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「お金は人に貸してはいけません。返してもらえなかったら、貸した人が怒って喧嘩になるからです。」
これは7歳の子供が学校で書いた文章です。(一部修正)
子供は正しい知識はどんどん飲み込みます。
それだけに、私は子供にお金のことを教える時、かなり苦悩します。
「間違ったことを教えてはいけない。」
こう思うからです。
大人の世界では、お金の考え方に正解はありません。
・リスクと取りたくない預金派の方、
・保険が大好きな方、
・投機的取引にハマっている方、
・借金で資産を築く方、
・絶対に借金はしない方、
どれも自分の価値観や考え方に基づいているのであれば、正解、不正解はありません。
選択は、個人の自由です。
しかし、子供に対しては違います。
誰が聞いても正しいことを教えていかなければいけません。
例えば、「友達にお金を貸してはいけない。」
金の切れ目は、縁の切れ目と言いますから。
また、お金の「貯める」「使う」「寄付する」という選択肢。
「寄付する」は正しいと思います。
しかし、おばあちゃんが孫にあげたお小遣いを、孫が寄付に使って良いのでしょうか。
優しい子だな、という気もしますが、おばあちゃんの気持ちも考えないといけません。
親はいつも厳しい分、おばあちゃんにくらい、甘えて欲しいのかもしれません。
お金の教育は、悩みの連続です。
今教えたことが一生を左右するかもしれないので、本当に子供の将来のことを考えて教えなければいけません。
正論をなんとなく無責任に発言してはいけないと私は肝に銘じています。
子供に、
「お金お金と言う人は卑しい人。お金のことばかり考えて働くなんて汚いことです。」
と教えるか、
「お金をたくさん持っているということは、人の助けになった証拠。人のためになることをしてお金をたくさん稼ぐことを誇りに思いなさい。」
と教えるか、
子供は幼少期に教わったことが当たり前になります。
ほんの一言、サラッと教えたことを子供はしっかり覚えています。
私の息子は最近は、家の仕事が増えた上、家庭内でカフェの経営までしているので、毎月お金の勘定が大変です。
お金の計算をすると、子供はどっと疲れます。
私も一緒にやっているのですが、確かにお金の計算は疲れます。
教えるまでもなく、「お金の計算は大変だ。」と子供は学びます。
しかし、「もうやらない。」とは言いません。
生きるためにお金が必要なことはわかっているからです。
このような経験をすると、会計ソフトや家計簿アプリがどれだけ人の役に立っているかが分かります。
会計ソフトに限らず世にあるサービスは、人の役に立っています。
ファミレスやロボット掃除機は家事を助けてくれます。
お布団掃除機は、アレルギーの子供を助けます。
これらの会社がお金を儲けても、私は卑しいとは思いません。
子供にお金のことを教えていると、正しい仕事観について考えるようになります。
親が苦悩した分だけ、子供には伝わるものがあると信じてお金の教育を続けています。
(遠藤)
[遠藤 功二氏 プロフィール]
日本FP協会認定CFP
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)
MBA(経営学修士)
大学時代に借金に追われた経験からFPの資格を取得し、金融機関に就職。
証券会社と外資系銀行で延べ1,000人以上の顧客を資産運用アドバイザーとして担当した経験上、日本には金融教育が足りていないことを確信する。
自己責任が求められる社会で、子供たちが自立して生きていけるよう、お金の教育講座を実施している。子育て世代の親たちと子供たちに、金融の知識を届けるため教育特化のFPとして奔走中。
生き抜く力を育むお金の体験型教室FP君
web:https://fpkun.com
メッセージ:koji.endo@fpkun.com
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。また、
当該情報は執筆時点での取材及び調査に基づいております。配信時点と状況が変化している可能性があります。)