産業新潮6月号連載記事の冒頭部分です。
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■一本しかない橋
「一本しか無い橋の料金所の様なビジネスをやりたい」
とバフェットは繰り返します。例えば川に橋が一本しか無ければ、誰もがその橋を渡らなければならないわけですから、顧客の意見など聞かなくても自由に料金を設定することができます。まさに儲かって笑いが止まらない商売です。
しかし、バフェットは政府の保護によって守られているような規制業種には基本的に投資をしません(鉄道のBNSFや電力のミッドアメリカン・エナジーなどに投資した理由については別の機会に述べます)。
保護によって守られている企業は、内部から腐ってしまい自ら崩壊するからです。護送船団などと呼ばれ無敵に思えた銀行などの金融機関や、国策会社であっ たJALなど、多くの政府保護のもとにあったはずの企業が破たんしたことは、規制業種に対する投資の大きなリスクを物語っています。
実際、政府が他の橋をつくるのを規制しているおかげで、黙っていても儲かる一本しかない橋のビジネスをやっていれば、必然的に経営者も従業員も腐敗します。
まず、そのような会社に経営者は必要ありませんから、彼らは持て余した時間をフルに使って自分の報酬を含む利権の獲得に血眼になります。また従業員も、 お客が黙っていてもやってくるので、平気で釣銭を投げてよこしたり、就業時間中にアダルトサイトに夢中になって、料金所に長い行列ができても平気になりま す。
しかし、このような腐敗は永遠には続きません。安全面での管理もいい加減になって、最悪橋の崩落事故が起こるかもしれません。あるいは虐げられた顧客(国民)の怒りが頂点に達し、民営化やむなしとの決定が出て、すぐそばに「民営化橋」ができるかもしれません。
そうなったら、国の規制(保護)で甘い汁を吸って、根っこが腐っている「国営橋」はひとたまりもありません。民営化後の郵便事業と政府の規制と戦い続きてきたヤマト(運輸)の対決はこの縮図ですし、どのような結果になっ
ているのか皆さん良くご存知でしょう。
■二つの競争力
それでは、一本しかない橋の料金所をバフェットはどのようにつくっているのでしょうか?
バフェットはこの究極的な競争力(料金所)のことを「堀」と呼びます。例えば、策略によって埋め立てられるまでの大阪城の「堀」は、徳川軍を寄せ付けま せんでした。また、武田信玄が「人は堀」と言ったように、バフェットが強調する「堀」は、必ずしも目に見えるものではありません。バフェットが理想とする 「堀」をつくるための重要な要素を二つに集約すると「ブランド」と「仕入れ力」になります。
★続きは産業新潮6月号をご参照ください。
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