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メルマガで3年ほど発信してきました、お金について「考える」の対談記事今後内容をリニューアルしていきますので、今回、次回はそのことについてお伝えします。
2019年12月から13人のゲストの方々とさまざまな角度から「お金」について語ってきた「考える」のコーナー。
小屋さんがホスト役を務め、各界で活躍する専門家をゲストに迎える形で、金融工学やロボアドの登場とともに変化する金融サービス、誰もが悩む資産運用に対する考え方、小屋さんを含めたFPの活用の仕方、「そもそもお金や紙幣になぜ価値があるの?」という原点に迫っていく歴史回など、幅広いテーマを扱ってきました。
そんな「考える」のコーナーは、次回から新たな形にリニューアルされます。
そこで今回は、小屋さんにこれまでの対談を振り返ってもらいつつ、次なるメインテーマである「幸せなお金の使い方」についてインタビューしました。
●投資とは、将来の自分にお金を渡すこと
-「考える」のコーナーでは約2年半の間、金融サービス、運用、長期投資、退職後の資産活用、FPの活用の仕方、お金や紙幣そのものの歴史など、幅広いテーマを扱っています。改めて各回を通じて、小屋さんが大切にしていたポイントを教えてください。
「考える」のコーナーでは、読んでくださった人たちが「お金ってなんだっけ?」と考えるきっかけを作っていきたいと考えていました。
たとえば、金融工学を専門とされている枇々木規雄さん、金融史の研究者である鎮目雅人さん、経済思想史の研究者である牧野邦昭さんとの対談は、お金や運用についてさまざまな角度から話すことができましたよね。
毎回、ゲストの皆さんの専門分野に応じてテーマはさまざまでしたが、「お金についてこんな見方もできるんだ」というヒントを伝えられたのでは……と思っています。
-「お金」そのものについて考えさせられる回もある一方で、山本潤さん、山崎元さん、野尻哲史さんたちとの対談では、資産運用に関する具体的な取り組み方も大きなテーマとなっていました。
そうですね。資産活用については「お金を増やすことの大切さ」にプラスして、一人ひとりのライフプランとのかかわりについても掘り下げることができたと感じています。
たとえば、長期投資に関しては何度も取り上げましたが、運用に関してお伝えしたかった重要なポイントは次の2つです。
1)投資とは、将来の自分にお金を渡すこと
2)うまくいく人は、運用成績を見ない
1)の「投資とは、将来の自分にお金を渡すこと」は、資産運用の根本となる考え方です。一般の人の株式投資のイメージは、『上がりそうな株を買い、売って利益を得る』というもの。でも、それは本当の意味での「投資」ではありません。現役時代の自分から、将来の自分にお金を渡してあげる作業なんだと納得できると、20年後、30年後を見据えてしっかりとしたポートフォリオを組むことができます。
2)の「うまくいく人は、運用成績を見ない」は、時間軸の話です。うまくいく人は、運用を始めたら短期的な上がる、下がるに執着しません。それはある程度の資産があるからではなく、投資を20年後、30年後の長い時間軸で考えているからです。運用のお金は、リアルな生活のお金とは別物。そういう切り分けができる人、「5%上がった」「10%下がった」と一喜一憂する執着心がない人の方が、うまくいきます。
この2つのポイントをクリアできれば、世界経済の成長とともに運用している個人の資産も増えていくというストーリーに乗っていくことができるわけです。
●俯瞰的に、長期で自分のマネーライフプランを考えるきっかけに
-長期で考えるための準備として、マネーライフプランをつくるのが大切というお話もありました。
長期投資が有効なのは、世界経済の成長とともに個人の資産も増えていくからです。ただ、一人ひとりの人生はさまざまです。そんな一人ひとりの人生に合わせた資産運用の土台となるのが、「マネーライフプラン」です。このマネーライフプランは「マネープラン」と「ライフプラン」とに分けて考えられます。
ライフプラン作りは、10年後、20年後の自分と家族の姿を想像していく作業です。たとえば、自分たち夫婦に子どもが生まれる日、その子が小学校、中学校、高校、大学と進学し、やがて社会人になる日、自分たちがリタイアする日……。そして、それぞれのライフイベントにどれくらいのお金がかかるかを考えていくのがマネープラン作りです。
こうしてマネーとライフを組み合わせたマネーライフプランを作成すると、結果的に長期的な視点を持つことができ、自分の人生を俯瞰することができるのです。30代、40代の毎日は忙しく、なかなか俯瞰的に長期で自分の人生を考えるきっかけがありません。
対談ではFPの使い方をテーマにした回もありましたが、専門家に相談するメリットの1つは10年後、20年後の自分の人生が具体的なイメージになる点です。
すると、資産運用についても「長期でお金を増やしていく」「将来の自分にお金を渡す」という考え方ができるようになります。
-占部伸一郎さんとの対談では、「人的資本」というキーワードも出ました。
そうですね。「人的資本」は、その人が労働によって将来にわたって生み出すことのできる収入の期待値のこと。一般の人は「投資」と聞くと、すぐに「お金」をイメージしがちですが、マネーライフプランをつくり、長期的な視点で人生を見ると人的資本の重要性に気づきます。
たとえば、25歳で年収350万円の会社員の方がいたとして、10年間で能力に磨きをかけ、35歳で年収700万円の会社に転職したとしましょう。
定年退職まで25年とした場合、人的資本はざっくり、700万円×25年=1億7500万円、もし350万円のままならば8750万円で1億円近い収入の差が生じます。
ですから、若いうちはお金を運用するよりも、自己投資をして投資して自分の人的資本を高めるためにお金を使うのも効率的。それが結果的に将来の自分により多くのお金を渡すことにつながるからです。
-長期投資の重要性を伝えつつ、それでも日本人はなかなか運用を始めないという問題も大きなテーマでした。
結局、日本人が投資に抵抗感を持ち続けているのは、バブル崩壊後、長らく運用環境が良くなかったからです。このあたりは、柴山和久さん、竹川美奈子さん、吉野直行さんとの対談でも話しましたが、単純に資産が増えた経験をしている人の数が少ないことと関係しています。
ただ、その間も日本以外の主要国は経済成長を続けていて、海外の運用環境で長期投資をしていた人は成長を実感しています。つまり、運用環境や運用の仕方次第で実績も印象も大きく変わるわけです。
だからと言って、誰もが株式投資のことを深く学んで、運用していく必要はありません。よほどマニアックな人でなければ、日々の株価を気にしながら運用するのは大きなストレスですから。
「将来の自分にお金を渡す」と決めたうえで、僕たちのような専門家をうまく使ってポートフォリオを組んでいけば、ストレスなく長期投資を行うことができます。結果、将来に向けたお金の不安を解決することができるはずです。
そのために役立つ情報や心構えについては、これまでの「考える」のコーナーで十分に伝えることができたと思います。
●お金と時間を社会に送る使い方が、一人ひとりの幸せにつながっていく?
-「考える」は次回以降リニューアルします。今後はどのようなテーマを取り扱っていきますか?
「幸せなお金の使い方」について取り上げていきたいと思っています。
これまでも糀屋総一朗さんや新井和宏さん、クライアントでもある木村政俊さんとの対談でも触れてきたテーマですが、より広く、深く、さまざまな角度から考えていきます。
というのも、僕たちはこれまでクライアントさんに株やファンド、不動産などによる資産運用をアドバイスしながら、マネーライフプランを提案してきました。
一人ひとりのクライアントさんはある程度、豊かな資産を築いていますが、どこか満たされない感覚もお持ちです。実際、ノーベル経済学賞受賞者の心理学者ダニエル・カーネマンと経済学者アンガス・ディートンが2010年に発表した論文では、お金と幸福度に関して次の2つの点が指摘されています。
・暮らしについての自己評価には収入による影響があり、裕福な人ほど自分の暮らしについて前向きに考えている
・しかし、感情面での健全性は収入とともに上がったものの、年収7万5000ドル(約790万円)を境に、それ以上増えても幸福度は上がらなかった(7万5000ドルはインフレを考慮すると現在の9万ドル(約950万円))
収入や資産と幸福度の関係についての研究はその後も行われていて、金額こそ変動するものの、一定の豊かさを手にすると、それ以上、収入や資産が増えても幸福度は上昇しないことがわかっています。
そんななか、投資を含め、どういうお金の使い方をすることが人生の幸せにつながっていくのか。そんなことをクライアントさんと話し、考える機会が増えているんです。
【後編に続く】
株式会社マネーライフプランニング
代表取締役 小屋 洋一
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)
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