株式投資を長年続けていると、年に一度くらい「キャ~」というくらいの株価下落を経験します。その後株式市場が坂道を転がるように、長い下降トレンドに入ってしまうのか、それとも一時的な調整で終わり、株価が再び上昇トレンドをたどるのかは、株式投資をするものにとって、とても影響があり、慎重に見極める必要があるものだと思います。
まして定年で、安定的な労働収入に依存していない定年退職者や作家のような、毎月決まったサラリーが入ってこない自由業者にとって、年に一度くらいやってくる、暴落時の対処いかんによって、その年の投資成果が決まってしまうといえるほど大切なイベントです。
私はこのように突然やってきた、今回の暴落を年に一度の底値買いのチャンスと捕らえることに決めました。2月28日までは、今年の株式相場は順調で、とても居心地が良いと感じていました。2006年の波乱相場とは違って、私が定年後の主戦場ときめた東証第1部の株価が日経225の値上がりに象徴されるように、とても快適な上昇トレンドを描いていたからです。
順調すぎるときは、それまでまったく思いもしなかったところからミサイルが飛んできて、相場を崩すことがあるから、油断してはいけない。何かわけのわからない暴落が起こったら、その状況が分かるまでは、いったんポジションを縮小して、キャッシュポジションを大幅に増やして、相場に対処しよう。そう決めていました。
2月27日に突然、ニューヨーク市場が大崩をしました。前日の上海市場の大幅な株価下落を、嫌気して、500ドルも一気に下げました。「こりゃ~、えらいこっちゃ。日本市場の大暴落はしょうがない」そう思って日ごろから準備していた通り、成行売りで、株のポジションを一気にキャッシュ化することにしました。「わけが分からない暴落に巻き込まれたときは、何もせず動かない方がよい」という人もいますが、それは投資銘柄が多数に及ぶ機関投資家のファンドマネージャーなどに言えることです。せっかく作り上げたポートフォリオを放棄する愚をおかすべきではありません。ポートフォリオの中に流動性の低い銘柄を所持していれば、成行売りなどすればわが身の破滅を、自分で演出することになってしまいます^^;
私の場合はポートフォリオの90%は住友金属鉱山と三菱商事という流動性の非常に高くて、直近まで大幅上昇を繰り返し、従来よりも出来高が増えて、非常に売りやすい状態になっていました。そこで住友金属鉱山の株を記念に1000株だけ残し、後は寄り付きで成行売りを実行しよう。そのように心を決めました。ただし、いまは市場が開いている間中、相場をウォッチできる、恵まれた環境にあるのだから、相場が案に相違して切り替えしてきたならば3分の2だけは買戻しをかけようという作戦も立てていました。3分の一はキャッシュで残そうと決めたのは、大きな暴落は一日では収まらずに、二日、三日と続くことがあり、その間の状況によって、将来の株価のトレンドの予測がつく。そのときに残したキャッシュを株に戻すのか、それともキャッシュポジションのままにして、しばらく様子を見るのか方針を決めようと考えていました。
過去においては、大きな下落に出くわした時、迷った挙句にバカな行動をとり、その失敗に引きずられて、その後の判断をも狂わした、痛い失敗を何度も繰り返しているので、決めたことは必ず実行しよう。直前に方針を変えて、後で、その変更が逆目に出て、その失敗を引きずることだけはやめようと決めていました^^;
経済的独立ワクワク!サポーター 石川臨太郎
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)