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明けましておめでとうございます。
本年も宜しくお願いいたします。
みなさんの中にもETFを保有、または興味を持たれている方も多いのではないかと思います。
今回は海外ETFと国内ETFを比較し、国内ETFの現状を知り、今後国内ETFが私たちにとって身近で有益な投資手段となるために必要な課題について考えてみたいと思います。
■ETFのメリット
ETFは“Exchange Traded Funds”の略で、「上場投資信託」と呼ばれています。
インデックス運用の投資信託とETFはどちらも指数連動目標型となっているのでよく似ていますが、投資信託が非上場なのに対してETFは市場に上場している事が最大の違いです。
※最近米国ではアクティブ運用型ETFも誕生し直近では増加傾向にあります。
【インデックス型投資信託とETFに共通するメリット】
・手軽に分散投資が可能(少額購入可)
・低コスト(信託報酬年0.4%以下も多数)
【ETFならではのメリット】
・市場が開いている時間であればいつでも売買可能
(投信の売買は1日1回のみ)
・インデックス型投資信託より更に低コスト
(信託報酬年0.2%以下も多数)
【投資信託ならではのメリット】
・「10万円分」「1万円分」などの金額買付が出来る
(ETFは口数買付けのみ)
・毎月10日に5万円分購入、などの積立買付が出来る
(ETFは積立買付け機能なし)
■海外ETFと国内ETF
そのETFが上場されている市場によって国内ETF、海外ETFと言われています。
海外上場ETFの市場規模は巨大でその中でも最大市場である米国のETF純資産総額は3兆ドル(約330兆円)を超えており銘柄数も約2,000本となっています。
一方で、国内ETFは主に東京証券取引所に上場されていますが、純資産総額は30兆円、銘柄数は約180本と米国の1/10以下の水準となっています。
また、30兆円の内の約7割は日銀が保有しており、個人投資家の保有するETFは1兆円程度と非常に小規模です。
更に個人投資家の保有するETFの銘柄内訳を見ると、6割超が日本株式、外国株式は約1割に留まっています。
このように海外ETFに比べると、国内ETF市場は未成熟です。
しかし円で購入出来るので為替手数料が発生しない、利益や配当に対して国内課税のみといった海外ETFにはないメリットも持っています。
■国内ETFの課題
これらの情報から推測出来ることは
1)多くの銘柄で流動性がない
・1日の出来高が少ないのことから、売りたい時に約定しない可能性
・成り行き注文にすると予想外に高値掴みをしてしまう可能性
・指値にすると購入したい時に約定しない可能性
2)選択出来る銘柄が少ない
・分散投資をしたいと思った時に、選択出来る銘柄が少ない
・分散の為に投資信託を活用したり海外ETFを活用することになるならば、
そもそも国内ETFを活用しないという選択になりがち
こういった課題が本来であれば「ETFならではのメリット」である流動性・低コスト等を潰してしまっているのです。
私も自分のお客さまに国内ETFを推奨することはありません。
推奨出来るとしたら分散投資が出来て純資産残高と売買代金が多い日本株ETFくらいではないでしょうか。
■国内ETF市場発展の起爆剤となるか?マーケットメイク制度
東京証券取引所はこのような国内ETF市場の課題解決の為に、2018年中に「マーケットメイク制度」の導入を目指し準備を進めています。
マーケットメイク制度とは、「マーケットメイカー」と呼ばれるトレーディング業者が、ETFの売買注文を常に出し続けることで市場に流動性を提供する活動に対して、東証から売買手数料割引等のインセンティブを与えることで更に活性化させようという施策です。
マーケットメイク制度が上手く機能すれば時間はかかりそうですが国内ETF市場の課題は解決に向かうことになります。
そうなれば、市場規模も成長し上場銘柄数も増加することが予想されるので、国内ETFは私たちにとって最も身近で有益な投資手段となる可能性があるのではないかと思っています。
マーケットメイク制度導入後の動向に注目ですね!
(梶原)
プロフィール:梶原真由美(かじはら まゆみ)
ファイナンシャル・プランナー
日本ではまだ珍しい顧問契約制のFP会社である
株式会社マネーライフプランニング所属。
1976年千葉県生まれ。40歳で出産、
12歳年下の夫と長女の3人家族。
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(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)