2度の政権交代を経て少しは浄化するか?と期待していた政治や行政の在り方ですが、元都知事の借金問題では改めて既視感を覚えました。

 徳洲会にとっては数少ないブランド病院が手に入るなら5,000万円なんてはした金であり、(無期限、無利息、無担保と言うことは)あげても良いお金。 一方の大都市の知事として事務所を切り盛りする個人にとっては必要な金だったのでしょう。俗世から離れている作家だから大丈夫かも?と思っていましたが、 人の世は変わらないと言う事なのでしょうか。別に猪瀬氏が好きな訳でもなく、どちらかと言えば、あの少々横柄な物言いが嫌いでしたが、グレーな金であるこ とを知りつつ何故に貰っちゃったんだろうか?と・・・辞任で幕引きをしたいのでしょうが、依然として腑に落ちない部分が多々残ります。

 大都市東京の知事のスキャンダルとしてはこの程度の借金(贈賄?)は実は大したニュースでは無いかも知れないのに、マスメディアが(毎度のことですが、 大事な部分の究明は何一つせず、単に)大騒ぎをしていることにも落胆しました。元知事のお蔭で過去に利権を奪われた役人達の逆襲であり、普段はろくすっぽ 仕事(政治)もしていない無能政治家のアピールの場になっています(苦笑)。
 AIJと言う小型投資顧問の詐欺が2,000億円。米国ナスダック元会長の詐欺に至っては約5兆円が失われました。年金詐欺(社保庁問題)による国民の 損失も巨額でしたが誰か責任を取ったのでしょうか?もちろん比較対象になるのか?とのご批判もごもっともですし、都知事と言う立場や倫理観の有りようも大 事ですが、とは言え詐欺ではないですし、経済的観点からすれば、道路公団改革など猪瀬元都知事による無駄の削減効果は巨額だったし(最近は土木系議員によ る巻き戻しの動きが活発化しています、嘆息)、革新的な発言も多かったと思います。全体を俯瞰すること無く、また本質を究明することもせず、この時とばか りに役人(既得権者)の手先となってワアワア騒ぐだけではジャーナリズムの欠片も感じません。
 この騒ぎの中で、税金による原発処理の表明、行政予算の改善見送り、診療報酬の増額、天下り機関への役人の返り咲き等々、国民が気を許した隙を見て血税の分捕り合いとなっています。この一医療法人の贈賄事件の最中だけで複数のデジャブを感じました。

 この調子では来年になっても期待できるレベルの第3の矢は放たれず、有り得るのは第1の矢(金融緩和)と第2の矢(公共工事)の追加が出てくるだけにな るのではないのか?為替や景気、或いは日本の将来性に期待するなどとは関係無く、目先ではありますが、上伸する株式は公共事業に関係する銘柄とセミプロし か参加できない仕手系銘柄ばかり?と考えておくのも安全策かも知れません。質の悪いバブル発生が懸念されます。

 特に12月からは投機的資金ばかりが目立ちます。ここ一年で相当の体力がついた大口のデイトレーダー、インデックスとデリバティブをベースにした短期売 買、そしてインデックスの動きにばかりに敏感な機関投資家などが中心でしょうか。そこに悪意を持った(相場操縦目的の)投資家が大挙して参戦している構図 です。最近はこの手の話しを多く聞くようになりました(困)。

 足元では、一般的なファンドマネジャーは「この相場では無理をしない方が良い」として、新規資金はそれなりに組み入れているものの、どちらかと言えば静観しています。大半の個人投資家によるヤレヤレ売りと節税売りが今日
(水曜日25日)まで続いているようですが、明日からはそれも一旦途切れ休みモードに入るのか?それとも短期資金中心に行けるところまで行ってしまうの か?幾ら待機資金があるとは言っても明日から直ぐにでもNISAを使って投資を始めるって人はそう多くはないと考えているのですが・・・。

 とは言え株式市場は色々な事柄を前倒しで織り込んできますから、案外年前半に高値を取りに来る可能性もあります。大半のアナリストが来年末頃の高値を予想していますので、このような時は5~6月頃が高値になっていたケースが多かったような。
 NISAについては大手金融機関がお祭り騒ぎをしていましたが、5年を待たずともNISA口座を替えられることが決まってからは少し落ち着いたようです。毎度のことですが、結果は広告代理店の一人勝ちでしたね・・・(笑)。

 来年は先進国を中心とした株式市場には期待出来そうです。新興国の株式市場も景気の動向が見えてくればボトムアウトのタイミング待ちとなっているのではないでしょうか。一方で金利上昇が顕在化してきますので債券市場については注意が必要になります。

 あと注意点としては、韓国が予想以上に「想定外の行動をとること」です。民間ベースでの日本との金融取引についても政府が口出しを始めたようです。最近 得ている情報では朴政権の動向に付いては予断を許さない状況になっているようで、特に韓国の民間企業がその万が一の動向変化に身構えているとのことです。 この国が可笑しな方向に動き出すようだと中国と北朝鮮を中心として東アジアが極めて不安定な状況に陥る懸念があります。

 来年こそは日本が新しくなる予感(変化)が必要です。まずは国家運営の不具合を直さねば改善が望めないことは今回の予算編成で明らかになりました。やは り全ての歪みの元となっている票格差を是正することが「急がば回れ」の道理ではないのか?それを出来るのは政権安定期しかない・・・、などと(毎度です が)考えている次第です。

 今年も拙い文章に付き合っていただき恐縮しています。

 イノベーターズ・フォーラムの方から「何件のアクセスがあったよ」と教えていただけるのを拠り所に、何とかネタを探しつつ書いています(汗)。

是非良いお年をお迎えください。

(街のコンサルタント)

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)