ご存知のようにIPOというのは初めて株式を公開することです。
 企業が発展しプライベートカンパニーから、より公的な存在に変わる時に訪れる選択肢の一つが株式公開になります。

 日本経済の発展は多くの企業が売上、利益を成長させながら成し遂げられており、その一里塚としてIPOが存在し、成長資金を手に入れた企業の更なる発展が日本国の経済成長にもつながっている大事な制度と言えます。

 投資家の皆さんはIPO企業が何らかの形で成長を続けることを期待しリスクマネーを投じることになるのですが、すべての既存の上場企業がIPOを経て今日に至っていることをまず理解しないとなりません。
 IPO時に小さな企業だったのに振り返ってみれば今や世界的企業になっている事例は数多くあり、日本の産業構造の変化により、企業の取り組み方いかんで売上や利益が大きく成長していく可能性もあり、IPO後の成長に経営者や投資家は期待をしながら業績推移を見守ることになるのです。

 ですからIPO後は企業業績と株価が連動しながら継続的な利益拡大期待が高いとなればプレミアムをつけて評価する投資家が出てきます。
 市場平均のPERが14倍前後の場合では成長性が高いと見なされる企業であれば20倍とか30倍とか評価されることになります。時には先行投資による赤字企業にも高い評価がなされることになります。

 この場合は売上が先行して伸びるといった特徴がある訳です。
 米国で見られる多くの成長株はそうした利益成長を背景に評価がなされテスラ株のように既存の自動車メーカーを大きく上回る評価がなされている訳です。


 さてそうした企業の成長への登龍門であるIPO市場ですが、日本では年間100社前後の企業が証券会社の引受部門や東証の厳格な様々な審査を経て上場に至ります。昨年は125社も一気にIPOし、12月は特にやや混乱を生じたとの印象があります。
 今年も既に17銘柄が上場しており、初値が公開価格を下回った銘柄が5銘柄も登場しております。ただ初値が安いとその後の株価は大きく上昇する銘柄も見られます。要するにIPO銘柄をIPO前に抽選で当たっても必ずしも儲かるとは断言できない状況となっています。
 本来はこの方が健全だとも言えるのかも知れません。

 初値をつけてから高値か安値に向かいますが、長期に上昇する訳にはいかず、その後は大きく調整する銘柄が多い状況が見られます。


 ここでは冷静に粛々とIPO銘柄を研究してみてはいかがでしょうか。
 IPOに至った銘柄の内容をじっくり研究しながらこれだと思えた銘柄にリスクテイクして運用成果を高めて頂ければ幸いです。


(炎)


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