昨年6月のマザーズ上場後から時価総額5000億円を超え、日本発のユニコーン型企業として市場で評価されているメルカリ(4385)。

 CtoCマーケットプレース事業を展開する同社の業績について前期は予定通り、44%もの大幅な増収となる一方で7期連続赤字、しかも1200億円以上もの大幅な経常赤字が伝えられたことで、上場後、低落傾向にある株価の動向が気になる状況だろうと思われる。
 同社株の上場後の高値は6000円。安値は1704円で時価総額のレンジは2500億円から9000億円。上場で得た資金で先行投資を行い、売上拡大の一方で先行投資で赤字が続く米アマゾンのような事業構造を市場はIPO時にポジティブに迎え入れたが、その後の評価は低下してきた。


 市場には売上は伸びていても先行投資(費用)で利益が出ていない点をなかなかポジティブに評価しないという状況があるのかも知れないが、それは需給によっても変わってくる。
 潤沢な資金を得て人やシステムなどの先行投資に充てながら急成長を目指す新たなユニコーン型企業の登場に今後も期待が集まるが、必ずしも時価総額が大きなユニコーン型ではなく時価総額が小さい企業にもそうした先行投資型で成長を図っている企業は見出せる。
 先行投資があっての事業成長を理解しながらリスクテイクする目ざとい投資家は増えてきたように感じられる。バリュー株の対極にある投資スタンスだが、今後の動向に注目したい。


(炎)


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