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~従業員は正当な権利を主張しよう。経営者は思い切った賃上げで応えよう!~
忙しさにかまけて、コラムの執筆を1年程度、さぼってしまいました。申し訳ありません。ファンドマネージャ稼業を相変わらず続けております。
今日は、ファンドマネージャという立場から、経営者に対して厳しいことを書きました。
題して、♪「日本ホワイト化」大作戦!です。
■囲碁を楽しむ職場
長閑な光景を思い出した。
小さい頃、母に連れられて、役所に行った時のこと。窓口の向こうで、仕事時間中にも関わらず、役所のおじさん(職員たち)が囲碁を打っていた。わたしたち の姿を見ると、ああ、お客さん(住民)が来たかと気づいて、おじさんが囲碁をやめて、窓口の対応をしてくれた。窓口の業務が終わると、再び、碁盤に戻って いった。数十年前のことである。ふと、なぜか、そんな長閑な光景が、懐かしく思い出された。
いま、役所に行って、このような光景を目にすることはない。
■権利を主張した組合
子どものころ、国鉄が春になるとストライキを行って、電車が止まってしまうということが度々あった。スト権ストという、スト権がないからスト権を求めてストライキを行う団体行動だった。
国労への国民の支持は低かった。ストライキで、国民は移動の手段を失う。駅のホームで動かない電車を待って、困り果てたサラリーマンの姿をテレビニュース が映し出していた。国労はバッシングを受けた。自分たちの権利を主張するのはよいが、国民に迷惑をかけない範囲でストを行え、という感じで。確かに、電車 が動かないのは迷惑だ。だが、同じ働く者として、働く仲間を応援するという立場もあった。
いつの時代も、公務員に対するバッシングは強い。リストラがない、恵まれた労働環境、安定した身分。世間一般は、必ずしもそうとは限らない。世間のねたみを買うのであろう。
ゆったりとした、みんながいいねと思う、そういう職場が、あなたの周りにあるだろうか。公務員のゆとりを批判することで失われるものがある。公務員の権利 を拡張することが、民間の権利の拡大となる。(批判は承知だ。いつの間にか、国労が国鉄を潰した。JALは組合が潰した、ということになっているが、会社 の経営責任は経営者が負うべきだ。)
歴史は、労働者の権利を徐々にはく奪し、働く者たちにしっぺ返しをした。この20年間、先進国で唯一、劇的に個人所得(年収、給料)が下がり続けた国があ る。我が国、日本である。600万円だった平均年収が、いつのまにか、400万円になってしまった。ありえないことだ。憲法25条で保障された生存権さえ 守られているとは言い難い。
スト権ストを迷惑だという立場で、職場で囲碁をすることをけしからんということで、自分で自分の首を絞めてきたのが日本の会社員だ。日本は、企業内労働組 合が多く、それらは、御用聞きの「なんちゃって」組合だ。賃上げを真剣に達成するどころか、企業の言いなりになって、この20年、賃下げを主導してきた。 組合は賃金を守ることが仕事のはずだが、結果だけを見れば、日本の組合は、一貫して従業員の敵であった。
その結果が、長期のデフレ。
日本経済の長期の消費の不振。
広がる貧困。この体たらくである。
■ブラック、ブラック、ブラック。泣き寝入りの国日本
ブラック企業が日本にはたしてどれだけあるだろうか?
パワハラ、セクハラ、長時間労働、過度の管理や締め付け、コンプラ強化。日本企業は、ほとんどがブラック企業ではないのか。上場企業の代表であるユニクロ やワタミでさえ、社会問題になるほどの離職率である。3年で新入社員が5%もやめたら、会社は大反省しなければならない。それが30-50%もやめるとい うのは、人間の使い捨てだ。一部上場企業で離職率がこれほど高いのは異常だ。
「厚生労働省は17日、事前の電話相談や情報などを基に「問題がある」と判断した全国5111の事業所を重点的に抜き出して実施した過重労働などの監督結 果を公表した。全体の82%にあたる4189事業所で長時間労働や残業代不払いなどの労働基準法違反があったほか、過労死のラインとされる月80時間以上 の残業をさせていた事業所も1230(24.1%)に上った。こうした重点監督は初めて。過酷な働き方で若者らを使い潰す「ブラック企業」の実態が浮かん だ。」(毎日新聞より)
■殺気を感じる朝の電車
都心では、朝の駅のホームや階段が危険だ。人々の中には、遅刻を恐れて、朝の駅で、必死で走る人がいるからだ。どうして走るのだろうか。朝の地下鉄で、わたしは殺気を感じる。人とぶつかりそうになりながら、一刻を争う様を見るにつけ、日本はつくづく貧しい国だと思う。
お昼もそうだ。12時を過ぎたとたん、一斉にオフィスから人があふれる。外にランチに出て、オフィス界隈のレストランはどこも混雑する。地方の方は信じな いだろうが、東京では、食事をするために、行列を作ってレストランに並ぶ、ということが当たり前なのだ。もう少し前に、ほんの20分程度早くランチに行け ば空いているのに。ほんの20分、30分前の時間さえ、自由にならない。そんなわずかな時間さえ、労働者は自由にならない。20分早くランチに行き、20 分早くオフィスに戻ればいいだけであろう。
日本人は、有給の消化率が悪い。夏休みも、冬休みも、春休みも短い。年間何十日とあるはずの有給をなぜ、きっちりと100%消化しないのだろうか。
もう、群れるのはやめて、しっかりと有給を取り、残業代を請求し、賃上げを要求してもいいのではないか。過去20年、ずっと下がってきた給料。2倍、3倍とはいわないが、30-40%ぐらい上げてくれと主張してもいいのではないだろうか。
■従業員はもっと主張すべきだ
会社員は、権利を主張した方がいい。
お昼休みは、たまには、2-3時間とってもいいのではないか。
毎日は困るだろうが、週に1回ぐらいは、3時間ぐらいのゆっくりとした昼休みをとってもいいのではないか。有給は年間30日ぐらい、とってもいいのではな いか。疲れず、余裕をもって集中して働くために、朝、1時間程度の遅刻をするぐらいは、許容されてもいいのでないだろうか。毎日では困るだろうが、週に1 日ぐらい、2時間ぐらい遅刻しても許されるべきだ。仕事は成果だ。やるとき、やればいい。
人間が人間らしく働くためには、自己裁量が必要だ。規則から自由になることが人らしく生きるための必須の条件だ。
■稼ぎまくるブラック企業
再び言おう。この20年間、先進国で唯一、劇的に個人所得(年収、給料)が下がり続けた国がある。日本だ。600万円ほどだった平均の年収が、いつのまに か、400万円程度になってしまった。シングルマザーの半数が年収100万円程度で暮らしており、深刻な貧困に苦しむ世帯が増えているという。若者の給料 は上がらず、ボーナスは業績連動で当てにできない。経済的な理由から結婚できない若者が増えているという。先が見えない中で、少子化が加速し、人口は減少 し、高齢化が進展している。
一方で、上場企業の利益剰余金は過去最高の水準だ。企業からの配当は、過去最高を記録した。上場企業の9月中間期の純利益も、過去最高を更新した。
自民党政権になって、プロビジネスの流れが定まった。
法人税は減税の方向、所得税や消費税は増税の方向だ。
今後も、これまでと同様に、企業がしっかり稼ぎ、株主が利益を得る一方で、当然のことのように、従業員や家計が犠牲になるだろうか。
総理大臣でさえ、企業に賃上げを要請している。異例だ。企業と従業員とのバランスは一方的に失われた。日本の購買力は低下し、景気の低迷が長期化した。働く人は、圧倒的な多数なのだから、もっと報われていい。労働者は団結し、みんなで声をあげて、賃上げを求めるべきだ。
■ホワイト、ホワイト、ホワイト。「日本企業ホワイト化」計画!
わたしはファンドマネージャであり、日本企業の株式を評価し、株式を売買することを生業としている。土地バブルのころに、この業界に入って20年以上が経った。
経営者は、賃金を上げれば競争力が低下する、という。
だから、景気がよくなっても、賃上げはしない。
戦後最長の景気拡大期があった。景気拡大は2007年まで継続したが、景気がよくなっても、経営者は賃上げしなかった。それで、どうなったか。
結果は、従業員のモチベーションのガタ落ち。
経営者が成果主義の導入で給料を下げておいて、成果が上がっても給料は上げなかったからだ。
日本企業は、従業員への管理が厳しすぎる。
従業員は自由にさせ、遅刻を許容し、昼休みなど設けず、たとえ定時前に帰宅しても構わない。そうすべきだ。仕事中に囲碁や将棋をやっても問題ない。
そうなれば、いい職場。恵まれている。社員は意気に感じるだろう。離職率はゼロ。「ホワイトな」職場ではないか。
経営者の仕事は、まず、職場をホワイトに変えることだ。社員のやる気をそがないことに尽きる。人間は余裕があれば、本来、やる気に満ちる。ルールで縛れば、やる気が失せ、仕事は義務になり、つまらなくなる。
管理をやめて、賃金を上げて、自由に仕事をさせる。そうすれば、その企業はつぶれるどころか、活性化し、やる気に満ち、収益は上がるというものだ。
人間という生き物の本質がわからないのであれば、経営者はやめるべきだ。
業績が出ているのに、競争に負けるとか、アホなことを抜かす経営者はやめるべきだ。
景気拡大期に給料を下げてしまった日本企業の経営者たちは、そのことを、深く恥じて反省しなければならない。デフレの長期化は、バカな経営者たちの盲目的な集団行動が招いた人災という側面があるのは疑いようがない。
アメリカのように1%の人々が社会の過半の富を所有するのは公正な社会とはいえない。
経営者は速やかに賃上げを実行せよ!といいたい。
ブラック企業をホワイト化せよ!
P.S.
早いもので、証券業界に入って四半世紀が経過しました。
新入社員のころ、わたしの横でいつも仕事時間中に将棋をさしていた2人の有能な先輩のことを思い出しました。10年ほど前、仕事が暇なときに、仕事時間中 にみんなで映画見たり、ボーリングに行ったりしたことを懐かしく思い出しました。自由な職場でした。一緒に映画にいったメンバーたちと、今、一緒に働いて います。
日本株ファンドマネージャ
山本 潤
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)
山本潤氏の過去コラム → http://okuchika.jugem.jp/?cid=6
山本潤氏のファンダメンタルズ分析日本株アナリスト養成講座DVD
http://enjyuku.com/guide/stocks/yamamoto.php
忙しさにかまけて、コラムの執筆を1年程度、さぼってしまいました。申し訳ありません。ファンドマネージャ稼業を相変わらず続けております。
今日は、ファンドマネージャという立場から、経営者に対して厳しいことを書きました。
題して、♪「日本ホワイト化」大作戦!です。
■囲碁を楽しむ職場
長閑な光景を思い出した。
小さい頃、母に連れられて、役所に行った時のこと。窓口の向こうで、仕事時間中にも関わらず、役所のおじさん(職員たち)が囲碁を打っていた。わたしたち の姿を見ると、ああ、お客さん(住民)が来たかと気づいて、おじさんが囲碁をやめて、窓口の対応をしてくれた。窓口の業務が終わると、再び、碁盤に戻って いった。数十年前のことである。ふと、なぜか、そんな長閑な光景が、懐かしく思い出された。
いま、役所に行って、このような光景を目にすることはない。
■権利を主張した組合
子どものころ、国鉄が春になるとストライキを行って、電車が止まってしまうということが度々あった。スト権ストという、スト権がないからスト権を求めてストライキを行う団体行動だった。
国労への国民の支持は低かった。ストライキで、国民は移動の手段を失う。駅のホームで動かない電車を待って、困り果てたサラリーマンの姿をテレビニュース が映し出していた。国労はバッシングを受けた。自分たちの権利を主張するのはよいが、国民に迷惑をかけない範囲でストを行え、という感じで。確かに、電車 が動かないのは迷惑だ。だが、同じ働く者として、働く仲間を応援するという立場もあった。
いつの時代も、公務員に対するバッシングは強い。リストラがない、恵まれた労働環境、安定した身分。世間一般は、必ずしもそうとは限らない。世間のねたみを買うのであろう。
ゆったりとした、みんながいいねと思う、そういう職場が、あなたの周りにあるだろうか。公務員のゆとりを批判することで失われるものがある。公務員の権利 を拡張することが、民間の権利の拡大となる。(批判は承知だ。いつの間にか、国労が国鉄を潰した。JALは組合が潰した、ということになっているが、会社 の経営責任は経営者が負うべきだ。)
歴史は、労働者の権利を徐々にはく奪し、働く者たちにしっぺ返しをした。この20年間、先進国で唯一、劇的に個人所得(年収、給料)が下がり続けた国があ る。我が国、日本である。600万円だった平均年収が、いつのまにか、400万円になってしまった。ありえないことだ。憲法25条で保障された生存権さえ 守られているとは言い難い。
スト権ストを迷惑だという立場で、職場で囲碁をすることをけしからんということで、自分で自分の首を絞めてきたのが日本の会社員だ。日本は、企業内労働組 合が多く、それらは、御用聞きの「なんちゃって」組合だ。賃上げを真剣に達成するどころか、企業の言いなりになって、この20年、賃下げを主導してきた。 組合は賃金を守ることが仕事のはずだが、結果だけを見れば、日本の組合は、一貫して従業員の敵であった。
その結果が、長期のデフレ。
日本経済の長期の消費の不振。
広がる貧困。この体たらくである。
■ブラック、ブラック、ブラック。泣き寝入りの国日本
ブラック企業が日本にはたしてどれだけあるだろうか?
パワハラ、セクハラ、長時間労働、過度の管理や締め付け、コンプラ強化。日本企業は、ほとんどがブラック企業ではないのか。上場企業の代表であるユニクロ やワタミでさえ、社会問題になるほどの離職率である。3年で新入社員が5%もやめたら、会社は大反省しなければならない。それが30-50%もやめるとい うのは、人間の使い捨てだ。一部上場企業で離職率がこれほど高いのは異常だ。
「厚生労働省は17日、事前の電話相談や情報などを基に「問題がある」と判断した全国5111の事業所を重点的に抜き出して実施した過重労働などの監督結 果を公表した。全体の82%にあたる4189事業所で長時間労働や残業代不払いなどの労働基準法違反があったほか、過労死のラインとされる月80時間以上 の残業をさせていた事業所も1230(24.1%)に上った。こうした重点監督は初めて。過酷な働き方で若者らを使い潰す「ブラック企業」の実態が浮かん だ。」(毎日新聞より)
■殺気を感じる朝の電車
都心では、朝の駅のホームや階段が危険だ。人々の中には、遅刻を恐れて、朝の駅で、必死で走る人がいるからだ。どうして走るのだろうか。朝の地下鉄で、わたしは殺気を感じる。人とぶつかりそうになりながら、一刻を争う様を見るにつけ、日本はつくづく貧しい国だと思う。
お昼もそうだ。12時を過ぎたとたん、一斉にオフィスから人があふれる。外にランチに出て、オフィス界隈のレストランはどこも混雑する。地方の方は信じな いだろうが、東京では、食事をするために、行列を作ってレストランに並ぶ、ということが当たり前なのだ。もう少し前に、ほんの20分程度早くランチに行け ば空いているのに。ほんの20分、30分前の時間さえ、自由にならない。そんなわずかな時間さえ、労働者は自由にならない。20分早くランチに行き、20 分早くオフィスに戻ればいいだけであろう。
日本人は、有給の消化率が悪い。夏休みも、冬休みも、春休みも短い。年間何十日とあるはずの有給をなぜ、きっちりと100%消化しないのだろうか。
もう、群れるのはやめて、しっかりと有給を取り、残業代を請求し、賃上げを要求してもいいのではないか。過去20年、ずっと下がってきた給料。2倍、3倍とはいわないが、30-40%ぐらい上げてくれと主張してもいいのではないだろうか。
■従業員はもっと主張すべきだ
会社員は、権利を主張した方がいい。
お昼休みは、たまには、2-3時間とってもいいのではないか。
毎日は困るだろうが、週に1回ぐらいは、3時間ぐらいのゆっくりとした昼休みをとってもいいのではないか。有給は年間30日ぐらい、とってもいいのではな いか。疲れず、余裕をもって集中して働くために、朝、1時間程度の遅刻をするぐらいは、許容されてもいいのでないだろうか。毎日では困るだろうが、週に1 日ぐらい、2時間ぐらい遅刻しても許されるべきだ。仕事は成果だ。やるとき、やればいい。
人間が人間らしく働くためには、自己裁量が必要だ。規則から自由になることが人らしく生きるための必須の条件だ。
■稼ぎまくるブラック企業
再び言おう。この20年間、先進国で唯一、劇的に個人所得(年収、給料)が下がり続けた国がある。日本だ。600万円ほどだった平均の年収が、いつのまに か、400万円程度になってしまった。シングルマザーの半数が年収100万円程度で暮らしており、深刻な貧困に苦しむ世帯が増えているという。若者の給料 は上がらず、ボーナスは業績連動で当てにできない。経済的な理由から結婚できない若者が増えているという。先が見えない中で、少子化が加速し、人口は減少 し、高齢化が進展している。
一方で、上場企業の利益剰余金は過去最高の水準だ。企業からの配当は、過去最高を記録した。上場企業の9月中間期の純利益も、過去最高を更新した。
自民党政権になって、プロビジネスの流れが定まった。
法人税は減税の方向、所得税や消費税は増税の方向だ。
今後も、これまでと同様に、企業がしっかり稼ぎ、株主が利益を得る一方で、当然のことのように、従業員や家計が犠牲になるだろうか。
総理大臣でさえ、企業に賃上げを要請している。異例だ。企業と従業員とのバランスは一方的に失われた。日本の購買力は低下し、景気の低迷が長期化した。働く人は、圧倒的な多数なのだから、もっと報われていい。労働者は団結し、みんなで声をあげて、賃上げを求めるべきだ。
■ホワイト、ホワイト、ホワイト。「日本企業ホワイト化」計画!
わたしはファンドマネージャであり、日本企業の株式を評価し、株式を売買することを生業としている。土地バブルのころに、この業界に入って20年以上が経った。
経営者は、賃金を上げれば競争力が低下する、という。
だから、景気がよくなっても、賃上げはしない。
戦後最長の景気拡大期があった。景気拡大は2007年まで継続したが、景気がよくなっても、経営者は賃上げしなかった。それで、どうなったか。
結果は、従業員のモチベーションのガタ落ち。
経営者が成果主義の導入で給料を下げておいて、成果が上がっても給料は上げなかったからだ。
日本企業は、従業員への管理が厳しすぎる。
従業員は自由にさせ、遅刻を許容し、昼休みなど設けず、たとえ定時前に帰宅しても構わない。そうすべきだ。仕事中に囲碁や将棋をやっても問題ない。
そうなれば、いい職場。恵まれている。社員は意気に感じるだろう。離職率はゼロ。「ホワイトな」職場ではないか。
経営者の仕事は、まず、職場をホワイトに変えることだ。社員のやる気をそがないことに尽きる。人間は余裕があれば、本来、やる気に満ちる。ルールで縛れば、やる気が失せ、仕事は義務になり、つまらなくなる。
管理をやめて、賃金を上げて、自由に仕事をさせる。そうすれば、その企業はつぶれるどころか、活性化し、やる気に満ち、収益は上がるというものだ。
人間という生き物の本質がわからないのであれば、経営者はやめるべきだ。
業績が出ているのに、競争に負けるとか、アホなことを抜かす経営者はやめるべきだ。
景気拡大期に給料を下げてしまった日本企業の経営者たちは、そのことを、深く恥じて反省しなければならない。デフレの長期化は、バカな経営者たちの盲目的な集団行動が招いた人災という側面があるのは疑いようがない。
アメリカのように1%の人々が社会の過半の富を所有するのは公正な社会とはいえない。
経営者は速やかに賃上げを実行せよ!といいたい。
ブラック企業をホワイト化せよ!
P.S.
早いもので、証券業界に入って四半世紀が経過しました。
新入社員のころ、わたしの横でいつも仕事時間中に将棋をさしていた2人の有能な先輩のことを思い出しました。10年ほど前、仕事が暇なときに、仕事時間中 にみんなで映画見たり、ボーリングに行ったりしたことを懐かしく思い出しました。自由な職場でした。一緒に映画にいったメンバーたちと、今、一緒に働いて います。
日本株ファンドマネージャ
山本 潤
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)
山本潤氏の過去コラム → http://okuchika.jugem.jp/?cid=6
山本潤氏のファンダメンタルズ分析日本株アナリスト養成講座DVD
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