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拡大NISAが来年から始まるということで何か有望な銘柄はないかとのある有名雑誌からの質問に回答させて頂きました。
定番はトヨタやNTT、JTなどですが、これよりも小ぶりな読者受けしそうな銘柄も挙げてみました。その筆頭は日本テレビホールディングス(9404)ですが、同社は市場ではオワコンのメディア会社として低評価されて株価が長期に低迷。本年1月には1003円という安値をつけました。
現在は1370円台ですので安値からは3割程度の上昇となっておりますが各指標を見ると予想PERが9.6倍、実績PBRが0.42倍、配当利回りが2.7%の水準ですので低評価に留まっております。
今期一応増益を見込んではおりますが、1Qは営業減益となり、まだ不安感が残っているためと推察されます。
バランスシートでは1Q末現在、現預金と短期有価証券合わせて921億円を保有。これに投資有価証券を5117億円、土地を1749億円保有しており、まさにバリュー株として位置付けられます。
これに対して時価総額は3500億円程度に留まっており、金融資産、不動産総額7700億円余りの半分以下となっております。
こうした状況は他の在京4局もほぼ同様です。
なぜ、このような評価なのかは勿論、基本的にはテレビ画面を通じてコンテンツ配信する広告収入を得るテレビビジネスが成熟ビジネスであるためと言え、ネット時代に入り、多くの投資家がその烙印を押してしまったことが株価の低迷に繋がっています。
また保有する現預金は有事に備えて放送事業者としては運転資金の3年分は用意しておく必要があります。不動産は汐留なとの一等地に保有しておりますが、事業継続のためには簡単に手放す訳にはいきません。
問題は5100億円余りの投資有価証券ですが、かなりの部分は政策投資で保有していて相手先との持ち合いがかなりあると見られ、これも多くは手放すことはないとしても、今後少しずつ売却なども想定されます。つまり同社はこれまで本業で得たキャッシュをスポンサー企業の株式を購入したり、既存事業関係の設備投資や異業種のM&Aに振り向けてきたという歴史がある訳です。
有価証券投資の視点で言うなら投信運用会社の位置付けにあって現在の時価総額は投資有価証券資産の3割も低く評価されていることになります。
放送事業を営む投資信託会社と考えれば同社への評価も違ったものとなるかと思われます。皆さんはどうお感じでしょうか?
(炎)
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