~短期的な視点より中長期的な視点に目を向けよう~


 株価は基本的な業績の進捗に加え、将来の業績向上につながるビジネス上の材料、需給などいくつかの要因で形成されていると考えられます。
 基本的な業績をベースにしていることは皆様も十分にご理解されているかと思いますが、各企業ごとの業績の達成度合いを四半期ごとに確認しながら評価がなされるのが今日の株式相場となっています。

 このところの決算発表でもサプライズのあった銘柄を中心に株価が大きく変動を見せていますが、これは古くからの上場企業だけでなく最近IPOした企業にも当てはまります。
 とは言え、IPOしたばかりの銘柄はまだ確信をもって業績を上げていくまでには至っていない場合が多く、投資家の関心は他の要因に向かっているのかも知れません。


 7月後半から8月上旬にかけては3月期決算企業の第1四半期決算の発表が見られるほか9月期決算の第3四半期業績、6月期決算企業の本決算発表が関心の的となっています。
 各四半期決算では通期の見通しに対する進捗度を確認しながら評価がなされます。但し、企業のビジネス内容によっては進捗度が高いからと言ってそれを単純に高く評価することは間違いとなります。
 一方で本当にその進捗度が高いことが通期の業績にとってインパクトがあるのに会社側の慎重なコメントに左右されて株価が無反応な場合も起こりがちです。また、進捗率は売上が高くても利益が低い場合や売上が低くても利益が高い場合など様々なケースがあります。

 四半期決算の発表によって株価が短期的な変動を示す場合もありますが、余り惑わされずに中長期投資をベースにした評価をするべきではないかというのが筆者の意見です。


 業績への不安感や四半期業績の進捗率の低さで売られるケースも見られます。ただ業績が停滞する理由が明らかにポジティブな場合は悲観視する必要はありません。


 例えば夢テクノロジー(2458)のように人材採用のピッチを速めるなど、先行投資を優先したことで利益が抑えられているケースも見出せます。多くの投資家は短期志向で業績が減益になると聞いただけで将来性など無視して株を売ろうとします。この結果、株価の調整トレンドが払拭できずに推移するケースもありますが、リターンを出すための時間に余裕のある中長期投資家はこうした銘柄を時間分散を図りながらポートフォリオに入れていく作業をコツコツと行っていると推察されます。

 どうしても多くの個人投資家は短期志向で株価が上がらないとなれば見切り売りを実行することになり、短期的な株価には悪循環を生じがちです。何もここまで闇雲に売らなくても・・・ということもよくあります。

 このように長期的な成長よりも短期的な業績に評価の力点が置かれ過ぎている場合はむしろ中長期投資家にとっては投資チャンスだろうと思われます。


(炎)


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)


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