岡山に本社を置くKG情報(2408)の株価は今期の増配を発表して以来、派手さはありませんが、高配当利回りを背景にじりじりと上昇傾向を辿っています。

 全体相場がどうであれ、マイナス金利が政策として打ち出される今、株主にとっては少しでも配当利回りの高い銘柄を保有しようとするのはもっともな話です。
 KG情報の場合は記念配当+普通配当が25.4円という打ち出し方で550円前後の株価だと4.6%の配当利回りとなりますので、そこが評価のポイントです。実質時価総額が保有する現預金を下回っている点も注目されます。


 一方、昨年7月に再上場したデクセリアルズ(4980・T1)の場合は話が少し複雑です。
 同社は旧ソニーケミカルで、ハイテク企業ではありますが、上場後の人気は今ひとつ。主幹事は大和証券で注目度が高かった銘柄ですが、公開価格1600円 に対して初値は1550円。高値は9月の1790円でしたが、その後は下落の一途。これは何かありそうとの思惑の下、株価は1月21日に1063円まで売 られました。

 これに対して同社は先週、28日に第3四半期決算と通期業績計画の下方修正を発表。同時に今期の配当金を55円から60円に増配するとしましたので、株 価の動向が気になったのですが、買い気配からの始まりとなり始値は1187円、高値は1201円、安値は1148円、終値は1183円となりました。

 今3月期の予想配当利回りは5.07%となります。下期32.5円配当ですので期間利回りでは16%を超えますが、それでも売り物が出やすい状態です。
 なぜなら通期の業績を上場時の経常利益115億円から、87億円に下方修正。EPS111円を92.1円に下方修正したからです。
 時価はPER12.8倍ですので、東証1部銘柄としては決して割高ではないのですが、計画を下回るとの発表は失望感を誘っています。

 問題は来期以降に業績の向上が見込めるのかになりますが、異方性導電膜という成長商品を抱える同社の将来性を分析してみる必要があります。

 出来高は172万4900株と増加しており、株価は今後も配当利回りの高さで下支えされていくと見られます。


(炎)


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