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まず、日本郵政によるオーストラリアの物流会社トール社の一部事業売却に関する記事が経済面にありました。6年前の買収報道直後から「高過ぎる」「郵政が海外企業を適切に運営・管理できるのか」と言った懸念の声が沸き上
がりましたが、郵政経営陣は同事業買収を強行し、2年後には早々に4,000億円もの減損処理をするなど迷走を続けてきました。
ひと言、マヌケです。
当時の経営陣が民営化後の功を焦り、且つ政治家は郵政グループを選挙に利用していました。日本郵政(国が6割も保有しているのですから言わば国民資産)を政治家が私物化し、政治に翻弄された無能な経営陣は巨額損失を招きました。
が・・・、誰もその責任を取らない。日本の政治・行政の特徴は、何か悪いことや損失が発生しても誰も責任を取らず、それら負担の全てを現場に押し付ける、呆れるほどの無責任主義・体質にあります。これら全てが老害の為せる業です。
さて、週初は株式市場が大きく売られました。
規模別にも月曜日はほぼ万遍無く、火曜日はマザーズなど中小の銘柄・指数が比較的売られたようです。
つい最近まで強気予想が増えていたのが気になっていました。先週までは日経平均株価で年内高値32,000円辺りが平均的なコンセンサスのようでしたが、今週は2日連続の約2%安、TOPIXは金曜日から弱含み月曜、火曜で約1.55%、1.98%安となりました。
やはり強気派がやたらと増えた時は要注意でしょうか(苦笑)。
拠り所とする指標や投資思想も無いままに、時々のムードで右往左往しているような相場です。
もう彼是2018年辺りから、そして昨年春の新型コロナ暴落以降は特に、今の株式市場は「バブルか否か?」と言う議論が増えていますが、依然として様々な商品や資産に資金が流れ込んでいます。少し整理してみたいと思います。
以前に書きましたように、現在の金利水準を元に様々なバリュエーションを計算・評価すれば株式市場はまだバブルとは言い切れないレベルです。米国や日欧のローン残高なども多いものの無理の無い範囲と言えそうです。
大手金融もリーマンショック以降の規制によっても体力を維持しており、幾つかのファンドにトラブルがあった程度ではダメージを受ける程でもありません。つまりリーマンショック前頃とは違います。
とは言え、金利が上がりだせば前提条件が崩れます。
1990年前後の日本も似たような状況で、利上げが進めば膨れ上がった株式や不動産は売られ易くなります。
もっとも、手元にある数字や情報などで将来の市場予測が出来るのなら過去のバブルの崩壊も無かったはずですから、今でもリーマンブラザーズは健在だったのでしょう。つまり「大丈夫かなぁ~?」と感じることはあっても実際にはバブルのピークなど誰にも分かりません(笑)
明確なことは、現在は世界的に過去に例の無い金利水準にきていて、過去に繰り返し発生した景気悪化やバブル崩壊から立ち直ろうとして「金利を下げ続けた歴史」があって今に至っているという事です。そして今やどの主要国の金利もゼロ近辺ないしはマイナスにまでなっている現実です。
数年前までは米国をはじめとして、これほど世界的に市場金利が下がるなど誰も予想していません。確かに、トランプ政権が中国と喧嘩を初めたり、資源の需給が不安定になったり、新型コロナが蔓延したりなどが理由とされていますが、振り返ればこれらの発生も必然だったのでは無いかとも感じます。
敢えて言えば、資本主義のすそ野に収奪するフィールドが減ってきている事で資本成長率が落ちている中で、それを引き上げようと何度も何度も無理にアクセルを踏み続けているように見えます。
我々一般の労働者は一定の労働対価を得て平和に暮らせることを望んでいますが、資本家や為政者がそれでは満足できず(権力維持や人民を統治するために?)、無理をした結果の積み重ね(ダメージがある度に利下げすること)が今に続いていると言えるのでは無いでしょうか?
結果の一つとして(彼らが満足する程の利潤を上げるために)労働分配率も下がっているのでしょう。
ピケティ氏が言うところの「g<r」がより大きくなっている現実です。
既に中央銀行による金利操作で出来ることはし尽してしまったのかもしれません。つまり、少なくとも数年前から既にバブル環境に入っていると言えそうです。市場に資金を放出して(大きさの比較は出来ませんが)金利を押し下げ需要の先食いを繰り返している行為自体がバブルの再生産と考えるなら。
そして、このバブルが過去に何度もあったように、いずれ何処かで崩壊するか?もしくは景気の回復や税収増等によってバブルと言えない水準までインフレや成長率が追いつくのか?これも誰にも分かりません。
そんな中で・・・、迷いながらではなく「もう既にバブルなんだ!」と腹を決めて投資した方が精神的にも良いかなと考えている昨今です(笑)。
2018年秋~2019年秋にかけて自身のポートフォリオのリスク資産を半分にしてしまい、それからは全体を増やさずに投資を楽しむ方向にしました。お陰で昨年後半以降の相場の上昇ではちょいと悔しい部分もありますが、昨年春の下落時にはポジションを少し増やせましたし、その後は下げる場面を余り気にすることなく心やすらかに投資を楽しめています(笑)。
「今は既にバブルの最中なのだ」と決めている故に、仮に暴落が起こったとしても長い年月をかけることでダメージを最小化するためにも、無理をせずドルコスト平均法での投資が今こそ必要とされるはずと考えて執筆を続けています。
(街のコンサルタント)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。また、当該情報は執筆時点での取材及び調査に基づいております。配信時点と状況が変化している可能性があります。)