最近の株式市場を見ていますと個人投資家主導で値を飛ばしまくっている銘柄が多いこと。

 バッテリー関連や他材料で古河電池やFDKが大幅になったときは驚きました。昔は株式新聞で仕手材料が賑わっていた時代も去り、今ではみんかぶや株探に代わり掲載された記事で株価が大きく反応するようになりました。


 各国が環境対策でEVシフトを打ち出したことでバッテリー関連が再度賑わったことでしょうが、買いのキッカケとなった材料を見ると過去の話題で疑問に思うこともしばしばありますが。ただ未来の材料を期待に買い向かう姿勢には感心します。

 株価を動かすニュースは世の中に溢れんばかりですが、比率で行けばダイヤ少なく石ころ多いといったところでしょうが、いかにダイヤを掘り当てるかの目利きが重要かと思います。しかし目利きでなくても儲けるコツはいくらでもあります。その一つがBSをチェックした割安銘柄探しです。


 例を挙げてみましょう。

 名証2部にATグループ(8293)という企業があります。事業は新車・中古車の販売やリース、フォークリフト販売、情報システムを行っている企業で、愛知トヨタなどトヨタのFCディーラーです。他にスズキやVW車両も販売しており、愛知県下で登録車のシェアは30%弱、軽自動車含めて20%強に達します。2019年度は約9万台の販売で全国シェアでも2%弱に相当するビッグディーラーです。

 この会社、中間期段階で現預金が約14億円しかなく、有利子負債は630億円もあり、借金漬けかと見てしまいそうですが、BSの流動資産に割賦売掛の項目があり、顧客のローン債権があります。トヨタファイナンスや日産ファイナンスなど通常完成車メーカーが行うファイナンス事業をディーラー自らが行うとは驚きです。しかも割賦債金額が1,160億円にも達しており、単純な計算ですが有利子負債630億を差し引くと530億円は同社自身のキャッシュで顧客にローンとして貸し出していることになります。
 実は隠れたキャッシュリッチ企業だったわけです。なのに足元の業績が悪いからと時価総額で400億円台まで売り込まれ、実質の現預金額を下回り、企業価値マイナスの扱いを受けてしまいました。受取手形・売掛金は249億円に対し買掛金は190億円まで考えると更に低い企業価値。2019.3期営業キャッシュフローは290億円、2020.3期は262億円もあります。

 年初株価1,900円程度から一時1,000円強まで下落し、PBRは0.2倍以下に。

 1Qは営業赤字16億円、中間期営業利益1億円計画でしたが、2Q営業黒字39億円まで拡大するとは誰も予想しなかった回復劇と言えるかもしれません。いやいや先行き国内ディーラーに夢があるのか? だから低バリューだとの意見もありましょう。

 でもこの会社、只者ではありません。
 日の出モータースとして1935年に創業し、トヨタの一番最初のディーラーなのです。翌年にトヨタ自動車が初となる乗用車AA型の発表会は、なんと日の出モータースで開催されたそうです。

 ATグループの社長、株主構成から山口家がオーナーであることが見受けられますが、筆頭株主は名古屋友豊(株)という企業で、代表は山口社長、つまりATグループの社長です。

 ネットで検索すると馬主として有名な企業の様です。しかも名古屋のJRA場外馬券場であるウインズ名古屋の施設管理者も名古屋友豊が行っているとウイキに記載されています。
 施設管理者? 管理だけ?
 どうも土地・建物の所有もされている様です。名古屋の名士なのでしょう。

 年商4,000億円企業の現預金がたった10億円強。難なく調達出来る上、キャッシュ創出力が高いからでしょう。その企業が国内で成長するために、コツコツと手を打っている様です。

 同社のWEBでオートタウン高辻、KIDS PARKの動画あり、これを見ると何の店かわかりません(笑)

 本社横にデカいディーラー、たぶん本店だと思いますが名古屋の高辻にあり、かつては3か月毎に通っていた?日本特殊陶業本社の真横がATグループだったとは。


(あすなろ産業調査部)


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