ここ数日、都営地下鉄にて少々嫌な思いをしました。PASMOの不具合?か何かで改札を通り抜けた際の記録が抜け落ち、連続して乗り換えに支障が出たと きのこと。東銀座駅の駅事務所での処理では、奥で雑談をしていた駅員の一人がとても面倒臭そうに出てきて、しかも客側が悪いとでも言いたげなぞんざいな応 対をされ辟易しました。もちろん時として不遜な乗客は居るのでしょうが大半は善良な乗客です。自動改札の導入から時間が経ち、その当たり前に馴れてしま い、機械の不具合で迷惑をかけていると考える余裕も、そしてまた若い駅員を教育する余裕すらも無くなってしまったのでしょうか。
数年前からか?…「自分さえ良ければ?」と感じる場面に出くわすことが増えたと感じていますが、身勝手な思想がアチコチにまん延しているようです。この日本を覆う閉塞感と言うべきか…。老若男女を問わず随分とギスギスしてきたなと感じるのは小職だけではないと思います。
余談ですが視点を替えて…。これは日本人だけに問題がある訳ではないようです。先日は2人分の優先席を厚かましく占有し携帯をいじくっている、Tシャツ 姿でスポーツ刈り、買ったばかりの家電製品の包みを持った30代とみられる男性がいたのですが、中国語でメールしていました。ルールがあってモラルの無い 国から来た人達も、この「自分さえ良ければ」という思想を増幅している理由の一つかと感じた次第です(苦笑)。
国家間の交流が進めば進むほどに様々な思想が入り込んできます。いつまでも昔のように上品な西洋人だけが外人として認識される時代は終わりました。自分の身を自分で守るためにも、人に頼らず自身で考え行動する癖を日本人は強化しなくてはいけません。
ところで、5月下旬から先週までは波乱万丈の株式市場でしたネ。
約3週間で16,000円手前から12,500円まで20%以上の下げとなり、昨年の解散総選挙表明時(11月15日終値)の8,829.72円からの 値上がり分のほぼ半分が、そして丁度日銀による「異次元緩和表明」からの値上がり相当分が帳消しになりました。この4月から勢いの付いた物凄い上げ方は、 今から振り返れば、やはり投機的資金によるものが大きかったと考えられます。ここ何年も見たことの無い「何でも買われる」相場環境でしたから。
5月下旬の下落局面では、あちこちのエコノミストやらストラテジストと言われる方々が「下値目処は14,000円」と言い、件の株式営業部長氏も、 「13,680円でボトムを打ったが、6月14日のSQまでは日柄調整が掛かる」などとアッサリと言いのけていらっしゃったほどで、そんな断定的な会話が 出てくる異様な雰囲気が気になりました故、まずは「出遅れた方も急ぐことは無く、相場が落ち着いてから」と書いてみた次第です。案の定そこからもう一段下 げ、聞いた話では6月に入ってからは連日追証への対応で証券各社は大変だったとのことです。ただ、信用ポジションの整理が相当進んだことから、13日 (木)の下げでは追証発生は少なかったと聞いています。
この4月以降では、まさかの業績不振企業まで買い上げられ、しかも投機ファンドがファンダメンタルズ無視でインデックスの相場操縦をしているかの状況ですから、我々一般の投資家は余程注意しなければ巻き込まれます。
20年以上も昔の話。1980年代後半から1990年を挟んだ頃には様々な仕手株情報が乱舞していました。K銘柄だT銘柄だと噂が飛び交い、あれよあれ よと言う間に5倍10倍となる銘柄が出てきて、「買収提案だ、買取り要求だ!」と、元気と言うか、まあ良き時代でした(笑)。そんな情報が少ない時代に も、違法な株価操作が秘密裏に行われていたものもありました。ピケンズだのグリーンメーラーだのといった単語が懐かしく感じられます。
翻って現在。投機資金の規模も性格も当時とは比較にならず、またIT技術の格段の進歩により、それこそ個別銘柄では無くインデックスが価格操縦の対象と なっています。全体が低迷するにもかかわらずインデックスばかりが上げてみたり、良く見るとインデックスに影響のある銘柄だけが激しく売買され、そして裁 定取引を巻き込むことで大規模に相場の動きを加速させるなどしています。
相場操縦自体は違反行為なのですが、インデックスが対象の場合にはそれらを取り締まるノウハウも乏しく、法律も整備されておりません。私から見れば、プ ログラム売買においては「見せ玉」や「関与率」「買い上がり、売り崩し」とも取れる売買が多数散見されますので、詳しく調べれば「相場操縦的行為」(法 159条)であり、これは法令違反じゃなかろうか?と感じるのですが…、如何でしょうか。
プログラム売買が盛んになればなるほどファンダメンタルズに関係なく、機械的な売買がオーソドックスな投資家を駆逐し、想定外の乱高下を招いてしまっている現状です。
そんな中にあって、不穏な動きがあっても旧態依然とした組織態勢のまま、2年毎の定期異動を繰り返すような組織では現場の実態を見るノウハウも育たず、 かと言って実務能力を持つ責任者が居る訳でも無く、且つ無責任体質の日本の金融当局ではとても監視できる市場ではありません。せいぜい問題が発生してから 慌ててどこかの事業者に責任を転嫁(生贄に)しつつ、詳細なレポートを出させるくらいが関の山です。現場を知らない役人に任せておく限り何の解決にもなり ません(苦笑)。
このような市場整備も不十分なままに、国(政府、日銀)が率先して資産バブルを起こそうとしている訳ですから、悪乗りする業者も多数現れます。いよいよ自分自身で勉強し研究して投資しなければならない時代になりました。
個人的には資産バブルが始まったばかりと感じていますので、今回の株式市場の大幅な上昇と下落は久しぶりの投資機会の開始の合図であり、また円ドルで100円を割っている現在こそは海外資産投資を検討すべき絶好の機会であると考えています。
但し株式につきましては少々慎重です。未だアベノミクスの影響、特に「第3の矢」については個人的には期待外れでしたので、「円安メリット」や「銀行の 貸し出し増加」などの分かり易いストーリーからは出来るだけはみ出さない程度に、当面は(期待も含めて)インデックスで13,500円(今年度EPS予想 を900円としてPER15倍相当)を挟んで、上下10%くらいのレンジを想定しておこうと考えています。7月下旬になり各社業績の方向性が見えてくる第 一四半期決算発表が近づいて来れば、そろそろ石川臨太郎さんの「いぶし銀銘柄」も出番が来る頃ではないでしょうか?(^^)
気を付けねばならないのは為替です。ここ数年だけでも交易条件の悪化している日本経済が、ちょっとやそっとの円安でそう簡単に回復するとは思えません。 また、時間が経てば経つほど財政状況の悪化(なかなか回復しない財政)も表面化してくるものと思われますから、長い目で見れば円安は徐々に進行する可能性 が高いと考えています。
しつこいようですが、詐欺商法は論外であるものの、大手金融機関が手を変え品を変え大々的に宣伝する(保有コストが高めの)投資信託などにも十分に注意しつつ投資を楽しんで頂きたいと思っています。
最近は連日、有名どころの金融機関が新聞の全面広告で盛んに投資信託の宣伝をしていますが、有名人を起用した(先日の)詐欺事件と同じだなぁ、と感じるくらい、ため息が出るほど魅力の無い新金融商品が並んでいます。
(街のコンサルタント)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)