株式投資の醍醐味は良い銘柄を見出し投資することで大きなリターンを上げ得る可能性があること。銀行に預金していても雀の涙の利息しかつかない時世で、どうやって効率的な運用成果をあげるのか、誰しもこうした夢を追い求める投資行動を採ろうと自由な発想で日々銘柄研究を行うことになりますが、事はそう簡単にはいかないことも事実です。
いわゆるテンバガー銘柄というのはいつの時代にも存在はしています。10倍にはならなくても2倍、3倍と大きく投資した水準から大きく上昇する銘柄は存在しています。ただ、宝くじと同じで確率は低いのかも知れません。
それでもテンバガー銘柄を見出す努力と見出した筈の銘柄にリスクテイクする勇気と決断、現実に大きく上昇するまでの忍耐力、投資アイデアを基にして大きな利益を得るまでの胆力を養うことが求められます。
今、1億円のお金を持っている投資家と100万円しかない投資家とでは圧倒的に1億円を持つ投資家がパワフルなのですが、これらの投資家のスタンスによって資産形成の手法が全く異なることも考えられ、案外100万円の投資家の方がパワフルだったりもします。
1億円をどうやって増やすのか、100万円をどうやって増やすのかにもよりますので一概には言えないのです。安定的に成果を求めるのであれば有名企業だったり高配当のバリュー銘柄に投資をするような手法となりますし、100万円だと安定よりはややリスクがあっても効率的な運用を追求することにもなります。つまりテンバガー銘柄への投資は100万円程度の限られた資金を投じて効率良くリターンという運用手法に向くものと考えられます。
ただ1億円の投資家でもポートフォリオの中に小額でも候補銘柄を見出して組入れて楽しむことはできます。株式投資を楽しむ投資家にはすべてこうした発想で夢のテンバガー銘柄に投資するチャンスは存在しています。
未来のことは誰しも分かりません。結果としてテンバガー銘柄にもなり得ますが、途中経過で諦めてしまい、売却などしますと後で後悔するほど株価が急騰を演じるなどといったことが起きてしまいます。要するのことはそう簡単ではないということです。
ネバ―ギブアップ!!
諦めずにいきましょう!!
創刊して20年と言う歳月を経た「億の近道」に集う投資家の皆さんは株式投資から既に相当の成果を得ておられるものと拝察致しております。反対に損した経験もたくさんおありかと思います。それぞれの目標も異なっているかと思いますが、私と一緒にテンバガー銘柄を探す旅におつきあい下さい。
【テンバガー銘柄を探すポイント】
1)事業内容やビジネスモデル
あなたにとって投資したい企業の事業は何ですか?ビジネスモデルに好感をもたれていますか?
時代の変化とともに時流に沿った事業も変化して参ります。上場企業の思いは経営者から皆さんに発信されていますので皆さんはこれを十分に検討して頂くことが必要です。まあ余り固く考えずに気に入ったビジネスを見出してみてはどうでしょうか?
2)現状の評価
既に一般的に評価されているのかどうかもテンバガー銘柄探しには重要なポイントと言えます。案外見落とされた状態にある企業も市場には多いと私は考えています。皆さんも独自の目線でそうした評価不足の企業を見出してみてはいかがでしょうか。
3)株価の位置
評価は株価に反映されています。IPO(はじめて株式市場に株式を上場すること)されてからずっと株価はその企業につきまとってきます。公開価格から公開初値があってその後の高値、安値がついて時価に至る連綿とした変動をしっかり見出して株価がどの位置にあるのかを明確にしておきたいと思います。安い水準だから絶対ということはありませんがテンバガー銘柄にするためには株価が過去に比べ安い位置にあるのかも重要な要素となると考えております。但し、株価の位置が低いということは企業価値が低下していることの裏腹になります。
株価が過去に比べて低い位置にあるからといって客観的な業績や未来に向けたビジョンをないがしろにすることはできません。
4)市場平均と比べた評価
株式市場における企業の評価はまちまちです。市場の人気が高くてPERが高い銘柄があったりPBRが高かったりもします。市場平均のPERが15倍の時にその会社のPERが30倍となっていれば市場平均を大きく上回って評価されているということになりますが、そうした状況の銘柄がテンバガー銘柄と言えるのかどうかは、一概には言えませんが、市場評価以上の業績成長がもたらす結果がテンバガーにもつながることもあり得ます。これについてはかなり時間を要すかも知れませんが、仮に今経常利益が2億円程度しかなくても5年後に100億円になると評価できれば十分にテンバガー候補となります。こうした成長性を見出す作業が重要です。
5)テーマ性
市場ではテーマ株を求めてリスクマネーが蠢いています。テンバガー銘柄は利益成長を先取りしての評価を受けた形で株価は上昇して参ります。
そのため1)の事業内容やビジネスモデルとともに潮流に沿ったテーマ性を重視した投資もテンバガーを生みやすいと考えています。
6)需給
誰しも知っているような発行済み株式数が膨大な企業の株価は市場の変動に連動した格好で株価は上下しますが、安定した成果が得やすい一方でテンバガーとなるような大きな変動は難しいものと考えられます。株価の変動をもたらすのは需給の良さを背景にしたものが多いように思われます。
この場合は信用取引で売りと買いが拮抗する場合なども含まれます。自己株買いなども需給を良くさせてくれますが、基本的には時価総額が100億円以下の中小型株がテンバガー銘柄となりやすいように思われます。
但し、時価総額が100億円以上であっても絶対にならないということではありません。
7)業績
ベンチャー型の企業は売上先行で業容の拡大を図るケースもありますが基本的には営業利益ないし経常利益の拡大のベクトルが高いことがテンバガー銘柄になりやすいと思われます。売上も伸び、その売上増に比例して営業利益や経常利益が拡大していくことが理想的ですが、過去のテンバガー銘柄に変化した事例ではそれまでの成長性が一般的に認識されずにPERなどが低評価であったところに業績に何らかのポジティブファクターが舞い込んで急拡大が起き、PERの向上と業績の向上がダブルで訪れた場合に、テンバガー化することになります。かつて熊本の平田機工(6258)が株価600円から2年ほどの期間で20倍以上にもなりましたが、この時はまさに業績向上と評価の高まりがダブルできての株価形成となりました。
まだまだテンバガー銘柄を探すポイントはたくさんありそうですが本日はこのぐらいにしておきます。次回は具体的なテンバガー候補銘柄を取り上げてみたいと思いますので宜しくお願いします。
(炎)
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