何気なく四季報をめくっていたらフルッタフルッタ(2586)株が目に入った。アマゾンフルーツとして有名なアサイーで有名な企業だが、上場したのは2014年12月。今からおよそ8年前にIPOした企業だ。
IPO前の2015年3月期の業績は売上33.4億円、
経常利益3.49億円の業績を計上。
確か日本では出始めだったアサイーがブームになっていた時期だったかと思われる。
その上場後から業績は一気に悪化し2019年3月期は売上高12.2億円、経常利益は7.79億円の大幅赤字となり、その後も赤字から脱却できていない。2020年には2500株(発行価格19.3万円、4.8億円)の優先株を発行し棄損した自己資本の充実を図りながらコロナ禍を乗り切ろうと懸命。結果としては現在の株価は83円で低迷状態ながら、健康志向の潮流の中で復活に向け頑張っている姿を見ながら投資家が株価を下支えしている。
時価総額は現在発行済み株式数3060万株で25億円。
赤字経営が2016年3月期以来7期連続、今期で8期目に突入しそうな同社の時価総額が25億円で市場内で活発に取引されていることを目のあたりにしている投資家は、それならこっちの赤字会社の方が良いとか見比べて他社の評価をするに至るものだから、このところ業績が赤字やまだ低水準の銘柄にも一過性にせよ株価が元気なものが増えてきたように思われる。
市場の一部ではフルッタ×2効果と称している投資家もいるぐらいだ。
つぶれない限りは上場企業として投資家に支えられながら経営を継続していくことができる。
こうした上場後一度も浮上しないゾンビ状態の銘柄はまだ市場には多数存在し復活に向けた事業活動を水面下では実行しているものと推察されるが、しっかり黒字経営をしていても時価総額が10億円台に低迷しているような株式を保有されている投資家にとってはこの銘柄の存在は勇気と希望を抱かせてくれる。
市場では三ツ星(5820・時価5220円)やナガホリ(8139・993円)、マツモト(7901・時価13340円)、光・彩(7878・時価9940円)など華やかな上昇トレンドを描いてきた銘柄を担いできた投資家層もある。
本日も30日に業績上方修正を発表したトミタ電機(6898)が人気を集めストップ高を演じるなどとっかえひっかえの活躍銘柄の登場が見られる。
皆さんもこうした銘柄で短期売買を楽しんでおられるのかも知れません。
これはこの相場の特徴でもあり、この華やかさの背景にあるファンダメンタルズ以外の需給面の要素がなせる業なのかと思われます。
全体相場の調整が続く中での中小型の個別株物色は元気でチャレンジングな個人投資家がリスクマネーを投じた結果かと思われます。
この後も循環物色が続くとなるとまだほとんど動いていなかった銘柄への突然の変動があちらこちらで見出せることになりそうです。
今後は過去3年タームのIPO銘柄に中で株価が低迷した状態の銘柄にも関心が寄せられます。また時価総額が10億円前後の好需給銘柄にも次第に物色気運が盛り上がる可能性がありそうです。
(炎)
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