初めに。
先月のNHK番組で母子家庭の貧困がテーマに挙げられ、物価高によって満足な食事すら出来ない様子が報道されていました。が・・・、大変だ、可哀想だ、という報道ばかりしていても余り意味が無いと感じた次第です。
苦しい家庭の状況を報道するだけで一つの解決策も提示しない公共放送では存在意義がありません。苦しい家庭には政府が責任を持って支援をすれば良いはずで、そのためのセーフティーネット(仕組み)を作ってこなかった政治にこそ責任があることを様々な観点から報道・提案すべきです。
2000年にデジタル国家を標榜したはずなのに、20年以上経てもマイナカードの有効利用さえ遅々として進みません。レセプトなど医療情報の電子化や、納税や所得の把握が容易なデジタル化によって都合が悪くなる(=儲けが減る)人達が抵抗勢力になっていることも進まない理由の一つなのでしょう。
まずは政治団体の収支をデジタル化して全額開示を義務付ければ行政予算の無駄遣いなど一気に解消される可能性が高いと思うのですけどね(笑)。
オリンピックや外苑周辺の再開発を利用して金をばら撒き、政治献金を増やそうなどと邪なことばかり考えているから必要な立法が遅れます。
物価が上がっても対処できるよう賃上げに繋がるための規制緩和や構造改革をしてきていれば多少の物価高など問題にならなかったはずですが、政治家(ゴキブリ)や役所OB(シロアリ)が既得権を守るために庶民の生活を犠牲
にしてきた30年です。
最近も、メトロに天下った大型シロアリが民間企業に余計な介入をした挙句に辞任すると言う呆れた報道もありました。この大物シロアリも頑張って次官まで上り詰め、民間トップに天下りしたものの驕りによって晩節を汚しました。
さて・・・、ここ数年来、気になっているのは富裕層の動向です。
コロナ禍が落ち着いてからは特に、様々な場面で単価の高い富裕層向けビジネスが伸びています。不動産業界の例でも、続々とサービス付き高齢者住宅に参入が相次いでいる状況で、単価もうなぎ登りです。有名な病院と提携しているなどの売り文句で付加価値を付けていますが、何とも資本主義のエゲツ無さを感じます。
余談ですが、「古い時計など貴金属を高く買います!」といった(高齢者向け?)広告がやたらと増えました。毎日のように新聞にチラシが織り込まれ、またポスティングされてきますが、業界の方に聞いたところ、詳しくない消費者から貴金属や骨董品を安く買い取る手法が主流で、買い取れれば確実に儲かるビジネスとの事です。
競合が増えたためか?先日は高額品買取り販売の上場企業の四半期決算が減益となりストップ安しました。
富裕層ビジネスと言えば、まずは高齢者なのでしょう。
銀行に預けても僅かな利息しか付かないため多額の現金を自宅に保管している方も多いようですが気をつけねばいけません。高齢者からお金をふんだくるビジネスが合法、非合法を問わず目白押しの様相です(汗)。
EBだ、外貨建て商品だと、ボッタくり金融商品を売りつける金融機関も似ようなもので、EBを売りにくくなったので今度は外貨建て保険に邁進しているようです。
乗合販売会社(保険や証券の仲介業者)も高い手数料を得られる金融商品に前のめりで、何かと言えば手数料が大きい外貨建て保険を勧めるようになっています。
そもそも保険は投資商品ではありませんし、外貨建て保険もEBと同様に高い手数料を得るために設計された組み合わせ商品に過ぎません。投資や節税だと言いつつ、内包された手数料の説明など無いままに販売されています。
先週水曜日の小屋さんのコラムを読みましたが、良いお金の使い方だなぁ~と感じた次第です。⇒ http://okuchika.net/?eid=11269
運用に詳しくない方は金融機関に余計なお金を払う前に(騙される前に)、まずは小屋さんの会社ように金融機関からのキックバック無しに運営されているFPに相談されるのが安全です。
1980年代後半からの幾度かのバブルを経て、且つ長い超低金利期間を経ることで、統計を見る限り日本でも本格的な格差社会が到来しつつあるようです。日本でも特にこの20年程の間に富裕層の資産額は膨張し続けています。
格差拡大が資本主義の本質とは言え、日銀も政府もそろそろ資産インフレへの対処方法を考えねばいけない時期に来ていると感じます。今のままでは富裕層の資産が膨らみ続ける一方、持たざる者(特に若者)は永遠に資産を持てなくなります。つまり持たざる者はインフレに対する防御手段を得られぬまま、格差拡大に手が付けられなくなってしまう将来を予感させられます。
今後は日本でも富裕層の動向は様々な場面で外せない視点になるはずであり、金融市場でも富裕層の資金が大きな影響力を持ちつつあります。筆者の印象ですが、超低金利が続く日本では投資資金が膨らみ易くなっており、株式市場も簡単には崩れにくくなってきているのではないかと感じる昨今です。
(街のコンサルタント)
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