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対談:山本潤解体新書より 後編
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対談:山本潤解体新書より 後編

2021-11-13 01:02


     10月23日に開催された小屋洋一氏&山本潤氏の長期投資セミナー+対談より、対談の「運用哲学の形成」部分より抜粋したものです。興味深い対談の一端をお楽しみください。

     前編 ⇒ http://okuchika.net/?eid=10238


    [前略]

    小屋:
     先程のミヒャエルエンデの話をしますと、ああいうお話っていうのはさっきも言ったどちらかというとテクニック的な話じゃなくて、理想とか現実とか何か投資家としての心の持ちようというか考え方のお話だったかと思うんですけど、ああいったものはやっぱりそれも最近こう形成されてきてるのか。
     でも先程のお話だと、ミヒャエルエンデが好きだったのは学生時代だったみたいなお話もありましたんで、なにか投資家としてのあり方みたいなのは最近深く考えられるところなんですか。

    山本:
     これ完全にESGの方向性が打ち出されてからその考え方の方がいいだろうってことで合わせてる部分がある(笑。
     そうじゃないと、今せっかく方向性としてみんなが同じ方向を向いてやらなきゃいけないっていうときに、ひとりも取り残さないってのはもちろん、もう育ってきた環境だとかその小さいときの思いだとか、もともとそういうリベラルな素養が僕はあるんで、当然今のやり方のが心地いいんですよ。
     だけどそれをファンドマネージャーとしてやっていいかどうかは別問題。

    [中略]

    山本:
     そういうESGが出てきたことによって野党に展望が出てきてる。
     しかもそれが投資の幅を広げることにもつながるだろうし、自分を変えていくっていうそういう教養主義だとかサイエンスにも共通部分が出てきて、初めてファンドマネージャーがその社会的な意義を持つ、そういう仕事になってきてるっていうそういう何か転換点にあって、そこでミハイルエンデとか新渡戸稲造だとか、80年代の人とか明治時代の人がちょうど今の時代にぴったりフィットするようになってきてるんじゃないかなと思って。

     そういう意味では、格差を助長するようなそういう考え方では、もういけないというのは確かで、理想を語ることが株高にもつながることになっているというのは珍しい時代でしょう。
     自分の両親に対しても妹に対しても家族に対してもそうだけど、ファンドマネジャーっていう仕事を、社会的なコンテクストで語ることができるように、初めてなってきて。

     やる気にならないわけないよね。

     セゾン投信に移って、人生をかけて最後にやってみたいなというぐらいの気合いが入るようにやっとなってきた。
     今までは、こっそり儲けて成功報酬を取って、ヘッジファンドで、自分の家族養えればいいかなみたいな感じだったんだけども、ここに来て初めてESGとか出てきたおかげで自分の価値観と仕事がフィットしてきた。
     ということで、(セゾン投信社長の)中野さんもそうだと思うけど※、セゾンの動物的勘というのがあるでしょう。
     そのビジネスをやる上では何かそういう勘がみんな、あるんじゃないかなと。
     チャンスって思いますよね。

    小屋:
     僕もまったく似たような感覚なんでありますけど。でもどうなんですかね。
     それは業界的にファンドマネージャーと言ってもいいんですけど、その中ではまだ少数派なんですかね。それとも何か結構主流多数派になりつつあるんですかねそういう…。

    山本:
     いやだから僕はすごい何て言うかな残念に思っ。てるんですけど。
     例えば○○投資顧問が一生懸命「暴落する暴落する」って言ってるのはなんか非常に残念に思ってまして。暴落したから何なのって(笑

    [中略]

     直販でいい会社いっぱいあるけども、やっぱり目先のパフォーマンスといったものをすごく大事にされてて、そこをアクティブ運用のよりどころにしてるんですよ。
     上がる下がるを当てるってことが。
     でも結果として何が起こったかというと、究極の長期投資が残ったわけ。

     インデックスですよ。

     だからインデックス投信っていうのは絶対銘柄を入れ替えないわけ。
     もうずっと同じ銘柄でいくわけ。だから強い。
     アクティブ運用の人は目先を当てようとして、当たらないのに当たらないくせに当てようとしてるでしょ。だから○○なんです。だからお金が逃げていくわけ。
     でもそうじゃなくて、インデックス運用に勝てるアクティブ投資っていうのは何なんだってなったときに、インデックスと同じくらい長期で持たないといけないわけ本当は。
     だからそういう意味で、インデックス投資っていったものを「なぜ良いんだ」っていうことをアクティブの側が「ちゃんと」やらないといけないんだけど、そういうアクティブがないんだよ今。まったく。
     ちょこちょこやっているんだよ。いろんなことを(笑。
     ちょこちょこやるなともう(笑。

    小屋:(笑

    [中略]

    山本:
     どこまで尖れるかって今社内でやってるんですけど。いろいろ考えている。(あくまで個人的考えとしては)そこはでも尖らなきゃいけないわけですよ、アクティブでも。
     本当の意味でのプロフェッショナルで尖っている人が少ない。
     いいこと言っていても300銘柄分散投資じゃ勝てないでしょ。インデックスに。

     当たり前じゃないですか。
     当たり前のことを何でできないのってことですよ。

     だからそういうのは、批判に聞こえたら申し訳ないけど、アクティブをインデックスに負けさせた人たちだから彼らは。
     だからアクティブをインデックスで勝たせる人にならなきゃいけないわけ(笑
     だから勝たないと意味ない。
     自分自身はそういうふうに自分が勝たないと本当の意味でのインデックスファンドには勝てないとも思いますね(あくまで個人的考えとしては)。

    ※山本潤追記:
    「セゾン投信の中野さんは日本企業の企業統治を高度化することで日本の証券市場の発展に貢献したいという思いが強いので『エンゲージメントを通して企業に愛を注入したい』と考えているんです。」

    続きはこちら ⇒ https://twitcasting.tv/c:okuchika/shopcart/111883


    ■【編集済みアーカイブ配信中!】
     10/23土曜日開催の小屋洋一氏&山本潤氏の 長期投資セミナー+対談イベントが見られます!


     億の近道水曜日執筆者小屋洋一氏と、先日ダイヤモンド・フィナンシャルリサーチを卒業し、あらたな長期投資のあり方に挑戦する山本潤氏が出演!!

     長期投資の哲学を基本とした山本潤氏の基調講演「エンデから学ぶ長期投資の手法」のほか、対談では、「山本潤解体新書」として、彼の投資哲学の源泉から子育てまで、長期投資家山本潤氏を丸裸にしていきました。
     小屋洋一氏が腕をふるいます!

    ■小屋洋一氏より
    「幼少期からの育ち方・経験してきたこと・人生哲学・投資運用哲学・子育て方針など、僕が個人的に山本さんに聞きたい話を全部聞いてしまおうと思ってます。とても面白いと思いますので、ぜひご覧ください!」


    ●視聴料金
     アーカイブ視聴 3,000円(税込)

     アーカイブ視聴お申し込みはこちら
      ⇒ https://twitcasting.tv/c:okuchika/shopcart/111883

     ※ライブ配信したものの前後と休憩を編集しています。
      基調講演および対談の内容は編集しておりませんので、ライブ配信と同じです。

    ■主催:「億の近道」NPO法人イノベーターズフォーラム
     協力:株式会社マネーライフプランニング

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