして利上げ開始後、これで物価上昇による懸念が抑えられたと市場が判断し、長期金利の急上昇は止まりました。
このように短期金利と長期金利はその仕組み上、連動していないのです。
特に長期金利は市場の「期待」や「懸念」を要因として変動するものなので予測が非常に難しいと思います。
このケースから推測されることは、将来日本で政策金利(短期金利)利上げ局面が来た時には、既に長期金利は上昇していることが考えられるので、
「最初変動金利で借りて、金利が上昇してきたら固定に借換える」
という戦略はあまり意味がない事になります。
いかがでしたでしょうか?
変動金利VS固定金利の議論は数多くありますが、ひとつの考え方として参考になれば幸いです。
株式会社マネーライフプランニング
パートナーCFP(R) 梶原 真由美
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(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)