日本は天然資源に乏しい国だとよく言われるが、それは一面正しく、一面は間違っている。
ロシア産の天然ガスが欧州の生命線だとされるが、日本には太平洋という無尽蔵ともいうべき資源の宝庫がある。
そこにはレアメタルやメタンハイドレード、海底マンガン団塊などが埋蔵されており、いざとなればそうした資源を有効活用することができるという点を改めて日本を見直すべきだ。
ただ海底資源は掘削等のコストがかかるので実用に至っていないのだろうが、比較する諸外国の天然資源価格の上昇が更に続けば採算に乗る時期もやってくる。
千葉県の房総半島南部はまさに天然資源の宝庫らしい。
インターネット上でも指摘されているようにここには可採埋蔵量約800年分の水溶性天然ガスが九十九里地域などの陸地に埋蔵されていて、日本の貴重な国産資源となっている。
この国産天然ガスは総延長600キロメートルというパイプラインで県内中央部に張めぐされていて、それを事業化しているK&Oエナジーグループ(1663・子会社に関東天然瓦斯開発、大多喜ガス)は年商600億円を超え経常利益は40億円を超える規模となっている。
同社はこの地球からの贈り物である天然ガスを消費者に供給するほか水溶性天然ガスに含まれるヨウ素の輸出を行う企業として有名でAGC(旧旭硝子)の子会社である伊勢化学(4107)とともに市場を2分している。
日本のヨウ素の生産量はチリに次ぐ大きさであり、世界の9割はこれら2か国で供給されている。特に千葉県は世界の4分の1のヨウ素を生産(かん水を原料に)している。医薬品(カビやウイルスなどへの殺菌効果あり)や先端技術分野(レーザー光線など)等でヨウ素の利用研究やその高付加価値化の研究が千葉大学などで進展中だそうだ。
このように小さな島国である日本に埋もれている資源は世界の大国に負けないものがある。何よりも日本には既に使われている電子機器が埋蔵している。これを都市鉱山と呼ぶようだが、これをリサイクルするだけでも価値が高まることになる。
リネットジャパン(3556・時価461円)はそうした都市鉱山をビジネスにしようとしている企業だが、同社は既に全国の地方自治体(現在全国1700余りのうち517自治体とパソコン等の宅配便リサイクルで協定しており、その協定自治体は今、急ピッチで拡大している。
もちろん日本には豊富な人的資源があることは言うまでもないがそれを更なる新技術開発につなげていくことが課題となっている点はまた改めて考えていきたい。
(炎)
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