2015年の本コラムも今日でおしまい。
読者の皆様には1年間のご愛読を賜り心より御礼申し上げます。
山あり谷ありの株式相場。アベノミクスの成果が問われた2015年の景気が思ったほどではないとの批判もあったのかも知れませんが、今年も昨年末に比べ て日経平均は上昇し、日本の株式市場は皆様の資産形成に資する国民のインフラとして、その役割を十分に担ってきたと言っても良いかと思います。
日経平均は昨年末の17450.77円から1月16日の安値16592.57円をボトムに上昇トレンドを描き、6月には20952.71円の高値まで26.3%の上昇を演じました。
この段階での強気の意見はその後の調整相場で一気に後退。ギリシャ危機に中国経済の崩壊、更には米国の利上げ観測が相場の重しとなって調整トレンドが続き9月には16901.49円という年後半の安値をつけました。
中小型株の指標では8月25日が記憶に残る大幅下落のピークとなり、信用の投げで大変だった皆さんも多いものと思われます。
その後は一旦は20000円台に戻った日経平均ですが、上値は重く12月25日現在、18769円で終えています。
残すところは2日間ですが、短期的には掉尾の一振への期待感は膨らみますが、基本的には外国人を中心にした投資家不在の展開で年末のドレッシング買い、節税対策で極端に売られた銘柄への買戻しがベースとなります。
日経平均は2015年の高値と安値の中間値である18772円を上回る水準で終えるという展開になるかと思われます。
個別銘柄はこれまで二極化が進みましたが、そうした二極化の動きから多少は解放され、それぞれの株価の位置を鑑みながら2016年に活躍が期待できる銘柄発掘に努める展開になると考えられます。
2015年は様々なテーマに沿った銘柄が活躍を見せました。
ビッグデータ、IoT、ロボット、車の自動運転、水素エネルギー、サイバーセキュリテイ、再生医療などの文字がメディアで踊り、多くの投資家がこれらに関連する材料株を求めて物色の矛先を変えていったと推察されます。
2015年の大きな流れとなった日本への観光客増加は中国人観光客の爆買いという行動に象徴され、日本の食品や医薬品などの購買につながり、それらに関連した日本株の異常なほどの値上がりにつながりました。
中国は一方ではバブル崩壊が叫ばれ、実際のGDPは7%どころかマイナス成長じゃないかなどと言われ、世界景気にとって不安な要素が浮上した1年でしたが、中国人観光客の購買意欲は旺盛で日本株のテーマにもなった訳です。
これが2016年も続くかと言えば、2020年の東京オリンピックに向けた観光立国化を図る日本だけにまだ続くとの期待は膨らみます。
中国に代わってASEAN諸国の台頭もあり、日本への関心はますます高まると言っても良いかと思います。
IPO市場には92社が新たに株式を上場させ、上場を廃止した企業とは入れ替わりで活発に売買されましたが、上場をとりやめた企業があったり上場後の業績悪化で株価が大幅な下落を見せるなど、その中身は悲喜こもごもです。
12月も18社が新規上場を果たしましたが、上場後の急落が相次ぐなどやや消化難になっているようにも感じられます。
2015年にIPOした最大の企業は日本郵政とその子会社2社ですが、日本郵政グループ3社の株式は上場後概ね順調な推移を辿り、官製相場の下で人気が継続しています。
2015年にも上場が噂されたLINEやZMP(車の自動運転に取り組む企業)などは2016年に改めて引き継がれ、期待を残しています。
株式相場で資産を形成するためには未来に向けて成長を指向する企業を見出し、いかにまだ評価されていない段階で投資し、それを中長期視点で保有することによって大きなリターンを得ることが求められます。
言うは易く、行うは難し。
ゴールを目指して最初の一歩を踏み出す勇気があれば自ずと道は切り開かれます。
2015年の資産形成活動はあと2日間で終わります。あせることはありません。また2016年も株式相場は続きます。
新たな出会いや、はらはらどきどきの体験が株式相場に足を踏み入れるとできます。私も皆さんとともにまた活躍銘柄を探していきたいと思います。
それでは皆さん良いお年をお迎え下さい。
そして、2016年も億の近道を宜しくお願いします。
(炎)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)