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ウイズ・コロナは続くものの、新型コロナウイルスの解明が進み治療法や医薬品が開発されるとともに経済活動も徐々に活発化してくるものと思われますが、依然として医療体制の整備やオンライン診療が停滞しているとのニュースが続きます。何故か。
理由は簡単です。積み上げ式の診療報酬制度と高齢者負担の軽さの2点が障壁になっているからです。この2つが日本の医療体制を硬直化させ、無駄な医療費を生み出し続ける原動力になっています。
現在の制度では、医師は自由に開業でき、患者はフリーアクセスで診療を受けることが出来ます。しかも検査や診療数を増やせば増やすほど儲かる制度設計ですから、医師の観点からは、大手病院の医局に在籍して忙しく働くより、開業して上手く患者を獲得しつつ通わせ続けることが出来れば楽をして収入を得られます。巷で言われている入院の長期化こそが好例で、診療報酬を積み上げるインセンティブとなっています。
患者からすれば(特に1~2割負担の高齢者は)安い費用で十分な診療を受けられるのですから現在の制度に不満はありません。保険適用により、ちょいと足が痛いとか、軽い風邪程度でも市販薬を買うより、病院へ行き診察してもらい、処方箋を出してもらった方が安いのですから病院へ通うインセンティブになります。
歪な制度ですが、これを変えようとすると高齢患者(診療所のお得意様)が減るからと医師会は大反対します。理由は(負担増により)患者が診察をためらい病気が悪化するからと言うものですが、具合が悪くなれば若干の負担増など気にせず受診すると思いますし、医者にかからなくて済むよう体調管理をするようになると思うのですけどね。
病院の待合室で「最近あの人見かけないけど具合悪くなったのかねぇ~」なんて会話が成立すること自体が可笑しな話なのですが、医師会は既得権を手放しません(汗)。
余り変化の無い慢性疾患にも関わらず、決まった薬をもらう為だけにわざわざ定期的に病院へ通い、待たされるのが面倒という方にはオンラインが良いはずです。バイタルデータを送っておき、画面でやり取りすれば診察も処方も簡単に済みます。処方箋も薬剤師がオンラインで確認し、気になることを薬剤師に相談出来れば尚更良いです。
何故に管理されたデータより三文判を押した紙の処方箋じゃないとダメなのか?医師会の屁理屈は本当に意味不明です。しかも処方箋の有効期間は僅か3日程度(汗)。
遠隔医療でもデータ管理が容易ですから海外では急速に伸びています。地方の高齢者は遠い病院まで通うことに難儀しています。
制度変更や診療報酬に手を付けようとすると直ぐに「弱者切り捨てだ!」と大騒ぎしますが(野党も同罪)、その保険料の支払いすら滞るほどの弱者(現役貧困世帯)や、そうそう病院へ行く時間が無いまま体調を崩してしまう現役世代はどうなるのか?いずれ財政が重くのしかかる将来世代はどうなるのか?等々・・・、今回の衆議院選挙でも殆ど取り上げられませんでした。
つまりオンライン診療の報酬が低いから普及しないと言う理屈が成り立つのは、受益者である患者にとっては、そもそも受診料負担は軽いし、どちらでも費用が変わらないなら(一応)対面の方が安心できるから、そしてオンライン機器の操作が面倒だからであり、医師側としては黙っていても患者が来るなら費用や手間を増やしたくない、下手にオンラインにして患者(お得意様)が減るのは避けたいということです。
何とも身勝手な話しと感じますが、これが日本の医療制度です。
解決策は、
1)開業医の診療報酬を大病院より大幅に下げること
2)特に慢性疾患の経過観察的な診察や、治療法が確立している診療については診療報酬の積み上げ型から安い定額性に替えること
3)オンラインの場合の処方箋料の患者負担を引き下げること
4)患者には対面診療にかかる費用を引き上げ、オンライン診療の方が安くなるようにすること。
これらを実施した上で別途、対面がどうしても必要な診察や、対面じゃなければ診療を受けられない患者を救済する手立てを整えることです。通院に難渋する患者も多いのですから、オンラインを組み合わせた訪問診療を手厚くするのが良いです。
高額の政治献金は欲しいし、弱者いじめというレッテル張りを(政局に)されることを恐れて、どの党も解決策を打ち出せません。古い既得権を守っているうちに日本国は衰退を続けます。
このような既得権があちらこちらに蔓延っていることが30年間も停滞している大きな理由の一つですが、新型コロナの蔓延によって余りに杜撰な医療界の金儲けシステムが曝け出されました。
もう10年以上に渡りシルバー民主主義の恐ろしさを書いていますが、解決するどころか、より深みにはまっているように見えます。
とは言え、今回の衆議院選挙では大きな良識を感じることが出来ました。単なるバラマキ策はダメ!都合の悪いことを放置する(説明放棄)のもダメ!口先だけの政治もダメ!・・・色々な力を感じました。
何となく追加投資を躊躇していましたが、総選挙を受けて少しだけ強気になりました。TOPIXで2,015という辺りは今下期以降の収益が多少ダレても特に割高ではない水準ですから、気にせず投資を継続しようと考えています。
(街のコンサルタント)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)