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有料メルマガライブラリから(420)「地震復興の寄与企業で株価が下げすぎの株も投資対象に」

2022-03-26 11:50
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     有料メルマガ・石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」の過去配信ライブラリ「銘柄研究」「コラム」のうち、コラムの一部を掲載いたします。
     自立した投資家、石川臨太郎のコンテンツをお楽しみ下さい。
     なお、内容は執筆当時の背景に基づいており、現在の状況と必ずしも一致しないことを予めご了承下さい。


    =コラム「地震復興の寄与企業で株価が下げすぎの株も投資対象に」=
     (有料メルマガ第378回・2016/4/26配信号)

    ※2016年4月現在の内容です。留意してお読み下さい。


    【前略】


    ― 東日本大震災の復興が完了する前に、また熊本で大きな地震が発生してライフラインが痛手を受けました。すでに建機メーカーの株価などには大きく上昇しているものもありますが、日本ヒュームの株のように、まだリバウンド前の企業もたくさんあります。 ―


     すでに大型株では小松製作所、日立建機の株価が堅調にリバウンドをスタートしており、小型株でも竹内製作所の株価も大きく上昇しました。


    【中略】


     しかし、単純に考えるなら建機をこれから作っていたのでは二次災害の防止のためのインフラ補強や、ライフラインを維持するための崩壊した瓦礫の排除のためには間に合わず、すでに使える建機を保有している建機の専門商社や、建機レンタルを行っている企業の売上のほうが早く伸びるはずだと考えました。

     また、非常用電源装置の専門メーカーであるデンヨーのような企業の売上の増加も早いと予想しました。

     このような震災復興のために直ぐに必要な設備などを供給できる、建機専門商社やデンヨー、まだ株価が上昇していない建機メーカーなどの株価のチャートと直近の決算短信を載せておきます。


    【中略】


     これから3月本決算企業や、6月、9月、12月本決算企業の決算短信が発表されてきます。

     今回の熊本地震でもトヨタ自動車など震災による部品調達ができないことで、多くの日本国内工場で操業を一時的にですがストップしました。

     これから他の企業でもサプライチェーンが寸断されて業績を悪化させる企業が出てくる可能性も十分考慮しなければならないと考えています。


    【中略】[ライフラインの回復のために、一番早く仕事が増えていくと考えられる6つの企業と、建機関連の専門商社を3社挙げています]


     これからの企業の決算発表で2017年3月期の業績予想が前期比で大幅な減益予想が発表されたり、減益修正や減配の発表などがあれば、短期投資家の失望売りで再度日本株の株価が下落する可能性があることも考えておかなければならないでしょう。

     しかし、また短期的に株価が大きく下がれば震災復興に寄与する企業には投資する妙味が発生します。


     日本人が生きていくために必要なライフラインを回復するために寄与する企業の業績は確実に、かなりの長い期間にわたって押し上げられていくことは誰の目からみても間違いないことでしょう。このことは東日本大震災のあとの日本株の動きを経験していれば信じることができると私は考えています。


     ドル円相場も少し円安方向に戻してきています。ただどの銘柄に資金が入ってくるのかは誰にも分からないので、財務内容が良く、事業の内容も震災後のライフラインの回復のために、一番早く仕事が増えていくと考えられる6つの企業を今後の研究銘柄候補として取り上げました。


     熊本地震は震度の大きな地震が繰り返し起きていますが、東日本大震災のように津波によっていくつもの町が消滅してしまうような悲惨な状況や、福島第一原発の被災による放射能汚染で東京まで放射能に汚染される可能性があるというような未曽有の危機とは違って、救助活動なども東日本大震災よりは、ずっと手際よく進んでいるように感じられます。

     しかし、大きな余震が繰り返し起こっており、川の堤防が決壊したら、熊本地震でも、より大きな2次災害が発生してしまうかもしれません。

     私が住んでいるのは山陰地方ですが、地元で建機などを扱う商社に勤めている知人の話では、「東日本大震災の時には、山陰には新しい建機やトラックがまったく入ってこなくなった。今回も建機やトラックは一斉に熊本にシフトされる可能性が高いだろう」と聞きました。建機関連の企業に対する需要が強そうだと感じたこともあって、このコラムでは6社のうち、建機関連の専門商社を3社挙げました。


     私は『企業の内在的(本来の)価値』というのは『資産価値』と『事業価値』に分かれていると考えています。企業価値は『資産価値(=バランス・シートに見えている金融資産など)』と『事業価値(=将来稼ぎ続ける力=バランス・シートには見えていないもの)』の総合だと考えています。

     『資産価値』は、過去の事業活動の利益から、すでにバランス・シートに表示され、すべての投資家から見える形になっている現・預金や投資有価証券、不動産などのような資産ばかりではなく、製造ノウハウとか特許とか利益を生み出す源泉になっている目に見えない資産もたくさんあります。

     目に見える資産という限定された資産だけの価値を計算して、時価総額と比較して、時価総額の3倍も4倍も直ぐお金に変わる資産を持っているから割安だと判断しています。

     目に見えない資産は自分では金銭的に評価できないので資産価値としてはゼロ円で評価の対象外のおまけとして位置づけているわけです。ただし将来の収益を判断する『事業価値』のなかには見えない資産が含まれていると考えるようにしています。


     少し整理すると、過去の稼ぎを蓄積し、現・預金や投資有価証券、直ぐ買い手が付く含み益の大きな不動産など、世間から「お金」と同等視される資産をバランス・シートに目に見える形で蓄積している(=時価総額より多く蓄積している)企業は資産価値が高いと考えているということです。

     『事業価値』は『資産価値』のように簡単には推計できません。そこで過去の経常利益の額の平均を取って、それを5倍して『事業価値』として推計しています。この中に目に見えない資産の価値も含まれているという考え方で評価しています。

     しかし過去にいくら儲けていても、将来赤字続きではいずれ資産を食い潰すので、将来も儲け続ける収益力の源泉(=新しい製品を作り出せる研究開発力、儲かる製品を大量生産できる設備、特許、製造ノウハウ、優秀な経営者、社員などバランス・シートには見えていないもの)も大事だと考えています。


     また現・預金は金利が低すぎて、現・預金自体では収益をあまり生まないで10年たっても増えていないと考えており、いわゆる世間でバリュー投資家といわれる人々が評価しない製造設備も将来稼ぎ続ける収益力の源として重要だと認識しています。


     ただ株式市場で株価を決めるのは、『企業価値』ではなく投資家の総意です。『投資家の総意』というのは欲と恐怖に目がくらんだ感情的な衝動で動くものです。

     何度もこのコラムに書いてきましたが、『株式市場というのは人間の欲望を変数として機能している制度なので、わずかな入力の変化が劇的な出力の変化(=株価の変化)を生み出してしまう』ということです。

     だから株価は投資家の心理に大きく影響を受けてしまいます。つまり研究銘柄やコラム銘柄として取り上げているような、『企業価値』が『時価総額』よりずっと大きな企業に投資をしておけば絶対に損をしない(=事故に遭わない)ということではありません。

     どんなに時価総額に比べて『資産価値』だけでも3倍も4倍もあろうと、株価は投資家の投資行動でいくらでも安くなってしまうことがあるのです。


     冷静に考えればバランス・シートに載っている現・預金や投資有価証券や有価証券報告書に開示されている賃貸不動産の時価などの市場価値から判断し、時価総額が3分の一とか、4分の一になっている企業の株価が『企業の本源的な価値、内在的な価値』から見て割安だと判断することは誰にでも出来ることだと思います。

     今日の研究銘柄の日本ヒュームについても、時価総額の1.2倍の現金性資産を持っており、含み益の膨大な土地を保有しています。

     いま現在時点で、日本ヒュームの時価総額と同額のお金を使って日本ヒュームと同じだけ稼げるコピー企業を作ることは、絶対に不可能だということは誰が見ても明白な事実です。

     言葉を少し変えると、日本ヒュームの時価総額と同じお金では、日本ヒュームとバランス・シート(=表面的資産価値)がまったく同じコピー企業を作ることは明白に不可能だと分かります。


     ただ株価をコントロールして決めるのは「市場に参加している欲と恐怖に目が眩んだために小学生並みの判断力さえ失っているような、おかしな投資家の総意」なので、株価が企業の『資産価値』から比べて安いままで、更に安くなる可能性も大いにあります。


     本日の研究銘柄もコラム銘柄も、日本株に投資したいという意欲が出てきたときの投資判断の一つにしていただければと考えて選択した企業群です。


    経済的独立ワクワク!サポーター 石川臨太郎


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