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急落中の高配当利回りの主力銀行株は買いか
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急落中の高配当利回りの主力銀行株は買いか

2016-02-18 13:49
    東証1部の平均PERは13.7倍としても全体市場には恐ろしいほど低PER、低PBR、高配当利回り水準に放置されてしまった銘柄が散見されます。

     もともと万年割安株として放置されてきた銘柄もあれば、業績の下方修正の可能性を先取りしたもの、流動性に難があり換金売りで一時的にしろ売り込まれている銘柄など様々ですが上場3600社の多くは右肩下がりの展開となる中で3月期決算の達成に邁進している筈。
     前提となる為替相場を1ドル=120円としてきた輸出企業は現実の為替相場が一気に110円台まで円高になり、これが定着するとなれば業績の下方修正を余儀なくされることになります。

     円安メリットから円高デメリットを受ける企業の下方修正の嵐が今後想定されることになります。


     問題はこれがいつまで続くのか、落ち着く局面はやってくるのかということになります。


     全面安から内需型企業の上昇と輸出型企業の下落が混在する相場展開になるまでにはまだ時間を要します。また、為替相場もまだまだ変動が続きます。


     個別に見ますと滅多にないようなPER水準にまで株価下落が見られる銘柄が見出せますが散発的なため全体相場の潮流に竿をさす訳にはいきません。
     これまで経験したことのない株の世界では、こうした銘柄とのご縁を持つに至ることもあるぐらいに思われた方が良いのかも知れません。


     配当利回りの上昇は企業の増配によるものか、株価の低落によるものかは不明ですが、現状では銀行株などに見られる高配当利回り銘柄の多くが株価の大幅な値下がりによってもたらされています。


     みずほFG(8411)を半年前に280円で買った投資家と現状の155円で買った投資家とでは配当利回りは7.5円配当が維持される前提で2.5%と4.8%ということで2%以上も差がある訳です。
     でもなぜここまで売り込むかというのはマイナス金利の導入で銀行がつぶれるというようないい加減なメディアでの報道がなされたからに違いありません。
     国債だけを買っていれば利ざやを稼げて楽な商売を続けてきた銀行の収益が変わらざるを得なくなる訳ですが、大手都銀も地銀もこれからの銀行業が資金ニー ズのある成長企業をより一層積極的に見出してこれまで以上に、積極的に成長を指向する金融業として歩み出す第1歩となるのかと言うと、まだそこまでの状況 には至っておらず、リスク回避の経営優先のように感じられます。

     マイナス金利がどこまで続くかによって一層の再編・統合や効率化が進むのかも知れません。


     銀行株が押しなべて低PER、高配当利回り水準に放置されるのは先行きの不安感があるためだろうと思います。10年、20年タームでの評価の変遷で現状のリスクを勘案してのものだと言えるかと思います。

     クラウドファンディングやフィンテック、リバースモーゲージというキーワードで代表される新たな銀行業務による成長の芽をどう評価するのかという議論は 限られた先進的でリスクに挑戦する銀行にこそ用いられるべきですが、日本を代表する銀行が必ずしも先進的とは言えない点が残念です。


     護送船団方式で守られてきた銀行業界がリスクにさらされたことで日本株全体も一気に凋落の動きとなった訳ですが、上記の提言にあるように、この際、政府は高配当利回りとおぼしき民間銀行の株を買えば良いのです。
     銀行株の急落が日経平均を1万5000円割れに追い込んでしまった訳ですから一定の株価まで買い上がれば市場は次第に落ち着きを取り戻すでしょう。


     225採用の銀行株としては11行(新生銀行、あおぞら銀行、三菱UFJFG、りそなHD、三井住友THD、三井住友FG,千葉銀行、横浜銀行、ふくお かFG、静岡銀行、みずほFG)ありますが、これらの中で今期予想配当利回りが4.0%以上あるのは、あおぞら銀行(5.75%)、三菱 UFJFG(4.0%)、りそなHD(4.50%)、三井住友THD(4.45%)、三井住友FG(5.25%)、みずほFG(4.8%)の6行です。

     このほか、日本郵政3社の中の1社、ゆうちょ銀行(7182)も配当性向を来期は50%以上にするということで配当利回りが4.5%程度に向上すると見られます。

     いずれにしても各行とも業績の維持・向上、ないし急減などがあるのかどうかがポイントですが、急落過程の中で株価の位置や時価総額を勘案すると何があってもそろそろ、リバウンドがあっても良いように思われます。


    (炎)


    (情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)


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