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企業の発展を考える
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企業の発展を考える

2022-08-31 15:46



    ~タカショーの事業拡大はこれからが本番~

     およそ3800もの上場企業に投資家の目線は日々注がれていますが、皆さんのご関心ある企業はどのような企業でしょうか。

     株式投資に関心を持っておられる投資家の多くは株価の変動が関心の的になっているようですが、その株価の変動、とりわけ上昇に至る過程ではアナリストなどが俗に言うトップライン(売上高のこと)が伸びて、それにつれて利益も追随して伸びていくことに拠り所を求めます。

     いわゆる業績ですね。
     企業は予め決まっている一定期間の決算を終えると公表します。
     現在は四半期ごとに決算が発表され投資家はその出てきたデータに振り回されることになります。
     中長期スタンスの投資家はともかく短期投資家はその出てきた四半期業績を見て減益なら売り、増益なら買うといった行動に出てしまいます。それが期待外れの結果なら一斉に売りが出てそれまでの変動レンジを底に抜けるといったことも起きてしまいます。


     先週発表されたタカショー(7590)についてもそうした四半期決算が減益となったことを見て発表翌日にまとまった売りが出てきました。投資家の皆さんには減益なら売りとの判断が働く訳なので短期的には致し方ないですね。

     タカショーは和歌山県海南市に拠点を置く世界的なガーデニング製品のサプライヤーとして発展途上の企業だというのは皆さんご存知かと思います。現社長の高岡さんは創業オーナーで創業からずっと長きにわたり同社の成長をリードしてきた情熱社長。NHKで先週末に放送された「突撃カネオくん」というややおちゃらけなタイトルの番組に登場されていました。


     それはさておき、決算発表の翌日にIR会社フィナンテックで行われた2Qのオンライン決算説明会では、創業オーナーの見事なまでの戦略が示されていました。
     その中で気になった点は米国のガーデニング市場が巣籠り需要が峠を超えて、落ち込んだ点とそのリカバリーに向けた施策でした。

     ビジネスで売上を伸ばしていくのはその会社の製品を使ってくれるユーザー、ガーデニング製品の場合は一般消費者となりますが、そこに至るまでの施策が的確に示され、年後半のリカバリーに対して自信をもって臨んでいるとの感触を受けた次第です。
     一般消費者はその製品をどうやって手にするのかというとそれを取り扱う小売り店で入手することになるかEコマースでの入手かになります。また消費者向けだけではなく同社はプロの職人さん向けにもプロユースとして提供しているのですが、こちらは国内中心ながら需要は堅調に伸びているとの話で2Qも7.2%伸びたとしている一方で海外が上記の通り、巣籠り特需で急激に伸びた反動で40%余りの減少になったことが今回の業績ダウンの背景になっている訳ですが、その海外、とりわけ米国では15兆円の売上のホームデポや5000店舗を運営するエースハートウェアなどとの口座開設が終わり、今後製品が動き出すとの話もありました。
     Eコマース(米国Eコマース大手企業との登録を終える)も含めて今下期以降の回復を見込む同社の成長はむしろこれからが本格化すると大いに期待されます。

     せっかく巨大チェーンとの取引がスタートするとしても製品が提供できないと話にならないが、同社は中国に工場を設けてモノづくりの体制を整えている点が強み(細かく気にする投資家であれば中国の四川省で起きているような電力がストップすることはないかと聞かれそうですが今回はそんなことはないとの前提です)。
     米中の貿易摩擦はともかく為替の変動や原価高もリスク要因だと同社も十分に認識しています。
     為替について現状は予約済みで大丈夫。原材料価格の上昇は毎年の新カタログに投入する消費者に受け入れてもらえる新製品投入などの施策がポイントとなります。

     これらは今後のリスク要因にはなる可能性はありますが、むしろこうした米国のビッグな小売りチェーン、ビッグ企業とつながった同社の位置づけに注目すべきではないかと思われます。

     会社設立から42年。創業者の思いが伝わる説明会の中身だったことを付け加えておきたいと思います。


     企業の成長が株価に反映される。
     この点をしっかりと考えて頂きながら皆様の株式運用のヒントにして頂ければ幸いです。


    (炎)


    (情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)


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