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北朝鮮を巡る地政学的リスク、自然環境の猛威にさらされた米での巨大ハリケーン被害、そしてメキシコで起こった連続大地震など、様々なノイズが市場を騒がせた怒涛の9月も過ぎ、10月が始まりました。
今年の9月は星座の動きで大きなエネルギーの影響があった時期とも聞きました。毎日のニュースも材料ですが、マーケットは、宇宙の森羅万象に影響されるとも言えます。
9月の外国為替市場での主要通貨対米ドルのパフォーマンスは、対ドル上昇トップは、英ポンド(+3.3%)ニュージーランド・ドル(+0.4%)位で、前半リスクオフでドル安傾向もあったものの、終わってみるとドルが反発して終了しました。
ドル円相場は、様々なリスク回避の事象により瞬間107円前半もつけたものの、一夜にして急速に切り返し反騰、9月は3か月ぶりにロウソク足チャートの月足陽線引けで終わりました。
北朝鮮との摩擦が軍事リスクに発展する可能性が未だ危ぶまれる中で、(リスク慣れか?昨今の反応は妙に冷静)、反応は限定的になってきている今日この頃です。慎重な立ち位置から見れば、リスクは忘れた頃にやってくることが多いという過去の教訓も頭の隅に置いておきたいと思います。
自然災害や地政学的リスクへの反応から、財政、金融政策による所謂ファンダメンタルに反応に変化した切っ掛けは9月20日のFOMCでした。金融政策の正常化の確認され、一時は消滅した12月の利上げの可能性が蘇りました。
翌週には、トランプ政権の税制改革の発表。内容は以前話されていたのと大きな違いはないようにも思いますが、財政拡大路線への期待が盛り上がり、期待による楽観再び!といった感じです。
小さな政府志向の共和党がこれを通すか?疑問符は残りますが、マーケットは現実よりも期待で動くのも事実です。
9月FOMCで明らかになったFRBのバランスシート縮小は、10月から開始されます。ばら撒いていたお金を吸収していくわけで、今後同じようにバランスシート縮小する欧州中銀ECBに先行することになります。
市中へ出していたマネーの吸収の影響は突然であれば、資産価格への大きな影響となりますが、これまでに時間をかけて市場への情報共有で馴らしてきたこと、また、段階的に少しずつ実施することから大きな影響はないものと思われますが、影響があるとすればドルの価値の上昇、直接的なインパクトというより、ドル高の底流というイメージで見ています。
そんな中でのドル円相場。
今のところ、108~114円のレンジ内での動きとなっていますが、12月の利上げ期待(直近でみる確率は約66%)、米税制改革への期待、FRBバランスシート縮小、日米の金融政策の違いなどがドル買い要因になっているのに対して、北朝鮮問題など地政学的要因により想定外のリスク発生によるドル売り円買が綱引きでレンジ相場が続くものと見ています。
日本国内では、今月22日の衆院選挙もリスク要因でしょう。
毎日伝えられる政治家の方々の生き残り作戦が落ち着き、本格的選挙戦が始まると有権者の支持動向が市場の注目になるでしょう。都議会戦での自民党敗北への反応は限定的ではありましたが、衆院選ですので、安倍政権存続の有無は外国人投資家も大きな関心を持つでしょう。彼らの日本株への投資意欲にも直結し、結果次第で想定外の株安円高という事態もあるかもしれません。
10月中盤は、世論調査の結果に振り回されるのではないでしょうか。
さて、金融正常化への一歩を踏み出すと期待される欧州中銀。その期待で大きく1ユーロ=1.20台まで急反発していたユーロ相場ですが、9月半ばには勢いが減速したところに、米サイドのドル買い要因あり、ドイツ総選挙でメルケル首相勝つも、与党の議席数減り、ここへ来てスペインのカタルーニャ州独立への選挙で国と州が分断するなど政治的な要因あり、これに加えて、ユーロ高けん制かと思われる要人発言などもありました。
これにより、ユーロの上値重く、1ユーロ1.0650~1.09ドル辺りのレンジ相場が続きそうです。また、政治的リスクで言えば、イタリア政治状況も懸念材料の可能性があります。
政治経済イベントのスケジュールと共に、10月に入ってくると、欧米は12月決算ですので、年末要因も意識されてきます。11月の決算のファンドの利益調整のための売買も毎年市場の話題になります。
こちらの方も念頭に置いておきたいところです。
*余談ですが、10月3日から6日まで幕張メッセでCEATEC2017が
開催されています。このメルマガでも募集されていた「みんなの運用会議」
さん主催のツアーに私もご一緒させて頂きました。
各企業の展示ブースでは担当者の方が丁寧に説明してくれ、質問にも気楽に
応じてくれます。今週金曜日までですが、最新の先端技術を現場で見て、担
当者の説明も聞けて、投資に活かす良い機会ではないかと思います。
とても面白かったので、おススメします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
※10月4日東京時間14:00執筆
本号の情報は10月3日のニューヨーク市場終値ベースを参照しています。
なお、記載内容および筆者見解は参考情報として記しています。
式町 みどり拝
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)