2017年も残すところ5日となり、町も市場も年末ムードが漂う頃になりました。
そんな中、年末恒例のまぐまぐ!大賞2017資産運用(株式部門)1位の栄冠に輝いたとのめでたいニュース。誠に喜ばしいニュースに世界中が湧いているのではないか(?)と想像します。
読者の皆さまの力強いサポートとメルマガ主宰者&関係者の皆さんの長年変わらぬ努力と継続の力だと敬意を持って祝福申し上げます。
今年は、多くの執筆者の方と飲み会でお会いする機会もあったのですが、本当に素晴らしい方々が「億の近道」メルマガに関わっておられます。外国為替という切り口で、私も一端に関わらせて頂いていることを大変嬉しく思っています。
さて、海外のクリスマス休暇明け、年末年始を控えて為替相場は閑散、値動きに乏しい展開が続いています。
注目されてきた米国の税制改革法案は上下院を通過して大統領署名へと動きました。
トランプ政権では初の主要な選挙公約の実現。来年の中間選挙に向かってアピールできる成果でしょう。この公約を掲げた昨年の大統領選当選時には、長期金利はジャンプアップし10年米国債利回りは昨年12月に一時的に2.6%台をヒット。期待先行の反応だったと思われ、その後は、幾つかのリスクオフ要因(フランス大統領選に見た欧州政治の右傾化懸念、北朝鮮リスク、トランプ政権の諸疑惑やスキャンダラスな見方)により質への逃避で一時2.03%まで債券買いが進んだ場面もありました。
今、年末に来て10年債利回りは、年初と同水準の2.4%台後半で年越しに向かっていて、終わってみれば高安の差0.4%程度での推移でした。
一方、金利面で注目されたのは2年債と10年債の利回り格差でした。
年初には1.25%あった格差は、直近では0.57%と半分以下に縮小しています。2017年内に金融政策の正常化が進み、政策金利を中心に短期金利が上昇した一方でインフレ率は低迷していることもあり、長短金利差は縮小傾向にあると思われます。
2~10年債利回り格差が逆転した過去のケースでは、株式等のリスク商品の下落が起こったことが多くあったことから注目されました。来年も引き続きFRBによる利上げ観測が続くことから、この指標は要注目でしょう。
2017年の為替市場を振り返ると、全体的に小動き、そして、通年の推移はドル安基調だったと言えます。
最も大きく動いた通貨は量的緩和の縮小に動き出したユーロでした。
年初から直近で12.75%の上昇。政治リスクも言われて、一時は対米ドルパリティ予想もありましたので、売り方の買い戻しが大きなエネルギーで上昇しました。
日本円は、3.29%の円高推移となり、主要通貨で下落したのはブラジルレアル(-1.8%)だけで他の通貨は高く推移しました。
ドル円相場は、年初116.94に始まり118.60を高値に9月の安値107.32(北朝鮮リスクの影響)と高安は約11円。昨年の20円強の値幅の反動だったのかもしれません。
景気回復は続いている一方でインフレ率が上昇しないという適温経済での株高の継続。
株式相場と為替相場の相関度も低下した一年でもありましたが、来年もこの傾向は続くという予想が多くありますが、警戒しておきたいポイントもあります。
例えば、先程、米国金利で記した10年債利回りが昨年の最高利回り2.6%を超えて(万が一)3%超えに向かうような事があれば株式市場にも警戒感が出てくるのではないかと推察します。
来年2018年、日米の中央銀行の人事が変わることも年前半の注目点になるでしょう。
米FRBはパウエル理事が議長に昇格、また退任する理事も数人居て、4名の理事の席が現在空席になっています。パウエル次期議長は、イエレン現議長の政策を踏襲していくものと思われますが、今後決まる人事も含めて理事会全体としてタカ派なのかハト派なのか今後の人事関連の決定を見ていくことになります。
日銀総裁人事は、黒田現総裁が再任される予想が高いと思います。今年は日銀の政策変更が久しぶりになかった年ですが、来年以降の出口への道を模索していくリーダーは誰になるのか注目は高まるものと思われます。
恒例の今年の漢字一文字(京都清水寺にて揮毫)が「北」でした。極東での「北」リスク、フランス総選挙にみた欧州での「右」傾リスク、トランプ大統領のロシア関連の疑惑やスキャンダル・リスク等、リスク要因に怯えた向きも多くありました。
来年は戌年。相場格言では、「戌笑う」と言われます。
そして、2017年は年末が日曜日、2018年元旦が月曜日と、年末年始の終始がきっちりとした印象があります。
読者の皆さまには、今年も一年のご愛読を感謝申し上げます。
来年が皆さまにとって佳き日々でありますように心から祈念致します。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
※12月27日東京時間13時執筆
本号の情報は12月26日のニューヨーク市場終値ベースを参照しています。
なお、記載内容および筆者見解は参考情報として記しています。
式町 みどり拝
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)