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孫子の投資法 戦わないのが勝利への最短コースその3
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孫子の投資法 戦わないのが勝利への最短コースその3

2013-12-26 09:24
    本連載を初めてお読みになる方は<孫子の投資法その1>を先にご覧くださ
    い。 http://okuchika.jugem.jp/?eid=4482

    ■投資とは詭道なり 戦わないのが勝利への最短コースその3■

    ◎トレードオフ、何をしないかが大事 その2<降参した兵士は優遇する>

    ◎降参した兵士は優遇して養い、多くの敵の食糧を奪ったときには、奪った兵 士に優先して与える。

     チェズでは相手から奪った駒は死んだままで復活することはありません。それに対して将棋では、相手から奪った駒は自分<の軍>の一員として活躍し重要な戦力となります。

     軍隊、忠誠心、規律というものに対する考え方の差が如実に表れていますが、孫子は日本の将棋と同様、<降参した相手は有効活用すべし>と述べています。

     もちろん、情けをかけた源氏の幼子に平家が滅ばされるということも歴史上起こっているのですが<相手を死に物狂いになるまで追いつめない>というのは重要な戦略です。

     最近、北朝鮮の大規模な粛清が話題になっています。このような残虐な行為は、恐怖心で規律を維持できるというメリットと、<どうせ処刑されるなら怖いものは無い、徹底的に戦ってやるという「窮鼠猫をかむ」状態に反対派を追い込む>デメリットがあります。

     戦争でも、捕虜になったら拷問されたり銃殺されたりすると思えば名誉の戦死をいとわなくなりますし、そのような兵隊が集結することにより強力な軍隊がで きあがります。ところが、捕虜には温かいスープとパン、それにふわふわの寝床が用意されているのがわかれば、わざと相手に負けて捕虜になろうと考える兵士 が出てきても不思議ではありません。

     古代ローマの軍隊が強かった理由には色々ありますが、「十人組」という制度もその一つです。ある時期の将軍は、10人組の中の誰かが敵にやられると、残 りの9人に仇討として敵の首を持ってくることを命じました。そして、もしそれが実行できなかった場合には9人全員の処刑を行いました。北朝鮮並みの残虐さ ですが、古代社会ではそれが普通であったともいえます。それがうまく機能したので、ローマ軍は最強を誇ったのですが、当時バーバリアン(野蛮人)と呼ばれ た周辺民族が孫子を学んでいて、捕虜となったローマの戦士を優遇していたとしたら、ローマ軍からは脱走者が続出し状況は大きく変わっていたでしょ う・・・。

     また、孫子の兵法では諜報戦(スパイ合戦)を重要視します。古代から、戦争において情報が重要なことを十分理解していたわけですが、元々敵の軍隊の内部にいた捕虜(特に将校クラス)は情報の宝庫です。彼らを懐柔して敵の弱点を探し出して攻撃すれば、簡単に勝利できます。

     味方の戦力をできる限り温存して敵の力を最大限に利用して勝利を収める<孫子の兵法>において、捕虜は貴重な財産だということです。

     もちろん、ビジネスにおいても同様です。味方である(べき)自社の社員だけでは無く、競争相手の企業の社員をどのように懐柔し味方に引き入れるのかとい うことも重要な戦略なのです。逆に味方であるはずの自社の社員が、敵の懐柔策に操られてしまわないように十分注意しなければなりません。

     また、厳しい営業ノルマを課せられた金融機関の営業担当は、ローマ軍の兵士と同じです。処刑怖さに、敵(顧客)から戦利品(お金)をできるだけ沢山集め るために死に物狂いになり、どんなひどいことも行うようになります。投資家は、<自分の担当者は恐ろしい敵>だということを十分認識しなければなりませ ん。もっとも、彼らに温かいベッドと熱いスープを用意すれば寝返るかもしれませんが、彼らが金融機関の社員として得ている多くのメリットを考えれば、それ は簡単ではありません。

     また、戦争というものは残酷なもので敵から食糧と命を奪うわけですが、それを率先して行う人間に十分な報酬を与えなければ兵士のモチベーションが上がら ないのです。情報を始めとして、ビジネスや投資に重要なものに関しても費用を惜しんではなりません。相手(兵士)のモチベーションを上げなければ、結局良 いものを手に入れることはできないのです。

    (OH)

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    (情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)
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