株価は何らかの理由で上がったり下がったりの繰り返し。
株価が下落してくる局面ではどこまで下がるのかに関心が集まり、上がってくるとどこまで上がるのかに関心が寄せられる。
今年のNYダウは6月に3万ドル台を割れてこれまでのところは安値は2万9653ドルとなる。一方で高値は1月につけた3万6952ドル。中間値は3万3302ドルとなるが、時価はその中間値よりも少し高い3万3706ドルに位置している。ここから9.6%の上昇で高値になるという水準である。
またNASDAQについては昨年11月の高値16212ポイントまで時価12705ポイントから27.6%の位置にあることになる。
一方でこのところ強い動きを見せている日経平均は本日現在の2万8794.50円で昨年9月高値3万795円まで6.9%の位置にある。つまりNYダウより日経平均の高値更新の方が早そうだ。
同様にTOPIXも時価1992.59は昨年9月の高値2120.18まで6.4%に位置しており、既に高値更新に向け動いていることが感じられる。
これらの指数に対してマザーズ指数に代表される中小型株指数は時価が733ポイントに留まっており一昨年の高値1368ポイントまで約87%の上昇が必要。
どういう方向性で資金が流れるのかはまだ明確には読み取れないが今までのところでは中小型銘柄、ベンチャー型銘柄を避けて主力銘柄に資金は向かっている一方で、長期的に見て売られ過ぎた銘柄にも投資資金が水面下では向かいつつあるものと筆者は考えている。
指数もさることながら高値から調整を入れて出直ってきた個別銘柄もそうした高値までの位置付けで更新への期待が高まっている銘柄もあるだろう。そうした銘柄への投資で高いリターンが得られるかはともかく、そうした発想を持つと短期中期の投資対象の銘柄選定には役立つのかも知れません。
例えば中古車オークション会社のオークネット(3964)の株価は昨年11月5日に高値2574円をつけたが、その後、1月に1403円まで売られてしまった。四半期決算だけの動きを見て投資した多くの投資家が第3四半期の業績だけを見て投げてきたのがその背景ににありそうだが、同社の業績は四半期の中では1Qが一番良くてその後は1Qに比べダウンするというパターンを過去描いてきたので3Qや4Qの業績だけで評価すべきではないと言える。
一部の有力な投資家はやや誤解をして投げる行動に出たようです。
これに対して賢明な投資家はこの投げを拾った・・・。
これが過去の株価変動の背景で、その後の株価は堅調に推移。昨年高値2574円に対して2450円の高値まで戻ってきた格好。その戻り高値以降は今期の1Q、2Q決算の好調さ、通期業績の上方修正から一気に高値更新かと思われたが、その際に発表されたオーナー保有の株式150万株を1774円で自己株買いするとの発表でなぜか2050円まで売られてしまった。
またしても一部投資家に誤解を生じさせたのではないだろうか。
今期の経常利益は67億円と前期実績の61億円を上回る見通し。その結果、配当金も47円に増配予定でしかも自己株買い分の消却も実行する予定でEPSはそれまでの145円を155円に上方修正した上で更に消却後には164円とし配当金も50円に増配するとの見通し。
株価は昨年11月に急落したトラウマから高値警戒感もあり、頭重いようだが、少なくとも時価2217円水準は昨年高値2574円まで16%下の位置にあって、更新可能な水準にある。
強い銘柄とは反対に安値圏でなおも下値不安のある銘柄も数多く見出せる。
例えば調剤薬局を全国展開するメディカルシステムネットワーク(4350)は昨年4月の高値944円から本年6月に390円まで59%の調整を見せた。その後一旦は450円台まで戻ったが、1Q決算の進捗が悪いと受け取られ再び発表後に405円の安値まで売られた。安値まで3.7%の位置となり、底割れが懸念されたのですが、先週は433円まで戻り2番底形成のパターンとなってきた。
こうした安値圏の銘柄もあれば高値圏の銘柄もあり、それぞれに株価の位置を見てその後の投資判断を下すことになるだろう。
皆さんもお持ちの銘柄の株価水準を一度チェックされてみてはいかがでしょうか。
(炎)
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