先々週、5月28日の日経新聞に東京都医師会会長某氏へのインタビュー記事がありましたが、読んでいて鼻で笑ってしまいました。東京は新型コロナウイルス蔓延による緊急事態宣言が何度も繰り返されるほどの(彼ら曰くは)非常事態下であるにもかかわらず、医師会トップの発言がまるで他人事のようでしたから。

 医師会内部では、十二鬼月で言えば上弦の弐(童麿)~上弦の肆(半天狗、鳴女)辺りの地位の方でしょうか。
 既に1年半近くも「自粛だ!非常事態だ!」と言い続けているにも関わらず、医師会は単なる学術団体だと言い退け(本質は政治献金額トップの業界利益団体)、無責任な発言に終始するとは呆れました。勿論こんな御仁ばかりではないはずですが、鬼(=金の亡者)が支配する世界では倫理観ある医師の声はかき消されてしまうのでしょう。
 知り合いの医師の中には、無難な病院経営のために嫌々医師会に入会し、日本医師連盟への会費を支払わされていると言った話も聞きます。あらゆる業界で既得権団体が跋扈しています。農協組織(JA)と同様です。
 都医師会も漸くワクチン接種に動き出すとの記事が出ましたが、裏では様々な損得勘定が働いているようです。最近は患者様が減っていますから。何だかですね(苦笑)。


 さて、今週のSQ後の相場展開はどうなるのか。
 今年度上期の相場は米中摩擦の行方、ワクチンの接種率、財政出動の規模など、主なものに注目してみても、日本経済は欧米や中国に比較すると回復の速度や時期ともに遅れており、よって現在の相場レンジから急騰する要因は見当たらず、一方で景気は着実に回復するでしょうから大きく下落するとも考えられません。つまり強気にも弱気にもなれない中途半端な環境と考えています。

 市場バリューエーションの観点からは、現時点で予想される2021年度の業績は既に織込み済みレベルと思われますから、日経平均株価で27,500円~29,000円のレンジを大きく外れることも予想し辛いです。

 昨年の今頃は新型コロナのダメージを読めず、大幅な雇用者減(=収入の減少)により年度後半の景気を暗く見過ぎていました。ところが米国大統領選が済み不透明感が拭われたことや想定以上の財政出動が続き、11月以降の相場に付いていく事が出来なかったことを反省材料としています。
 11月からの株式相場の上昇は米国市場に引きずられた面もありますが、11月からの数か月間は今期(2021年度)の業績回復を株式市場が織り込んだ時期という事なのでしょう。


 気になるところでは、最近の政治状況について、菅首相の与党内への忖度(=リーダーシップの欠如)が目に余るようになってきました。加えて、選挙を前に政権内部での老害同士の駆け引きが目に付くなど、残念なほど政治の質
の低下が顕著であり、それらが金融市場にも悪影響を及ぼしているはずです。いよいよ政治制度や政治家の大幅な刷新、改革が必要と強く感じる昨今です。


 今後につきましては上述の通り、大きな相場の変動要因を予測できないことや、日銀買付けによる支援も見込めないこと、他国市場との比較で外人投資家の参入にも期待できないこと、とは言え金融市場内の金余りが続くこと・・・等々をベースに当面はレンジ相場の中での個別物色が続くのではないかと予想しています。

 基本行動は変わらず、米国の金利動向に注意を払いつつ、注目している銘柄が安くなったら(少しずつ)買うという程度の投資行動が続きそうです。


(街のコンサルタント)


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)