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為替市場動向~今年の最注目リーダーは日銀?~
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為替市場動向~今年の最注目リーダーは日銀?~

2018-01-19 14:04


     新年が明けて、既に半月が経ちましたが、
     本年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。


     2018年入りしたマーケットは、株高、ドル安、債券安で始まりました。

     債券市場の不安定な状態の背景を幾つかのキーワードをピックアップしてみると、以下が挙げられるかと思います。

    【日銀、オペ減額】
    【中国、米債購入抑制】
    【原油上昇、インフレ】
    【ECB,テーパリング加速】

     昨年末、2.40%水準だった10年物米国債の利回りは年初2.60%台に乗せるなど、やや過剰な反応がありました。そして、米債のみならず主要国の債券利回りは上昇。世界の債券市場は弱気へのトレンド転換か?との見方も出ました。
     その後、急激な金利上昇警戒感も緩和されつつありますが、もし本格的に相場が債券安に動くのであれば、アツい株式相場への冷や水になる可能性は大きいとも思えます。

     一方で、米国の暫定予算の期限切れが今週末に迫っているにも拘わらず、移民関連の問題のかみ合わない議論だったり、歳出削減計画についての議論も手つかず状態で政治の進んでいないという現状をみると、債券利回りの上昇は一時的なものになるかもしれません。


     そんな債券市場の動きの一方で、為替市場ではドル安が進んでいます。
     昨年末から直近までの主要通貨の対米ドルの推移を見てみると、強弱はありつつも、全ての主要通貨が対ドルで上昇しました。

     ドルの相対的価格を示す「ドル指数」は昨年年初(トランプ政権への期待相場)を頂点に下げが続き、特にECBの政策転換を切っ掛けに進んだユーロ高により下げは続き、直近のドル指数は2014年年初来の安値水準です。チャートを見ると、現レベルは下値サポートが見つけにくい危ないところにいるように見えます。

     昨年末112円半ばで終わったドル円相場は、「日銀超長期国債オペ減額」と「中国米債購入削減報道」のダブルのショックに加えて、年初の更なるユーロ高、人民元高も影響して、110円台まで下落しました。今後も110円水準がキープされ、110円~114円で推移となれば、昨年のコアレンジと変わらないとも言えます。
     ただ、今回最も相場を動かした材料である「日銀の異次元金融政策の出口」は今年、世界の市場から最も注目されるポイントになろうかと思います。


     12月13日配信の拙コラムで、日銀の政策ツールとしての「ステルス・テーパリング」を話題にしました。
     2016年9月に日銀は、超長期国債買い入れに関して量を減額して長期金利水準を0%中心にコントロールすることに軸足を変えました。以来、量については減額は続けてきたわけですので、今回の反応に首を傾げる向きもあります。

     ただ、昨年11月の黒田日銀総裁の「リバーサル・レート」理論への言及から始まり、世界の主要中央銀行が金融正常化に動く中で、企業業績好転、株高の中で「今年は日銀が動くだろう」の思惑が出ても不思議ではないかもしれません。
     FRBもECBも、(今後何もなければ)正常化に進むプロセスに進んでいることを市場は既に織り込んでいますので、現状の緩和政策が長期化するだろうと予想されていた日銀も動くとなれば材料として新鮮さがあります。


     では、現実的に実現可能なのだろうと考えると、難しい点も見えてきます。

     まず、「2%の物価目標を達成」の数値を下方に変更するのか?
     その前に政府はデフレ脱却を宣言する(できる)のか?というのがあります。
     デフレ脱却については、政府は前向きではありながら、宣言するまでには及ばないように見えます。

     次に、来年に控えたイベントスケジュールがあります。
     来年は、天皇陛下の退位に伴い元号が改められます。政治面では、春の統一地方選挙、G20サミット開催、夏の参院選もあります。参院選では憲法改正が焦点になるだろうと予想され、政府にとっては正念場でしょう。
     また、経済面では、10月に消費税の10%への引き上げも予定されています。早過ぎるデフレ宣言、金融政策変更には慎重になるだろうとも推察されます。
     歴史を見ると、遅すぎても早過ぎても弊害を見てきましたので、どこでタイミングを計るのか難問でしょう。


     こうして見ると、現実的には難しそうに思える日銀の出口戦略実施ではありますが、今年はこの思惑が出たり入ったりして相場を左右する可能性が高いように思います。

     欧州では、ユーロ相場が年初のECB議事録開示により直近高値で1.23台までつける展開になりました。欧州政治にはドイツ、イタリア、スペインと懸念材料も残りますが、企業業績の回復等、欧州へお金が逆流するプロセスは続くものと思います。

     また、英国については、EUからEU離脱撤回を歓迎するとのコメントも聞かれ、英国内では2回目の国民投票実施を求める声も上がっていると聞こえてきます。
     そんな中で、ドル安基調もあって、英ポンドは対米ドル、昨年初の安値1.1987から直近1.3837まで反騰しています。


     年初から、色々な方面で変化が大きい環境ではあります。
     今年も良き投資の年となりますように祈念する次第です。


     最後までお読みいただき、ありがとうございました。


    ※1月17日東京時間13時執筆
     本号の情報は1月16日のニューヨーク市場終値ベースを参照しています。
     なお、記載内容および筆者見解は参考情報として記しています。


    式町 みどり拝


    (情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)
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