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週末、月末、四半期末、海外ベースでは半期末が重なり、節目ならではの取引も多かったと見られます。さらには、今週末のG20開催、特に米中首脳の会談の行方が注目されるところから、今週は動きづらい感があります。
先週注目を集めた米国の金融政策決定のための6月FOMC。
すでに市場では、年内の利下げ確率100%。2度の利下げを織り込む中で行われる中、当局の利下げへの決意を確認した結果となりました。直近の金利予想は、7月に0.25%下げる見方が約8割、0.5%下げの見方をするエコノミストが約2割、9月には現在よりも0.50%は利下げされ政策金利であるFF金利が1.75%-2%になるだろうとみるエコノミストは7割となっています。
米国の利下げが期待から現実的になってきたことを株式市場は好感はしてきたものの、昨日、パウエルFRB議長が外交委員会で行った講演中に触れた”経済の下振れリスクが強まった”とするコメント、また、7月の0.5%利
下げ期待は行き過ぎとしたセントルイス連銀総裁の発言に、昨日のニューヨーク市場はネガテイブに反応しました。
米国国債10年物利回りは、6月のFOMC後、一時2%を割る場面もあり、2%を挟んだ動きが続いています。
米中貿易協議の行方、米対イラン対立による中東緊張。G20開催の今週末をはさみ、様々な駆け引きが報じられるものと思います。都度、市場が一喜一憂で反応すると予想されます。
利下げ期待は欧州にも?
先週、欧州中銀ECBのドラギ総裁は、ポルトガルのシントラで、追加緩和の可能性が直近の理事会で示したよりも高いことを示唆しました。今回のシントラ(ドラギ総裁とは縁が深い)での発言は、直後でこそユーロ安に反応しましたが、ドル安の流れと半期末要因もあってか、ユーロは対米ドルで週明けに1.14台をつける場面がありました。10月に任期を迎えるドラギ総裁。発言への影響力の低下もあるかもしれません。
昨日は、ドイツ国債10年物金利は、マイナス0.333という史上最低金利に低下したこともあり、ユーロは1.13台半ばまで低下しました。
ドラギ総裁の後任候補としては、ドイツ、フランス、フィンランド等の中銀総裁が挙げられています。もし、タカ派と言われるドイツのバイトマン氏が就任した場合には、ユーロは大きく反転する可能性もありそうです。
今後、欧州中銀の人事にも注目していく必要があります。
米国の利下げ、中東情勢の緊迫もありリスクオフ状態の中、ドル円相場は、5カ月ぶりの安値圏に。昨日は、106円70銭台をつけました。今日は、期末要因によるドル需要と見られる買いも出ているものの、市場がリスクオフへと更に傾けば、円高方向への警戒は強まるものと思います。今年年初に瞬間つけたとされる104円70銭が意識されてきます。
先週行われた日銀の政策決定会合では、現状維持の決定のみでした。大方の予想通りとはいえ、追加緩和の政策カードのなさを改めて見たように思います。
6月に入って、対米ドルでは、ほぼ全ての主な通貨が上昇。ドル安となりました。一方で値上がりが目立ったのは、金価格とビットコイン。
全般的なドル安基調の中で、最も上げ幅が少なかったのが豪ドルでした。先週には、対円では73円90銭台をつけ、直近でも74円80銭台です。
中国とも米国とも貿易関係の比率が大きいオーストラリアは、米中貿易摩擦の影響をもろに受け、自国でも利下げもしたことが為替相場を下落させました。
かつては、好金利として日本の投資家の間では人気があり、豪ドル建て保険を保有する方も多いので心配ではあります。
金利面でも、米ドル10年物国債で2%に対して、豪ドルは1.28%(直近)と見劣りがあり、直ぐの利下げは当局から否定されるも、先週の理事会では追加利下げの可能性は話し合われた模様。今後の豪ドルの反発を後押しする要素が今見る限り乏しいとも思えます。
ここ5年間、10年間の豪ドル対円の平均は85円水準。今年年初に瞬間の安値70円台をつける場面もありました。現在の水準は、安値圏にあるとも言え、反発の潜在性を秘めているとも考えられます。どちらにしても、米中貿易摩擦の行方がかかっていると言えます。
今週のG20での米中首脳会議が、ここでも注目されます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
※6月26日東京時間午後0時半執筆
本号の情報は6月26日東京市場始値ベースを参照しています。
なお、記載内容および筆者見解は参考情報として記しています。
式町 みどり拝
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)