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頭を柔軟に その2
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頭を柔軟に その2

2015-10-09 16:11
    先月は4回目の成長戦略が発表されましたが、コーポレートガバナンス、イノベーション、女性の活躍・・・等々、表現は徐々に変化しているものの、「推進する、取り組む」と言った文言ばかりで具体性は欠けたままです。

     とは言え、「森の中政権」と言われた頃や、自民党が機能不全に陥ったリーマンショック前後から民主党政権までの4年間と比較すれば随分改善しています (苦笑)。TPPも大きく前進したようですし新閣僚の顔ぶれも決まったようです。安倍政権には是非とも踏ん張って構造改革を進めてもらいたいと思います。


     今週は「TPP大筋合意」の記事が並びましたが、族議員からは早速「今後は農業支援が大事」といった予算狙いの発言が出始めています(笑)。全農のテラ 銭維持のためにミニマムアクセス米を増やす方法での妥結は残念でしたが、くれぐれも93年のウルグアイラウンド後の轍を踏まないようお願いしたい。


     また女性の社会進出に絡めて毎度のように待機児童の問題も取り上げられますが、最大の障壁となっている既得権団体や縦割り行政の問題にも踏み込んで欲しいものです。

     ここ数年は保育所の整備も進んでいますが何せ遅すぎます。族議員や地方議員が利権保護のために抵抗するからですが、少子化対策のうち保育園の新規認可な どに最大の障害となっているのが既存の保育園事業者(主に社会福祉法人)であると、メディアもはっきり伝えません。税金の軽減措置を受けた認可団体であり 地方議員の後援会に有力な会員として名を連ねています。

     既存事業者にとっては児童(顧客)が列を成して待ってくれているくらいの需給バランスが心地良いのです。今が安泰なら誰も競争などしたくありません。も ちろん補助金を受けている身ですから民間トップのような高額な報酬は得られませんが、社会福祉法人とは名ばかりの驕った経営者も時々見かけます(呆)

     行政にしても負担が増えることは避けたいし、議会や上層部から圧力を受けるくらいなら担当者としては何もしない方が得策と考えることになります。その結 果、新規の申請があっても何だかんだと屁理屈を並べては中々許可をせず、また理不尽なほどの設置条件を満たせず認可を受けられない保育所に対しては「無認 可」と言う、まるで違法との印象を与えかねない単語を使う方法で世論の目を誤魔化し利権を守っています。
     たっぷりと補助金を受けている認可保育所と違い民間の事業者は厳しい経営環境の中で、しかも法整備も中途半端な状態ではトラブルも起こり易いはずです。善意ある民間の無認可保育所ほど、それら不当な圧力を強く感じていることでしょう。


     行政(族議員を含む)が国民を騙す(責任転嫁する)手口は経産省所轄の電力業界も同じ構図ですね。先日の東洋経済(9月26日号)で一橋大学大学院教授 の斎藤誠先生が分かり易く解説されています。斎藤先生は経済学がご専門でとても簡潔に問題点を書き出されるので、この手のコラムをいつも楽しみにしていま す。


     頭を柔軟にと書いた2010年4月のコラムでも「英会話ができない英語教師の既得権を守るために生徒や学生に8年間もの無駄を強いている」と書きましたが、同じことが縦割り行政と既存利権を守るために何十年間も連綿と続いている様子が分かります。

     この例でいけば、英会話の出来ない教師達が定年退職するまで(つまり永遠に)数百万人以上の生徒に無駄な時間を負担させる構図がずっと続くという事です。
     大人の勝手な都合を押し付けておいて「最近の若者は海外に出たがらない」などと責任転嫁しているのですから呆れます。英会話力が向上するだけで海外渡航 する学生の数など様変わりしそうです。一方的に(意図的に)流されるメディア情報を鵜呑みにしていては騙されたままです。文科省が国力低下の責任を自覚し ていないことは、先日来のオリンピック関連の不祥事でも再確認されました。


     投資についても同じです。何故その商品は売れているのか?その担当者は何故この商品を勧めるのか?何故今はその資産に人気があるのか?その裏側を推理する楽しみをもって運用に臨んでください。
     国の意向を受けて煽り記事ばかりを書く無責任なメディア情報を頼りにしては上手く行かず、損をするばかりです。今のマーケットではゲーム感覚を持たねば対応は難しく、柔軟な発想が損を回避し利益を生むものと思います。


     さて、本日は日銀政策決定会合後の公表がありましたが、(想定通り?)現状維持で変化はありませんでした。外部環境を見ても特に新たなオペレーションをすべき理由が見当たりません故に「想定通り」なのだと思います。
     中央銀行が株式市場の乱高下に右往左往するようでは、違う意味で不安材料となります。何せ世界第3位の経済規模を持つ先進国の中銀ですから、株式市場関係者が思惑で囃すのとは次元が違います。


     8月からの下落以降、市場は徐々に落ち着きを取り戻しつつあります。まだ暫くは世界的な資金余剰状態が続くと思われますので株式投資や外債投資については良い投資タイミングが来たと感じています。

     但し、中には上場を止めて解散してもいいくらいの会社も多々ありますから注意が必要です。解散価値を下回ったまま何時までも上場を維持し、且つ買収も(不透明な法整備と慣習により)され辛いと言う、これこそ発行体寄りと言われる日本市場が抱える最大の問題点です。


     追加です・・・。

     もし運用や金融商品の選び方で迷う際には、億近執筆者の一人である「小屋洋一」さんが主宰されているマネーライフプランニング社のHPをご覧いただくだけでも良いです。保険代理店の片手間に仕事をしている下手なフィナンシャルアドバイザーと違って最先端の情報を集めていますので小職も時々参考にしています。 http://www.mlplanning.co.jp/


    (街のコンサルタント)


    (情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関し
    ては御自身の責任と判断で願います。また、当該情報は執筆時点での取材及び
    調査に基づいております。配信時点と状況が変化している可能性があります。)
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