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"欲しいもの"が"必要なもの"に変わる?
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"欲しいもの"が"必要なもの"に変わる?

2020-03-06 15:34



     億近読者の皆様、こんにちは。
     お金の教育特化のFP、遠藤功二と申します。

     私は、家庭でできるお子様むけの金融教育の方法について、連載しております。
     本日が、2回目の寄稿となります。宜しくお願い致します。


     まず、私が大切にしている金融教育論の土台についてご紹介します。

     それは、「金融リテラシーマップ」というものです。

     「金融リテラシーマップとは」
     金融リテラシーマップは、金融庁、消費者庁、文部科学省の他、全国銀行協会や、日本証券業協会など、10以上の組織をメンバーとして結成された金融経済教育推進会議という、金融広報中央委員会(日本銀行情報サービス局内)に設置された会議で策定された、日本人が「最低限身に付けるべき金融リテラシー」を示したものです。

    (出典)知るぽると 金融リテラシーマップ
    https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/literacy/


    ■最低限身に付けるべき金融リテラシー

     金融リテラシーマップでは、
     小学生に
    「必要なもの(ニーズ)と欲しいもの(ウォンツ)を区別できる考え方を持つこと。働くことでお金を得て、将来を考えて計画的にお金を使うこと。」
    を求めています。

    「欲しいもののためにクレジットカード切ってしまっている。」
    「将来のお金の計画については、深く考えていない。」

     このような大人の方も多いのではないでしょうか。
     実際、私も子供が生まれるまではそうでした。

     お子様がいる家庭の方々は、幸運です。
     お子様にお金の教育を行うことで、自分もお金に対する考え方を学び直すことができるからです。

     それでは、今回は、金融リテラシーマップで言及されている「必要なもの」と「欲しいもの」について考えていきます。


    ■「必要なもの」と「欲しいもの」を区別する

     大人なら簡単です。
     生活にかかるもの、つまり消費財は大抵「必要なもの」。
     お酒やブランドバッグなど娯楽や贅沢品は、「欲しいもの」でしょうか。


     では、子供にとって「必要なもの」とは何でしょうか。

     学校で使う鉛筆や消しゴム。ノートや運動靴。
     お金の教育のためとは言っても、こういったものを子供たちに
    「必要なものなのだから自分のお小遣いで買いなさい」
    というのは酷です。
     保護者として親が与えるものでしょう。
     親にとっては、子供の教材は未来への投資なわけですから。

     ただし、無駄な使い方をする、すぐに無くしてしまう、ということであれば、物やお金の大切さを学んでもらうために、お小遣いで買うように促すようなケースもあって良いと思います。


     このように、子供がお小遣いの範囲内で「必要なもの」にお金を使う体験をさせることは、案外難しいのです。機会が少ないのです。

     ゆえに、私は、
    子供と「必要なもの」を考える際は、
    大人にとっての「必要なもの」ではなく、
    子供にとって「必要なもの」を一緒に考えることが大切だと思っています。

     大人が子供にとっての「欲しいもの」と「必要なもの」を決めてしまっては、せっかくの考える機会を奪ってしまいます。

     私は、子供のうちは「必要な物」=「欲しい物」でも良いと思っています。

     なぜなら
    「欲しい物」が「必要な物」に変わるケースもあるからです。


     例えば、私たちにとってのスマホ。

     出始めの時は、皆さんにとって「欲しいもの」だったのに、今は「必要なもの」になっています。
     継続的に使うもの、なくてはならないものは「必要なもの」に定義されていくということです。


     子供たちにとってはどうでしょうか。

     例えば、私の息子は「ポケモン大図鑑」をボロボロになるまで何年もかけて読んでいます。
     多くの子供達がポケモン博士さながら、ポケモン大図鑑を繰り返し読みます。
     これは子供にとって、「欲しいもの」が「必要なもの」になっているケースです。

     想像してみてください。
     もしも、子供から、夢中になっているポケモン大図鑑を取り上げたら、あまりに可哀想ですよね。


    ■「欲しいもの」の例

     ある時、息子がゲームセンターで使えるポケモンの装置を欲しいと言い出しました。
     息子は、その装置を買うために、家でお仕事をしてお小遣い(給与)を貯めました。

     私の家庭では、1仕事10円ですから、数百円のおもちゃを買うのにも、時間がかかります。

     息子はお金が貯まった頃には、欲しい気持ちが失せてしまい、

    「もういらない」

    となりました。

     ポケモン大図鑑だったら、間違いなくそうはなっていなかったでしょう。
     ゲームの装置は、子供にとっては、「欲しいもの」から「必要なもの」に格上げされなかったわけですね。

     余談ですが、息子は、おばあちゃんの家に遊びに行った時に買ってもらったラジコンで、全然遊んでいません。

     このような、「買い与え」を続けていてはいけないな、と感じています。


    ■「必要なもの」≒「資産」

     会社では、資産とは売上を生み出す原資です。
     しかし、個人にとっての「資産」とは、必ずしも株や不動産などのような、お金を生み出すためのものだけとは限りません。
     公共交通機関が充実していない地域では、車も大切な資産です。
     つまり、個人にとっては、生きるために「必要なもの」が「資産」となります。

     ポケモン大図鑑は、子供にとっては人生を豊かに過ごすための資産なのかもしれません。大人にとっては、娯楽に見えてもです。

     子供たちは、わざわざ大人が説教をしなくても
     生活必需品を「必要な物」、
    娯楽のためのものが「欲しい物」
    であることは、人生で段々と学んでいきます。

     私は、子供たちが
    「自分の人生にとって資産になるものにお金を使うこと」
    を学んで欲しいと考えています。


     先日、私の息子がクイズの本をお小遣いで買った時に、言っていました。

    「この本なら、面白いから何度でもボロボロになるまで読むと思う。」

     私は思いました。
    「この子にとって、クイズの本は資産なんだな。」と。


     ここまで、お読み頂き有難うございます。

     次回は、金融リテラシーマップの「働くことでお金を得ること」について、掘り下げていきます。


    (遠藤)


    [遠藤 功二氏 プロフィール]

     日本FP協会認定CFP
     1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)
     MBA(経営学修士)

     大学時代に借金に追われた経験からFPの資格を取得し、金融機関に就職。
     証券会社と外資系銀行で延べ1,000人以上の顧客を資産運用アドバイザーとして担当したが、組織のしがらみで顧客中心のサービスが提供できず、雇われFPとして働くことに限界を感じる。しかし、収入が途絶えることの恐怖から簡単には、会社から踏み出すことができず、ストレスを貯める日々を送る。
     FP資格やMBAをとっても、会社にお金で縛られていたら何もできない。
    「お金のためだけに働くつまらない生き方を他の人たちにはさせたくない。」
    という志をもち、お金が原因で不幸になる人を少しでも減らすべく、教育特化のFPとして奔走中。
    web:https://fpkun.com
    メルマガ:https://mailseminar.fpkun.com/


    (情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。また、当該情報は執筆時点での取材及び調査に基づいております。配信時点と状況が変化している可能性があります。)
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