間もなく1月も終わり、日一にちと明るさが増していることを実感でき、ようやく夜長の時期が過ぎようとしています。あと2ヵ月もすれば昼の方が長くなり寒さも緩む、明るい季節の始まりとなります。

 さて、昨年11月の経常収支が5,928億円の赤字に沈みました。年間の所得収支は15.6兆円と増加していますが輸入の急増で貿易収支が大幅に悪化し たことによります。12月の貿易赤字も1.3兆円と前年比2倍に拡大し、昨年度1年間では11兆円強の貿易収支赤字とのことです。秋頃には80兆円近くに なる輸入に対してJカーブ効果に期待する輸出の伸びがどの程度になるかが話題になっていましたが、残念ながら第三四半期も輸出は振るわず70兆円に届かな い結果となりました。

 以前より何度も指摘されていた、まさに政策無き(既得権造り)エネルギー行政と産業の空洞化、交易条件の悪化、日本製品のコモディティー化などが重なっ た結果です。現状維持なら今後も徐々に経常収支の悪化が進行することでしょう。これが継続すると輸入物価が先導するインフレとなる悪い円安を招きます。高 価な石化燃料を仕入れる電力会社も背に腹は代えられず、利益を出すためには節電論議を封印してでもせっせと電気を使ってもらい、並行して徐々に値上げを浸 透させて原発の処理費用を捻出しようとの魂胆(produced by経産省)のようです。天下りに利用していた電力会社や関係会社社員の現在だけでなく将来までをも犠牲にし困難な仕事をさせ、且つ原発処理も発電維持 も、全て失敗によるツケを国民に廻してしまう政治無策、無責任行政。こんな無能な連中が百戦錬磨の中国共産党と丁々発止とやっていくなぞ無理と落胆してい るのは私くらいでしょうか。
 もちろん原発を直ぐにでも動かせと言うつもりはありませんが、代替策が無いにもかかわらず「即停止せよ!」と言うだけで戦略の無い、近視眼的、且つ有権者受けのお題目を唱えるだけの無責任政治家にはご退場いただきたいと思っています。

 いつの選挙でも、取りあえず耳触りの良い有権者向けのキャッチフレーズだけ振りまく無責任候補は洋の東西を問わず沢山おりますが、今度の都知事選はどうなるのでしょう。

 さて気分を替えて・・・。株式市場もここ数日の日差しのように一進一退(よりちょっと前向き)といった具合に考えていましたが、今月は1ヶ月かけて10%近い調整をしました。ここ最近は乱高下が激しく、まさに投機ファン
ドとデイトレのゲーム場と化しています。新興国の為替を動かし、そのついでに株式市場の市場心理を利用して儲けたい。つまり何か理由を作っては相場を動か して儲けたいのでしょう。それが彼らの本業ですから止むを得ませんが…。出来るだけ振り回されないよう気を付けましょう。
 アルゼンチンペソが13%も下落したなども株式市場に悪影響を及ぼしましたが、この原因はアルゼンチン政府によるインフレ対策(インフレ隠し?)の弱点 を投機マネーが突いただけであろうと考えられます故、景気状況や資金動向を踏まえれば国内株式市場にはそれほどの影響や調整は無いだろうと思っています。
 昨年まではNISAを始めとして様々な楽観見通しが大勢を占めていましたが、企業の今後の予想や消費税増税による悪影響などがこれから織り込まれてゆく相場になるのでしょうから、今月は割安銘柄を探す良い機会を提供してくれた調整だったと捉えています。

 市場には待機資金が溢れています。政府主導のバブルが始まっている訳ですし景気動向も徐々にではありますが好転してくるでしょうから、投資をエンジョイ するべく色々と研究する良い機会です。短中期的には株式市場が面白いでしょうし、中長期的には新興国の債券などを仕入れるタイミング待ちかなと考えていま す。
 注意するところは、2月から連休頃までの株式市場において急な上げ方をするようなら、今年に就いてはそこが当面の高値になる可能性もあると感じていま す。何故かと言えば、活況相場が予想外に早まってしまうとその後に続く上昇要因が見つからないからです。せいぜい「黒田バズーカ第二弾」に期待する程度で しょうか。

 オマケですが、たまには銘柄を・・・。
 東洋機械が大幅上方修正をしました。為替の影響が大きいようですが、売り上げも徐々に伸びているようですから国内もアジア圏でも設備投資は悪くないのだ と感じています。為替が100円台を維持するようなら実質的には3月末(年度)でもう少し利益が伸びると思います。この観点からはOKKや油研工などの渋 い銘柄も収益改善が期待できるのではと考えています。
 また石川臨太郎さん銘柄ですが、エイチワンや萩原工業など中間決算で出し惜しみをしていた会社も、少なくとも今期の数字に就いては期待できそうです。5月頃に発表される来期決算については控えめな数字が出るかもしれませんので、まずは4月頃までの方向性として。

(街のコンサルタント)

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)